あるトリマーさんのお話しから。 | 保護犬パオとガーデニング日和

保護犬パオとガーデニング日和

東京在住50代前半の専業主婦です。ポメをこよなく愛し ガーデニングが趣味です。
ガガ様と同じ病気。 線維筋痛症を発症して17年です。
痛みと闘いながら 保護犬3頭をみています。
犬は 私も元気の素です。
お空組 7頭も見守ってくれていると思います。

心にグサッと突き刺さります。

画像は1枚もありませんが、 目の前に状況が浮かんできます。

長文ですが お付き合いください。

 

*~*~*~転載文*~*~*~

 

 

初めまして、トリマーの専門学校に通っているPと申します。

 

今回、どうしても皆さんに読んで頂きたいものがあり書かせて頂きます。

これから続く文章は僕が動物管理センター(保健所)5日間研修をし、感じた事をまとめたものです。

実際に存在を知っていても現実を見た事が無い人が多い中、1人1人思う事は違うかとは思いますが色々な意見が聞けたらなと思います。

今回、研修させて頂いた管理センターは場所が珍しく

駅やショッピングモールが密集している中にポツンとありました。

殆どの管理センターが郊外にある事が多いのである意味特殊なセンターです。

 

1日~2日目

 

朝、職員の皆さんに挨拶に回り朝礼が始まる。

それが終わるとすぐに犬舎の掃除。

犬舎の中は広くとても綺麗でまずそれに驚いた。

犬を収容する場所は大きい所が4か所、小さい所が4か所、後ほかに中位のスペースのものが1か所あった。

それぞれ用途があって、基本的には大きい所。

人に噛みついたり気性が荒い犬は小さい所(隔離するときに使われる)

中位のスペースのものは小型犬を入れる所らしい。

その犬舎には雑種が6頭収容されていてその内の2頭は気性が荒く噛みつくので隔離されていて2頭の内1頭は衰弱していて今にも倒れそうな犬だった。

職員さんに掃除のやり方を習いながら洗っていく。

掃除が終わるとエサやりの時間

ここでもまた驚かされた。

職員さんが楽しそうに手で一つ一つ犬に餌をあげていた。

もちろん全部の犬ではなくてセンターのモデル犬(ふれあい広場などに出る犬で子供達に犬の飼い方などを教えていく)の2頭だけなんだけど、

元々その2頭も野良犬を捕獲して連れてきたのほしつけてモデル犬となっているみたいで、

話を聞くと「最初の頃はもちろん近寄っては来てくれないし吠えられたりもした」と

でも、お座り、伏せ、アイコンタクトをこなせていて初見の自分でも言う事を聞いてくれるぐらい人に懐いていた。

しつけも全て職員さんがしていて

「人間の手は楽しいものと思わせるんだ、けしてたたいたりしてはだめ。

折角エサと言う良い物があるんだからそれをうまく使っていけば時間は掛かるかも知れないけど犬は言う事を聞いてくれるよ

ただ、今の飼い主はそれをしなさすぎる。

時間が無いから、忙しいからを理由に皿に餌を入れてただあげるだけ。

もちろんしつけをしたり犬と触れ合う時間を他に取ってあるなら別だけど

それもしないで、『しつけを覚えないから飼えません』って持ってくる人がいるんだよ」

30分ぐらいだったと思う、

凄く楽しそうに職員さんの言う事を聞きながらエサを食べてる2頭の犬と、それ以上に楽しそうに犬と接している職員さんの姿がそこにはあった。

正直、管理センターの人=犬猫を処分する人と言うイメージがあってかなり抵抗があった。

もちろん、それもするけれどそれだけじゃない。

犬たちの為に1頭でも処分をする犬を減らせるようにそう言う熱い気持ちを持った人達だった。

もちろん全てのセンターがそう言う気持ちを持っている訳でもないしこのセンターでもやる気のない人間はいる、

けど、そのエサや犬舎の掃除を担当している人たちはそこら辺の飼い主や犬の専門学校に通ってる僕以上に犬に対しての気持ちが高かった。

エサやりが終わり事務所に戻り仕事をしていると1人のおばさんがやってきて

入ってくるや今にも泣きそうな声で「すいません、すいません」と段ボールを出してきた。

中を覗いてみるとたぶん生後1週間ぐらいの子猫が5匹仲良く寝ていた。

純粋にめちゃめちゃ可愛くて手に取りたかった。

しかし、おばさんが言うには近所に居る野良猫に餌をあげていたら知らないうちに子供を産んでいた。

うちも猫を飼って居てもうこれ以上猫を飼う事は出来ない、なので処分してくれと

その表情は泣きそうな表情にはなっていたけど涙は無く、時折苦笑いと出す時もあった。

係長が強く怒ってもう二度としないと約束していたがその人は今回が2回目。

その人が猫に向かって「可哀そう」と言う度に本気で殴りたかった

一時の「可愛い」と言う感情で餌を与えて、それが日課になり生まれた結果がこれだ。

餌をあげた事で「お腹の減った猫を助けた」って言う自己満足。

たぶん、野良猫にエサを挙げる人はそこまでしか知らない。

そのあとに生まれた子猫が処分されたり交通事故で死んだり、

倍以上の悲しみを産む事に気づいてない。

その5匹を処分室までおばさんに連れて行ってもらい引き取り料2000円を払ってすぐに帰って行った。

そして、その子猫はその日の夕方処分された。

昼過ぎから大型犬を飼っている家の訪問にまわった。

最近、大型犬が事件を起こして居るため飼育状況の確認と注意をする為らしい。

1日目は何事もなく終わったが2日目に山の中にあるボロボロの犬舎で土佐犬を12頭飼ってる人がいた。

しかも、犬の登録をしてないプラス狂犬病予防の注射もうっていない最悪の状態。

飼い主は分かっているけど金が掛かるからと意味のわからない理由。

法律で定まっている事を説明しすると無視をするし最後には逆ギレ。

大型犬の事件の話をしても「うちの犬は大丈夫、大人しい、噛まないから」と帰ってくるだけ。

注射を打っていない犬の飼い主は100%と言って良いぐらいこの理由で帰ってくる。

ただ、実際に起きた事件の犬もそう言う犬が引き起こしている。

犬も動物、いつでも100%飼い主の言う事聞くわけではない、しっかり家の中で飼っているならまだしも

人のいないボロボロの犬舎で今にも壊れそうな檻に12頭もいればそんな話ではなくなってくる。

最後は登録、注射するとは約束はしてはいたが態度は投げやりで信用できるか分からない。

 

3日目

 

朝の犬舎掃除を始めようと犬舎に入ると2頭の犬が倒れこんでいた

どちらも昨日までは吠えたり、普通に動き回っていたりしていた犬で、1頭はもうすでに死んでいてもう1頭は生きてはいるが痙攣を起していて倒れこんだままの状態。

職員さんに聞くと、餌に薬を混ぜたそうだ。

この2頭は噛みついて隔離されていた犬。

その後まもなくもう1頭も息を引き取った。

夕方、1組の親子がやってきた

飼っていた犬が迷子で居なくなったので探していたらセンターに収容されて居るという事を聞いてやってきたらしい。

犬を見てもらい確認が取れたので引き渡した。

大型の雑種で老犬だったのでヨボヨボと歩き元気もなくこのままだと間違いなく処分の対象だったに違いない。

子供はこれ以上ない笑顔をしていたけどそれ以上に犬の喜びようが凄かった。

とび跳ねるわ、顔をなめまわすわでその変わりように本当に驚いた

2度と迷子にならないよう注意しその姿を見送った後

ここに来て初めて心の底からほっとできた。

 

最終日

 

朝、いつも通りに犬舎掃除を行う。

ただ今日は僕にとってはいつもとは違う1日。収容期間を過ぎた犬を処分する日。

対象の犬は1匹。

この犬はずっと尻尾をふって凄い勢いでご飯を食べたり中々人懐っこかった。

いつも通りご飯をあげて少し職員さんが遊んであげる。

その間に他の職員さんがリードを持ってきていた。

そのリードは処分室へ連れていくためのリード、そのリードを見た犬は更にテンションが上がり今までにないぐらい尻尾を振っていた(散歩に行けると思ってだと)

リードをつけてあげると「早く早く」と言わんばかりにぐいぐい引っ張り処分室へ向かう。

そして、処分機の前に到着。

ステンレス状の少し深い浴槽を想像してください。

そこへリードを外して犬を抱っこし、入れる。

そこでもなおこっちを見て尻尾を振っている。無邪気に遊んでもらえる事を期待しているように・・・。

職員さんが合図をしボタンを押すと処分機の蓋が閉まり、静かに処分が行われた。

20分後、亡骸を処理すると言われた。

処分機は2階にあり、そこが抜ける物になっている。

その底を開けると1階に犬が落ちてくるという形になっていた。

ゆっくりと底が開いていく。

そして、凄い音をたてて犬が地面に叩きつけられるように落ちてきた。

さっきまで嬉しそうな目でこっちを見ながら尻尾を振っていたのに・・・。

最後まで僕らを信じて尻尾を振っていたのに。

死んだその犬の目はシッカリと開いていて、その目を見ると裏切った気持ちと人への怒りしか出てこなかった。

その後、犬を袋に詰めて一旦、冷蔵庫へ。たぶんその後は焼却される。

その30分か1時間後ぐらいだろうか。

引き取りをしてくれと子猫を6匹、おじさんが持ってきた。

理由を聞くと「家の倉庫を掃除していたら猫が居て、親猫は逃げたが子猫たちが残されていた」

直接的にはおじさんには関係かもしれないけれど、多分周りに餌付けをしてる人が居るんであろう。

前と同じ「一時の可哀そう」だけで6匹の命が絶たれた。

おじさんは当たり前のように引き取りを済ませ帰ってしまった。(何かをしろってわけじゃないけど・・・。)

何だろう、この研修を通して考えてみると人間の責任の無さにイライラしてしょうがなかった。

本当に自分の事しか考えてなくて、もちろん自分も含めてなんだけど・・・。

最後、殺処分を防ぐことには直接関係ないかもしれないけれど、モデル犬2頭をベイシングさせてもらった(シャンプーとか爪切りとか)

職員の人凄く喜んでくれて、初めて管理センターでの自分の存在見たいな物が感じられた気がしました。

それを終えると終礼があり。5日間の研修がおわりました。

凄く無理やりな終わり方になるんですが、正直これ以上文章で表現するのが難しいです。

実際にはまだ色々な事があったんですが自分の文章力じゃ表現できません・・・。

でもなるべく5日間やってきた事を書いてきました。

これを読んでもらって感じる事考える事をしてもらって1頭でも多くの犬や猫、動物が救われる事があれば凄く嬉しいです。

実際に自分に会える人であればガチで話したいです。

もちろん聞きたくない人に無理にとは言いませんが・・・。

犬を飼ってる人犬関係に進む人とは特に話したい。

めちゃくちゃな終わり方ですが最後に犬の十戒、センターの職員さんが書いたメッセージを書いて終わりにしたいと思います。

 

◆◇◆◇犬の十戒 作者不詳◆◇◆◇

 

 

 

私の一生は10~15年くらいしかありません。

 

ほんのわずかな時間でもあなたと離れていることは辛いのです。

 

私のことを飼う前にどうかそのことを考えてください。

 

私が「あなたが私に望んでいること」を理解できるようになるまで時間が必要です。

 

私を信頼して下さい・・・・・・それだけで私は幸せです。

 

私を長時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。

 

あなたには仕事や楽しみがありますし、友達だっているでしょう。

 

でも・・・・・・私にはあなただけしかいないのです。

 

時には私に話しかけて下さい。

 

たとえあなたの言葉そのものはわからなくても、私に話しかけているあなたの声で

理解しています。

 

私を叩く前に思い出して下さい。私にはあなたの手の骨を簡単に噛み砕くことが

できる歯があるけれど、私はあなたを噛まないようにしているということを。

 

私のことを言うことをきかない、頑固だ、怠け者だとしかる前に、私がそうなる

原因が何かないかとあなた自身考えてみて下さい。

 

適切な食餌をあげなかったのでは?日中太陽が照りつけている外に長時間放置

していたのかも? 心臓が年をとるにつれて弱ってはいないだろうか?などと。

 

私が年をとってもどうか世話をして下さい。あなたも同じように年をとるのです。

 

最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送ってください。

 

「見ているのがつらいから」とか「私のいないところで逝かせてあげて」なんて

言わないでほしいのです。

 

あなたがそばにいてくれるだけで、私にはどんなことでも安らかに受け入れられます。

 

そして・・・・・・どうか忘れないで下さい。私があなたを愛していることを。

 

クローバーキイテモライタイヒトリゴト 管理センターIさんクローバー

 

使い捨ての時代はピークを過ぎ、物を大切にする事が美徳とされる風潮

にもなってきた昨今、

それでもなお伴侶動物(あえてペットと表現しない)に対する命の軽視は依然として続いている。

かわいいから、さびしいから・・・と安易に飼い始めた結果であろう。

“動物を飼う”という行為は“命を預かる”という事に他ならない。

--癒されたい-- この願望にどれほどの対価を払う覚悟があるのだろうか---

そのことを真剣に考えた時に初めて、“動物を飼う資格”が与えられるのではないだろうか。

 そもそも、感情ある動物自体に癒しを与えずして“癒される”事はないのである。

時には辛く、時には腹も立ち、まず経済的に大きな負担を強いられる。

しかし、そのひとつひとつに向き合い、動物たちの安寧なる姿を見て初めて、“癒される”ことが出来るのではなかろうか。

--安楽死-- この事については様々な考えがある。

医学的・心理学的・倫理・宗教観…いったい何が安楽なのか、

それはむしろ動物たちにしか答えられないかもしれない。

 だが一つ言えるのは、我々人間に頼ってしか生きられない動物たちが、

その《最後の時》に愛する飼い主がそばに寄り添っていなければ、

どんな手法を用いようとも決して安楽とは言えないのではないだろうか。

 私たちもいずれ死を迎える。せめてその時は愛する家族に見守られて逝きたいと思うのが通常ではなかろうか。ならば同じ家族という存在の中、それは動物とて同じことではないだろうか。

絶え間なく、ちぎれんばかりにふり続けたシッポが動きをなくし・・・

ただ一途にあなたを見つめていた瞳はゆっくりとまぶたを閉じる・・・

やがて、フワフワした温かいその体からぬくもりが消えていく・・・・・・・・

そっと抱いて 「ありがとう」

その最後の言葉で“命を預かった”飼い主の責任は終わるのです。

そして、その重い責任を全うした、ただ一つのお返しとして動物たちは、

《かけがえのない素敵な思い出》を飼い主の心に残していくものだと信じています