2020年02月29日訪問。
いつもの行動エリアとは違う、バンコクの川沿いエリアにお出かけする用事があったので、気になっていたお店でランチをば
訪れたのは、1936年(昭和11年)にバンコクで創業した日本食のお店「花屋」。
パッと計算ができなかったものの、84年前に創業したお店のようです(2020年現在)。
1936年なんて、私はまだまだ生まれてないな〜!って思ったけど、それどころか、父も母もまだ生まれてない。
1936年は、二・二六事件があった年。
その翌年に日中戦争勃発。
完全に歴史の教科書で知るような時代。
そんなワケで、「タイ最古の日本食レストラン」とも言われているようです。
アユタヤ王朝時代の日本人町に日本食屋がなかったハズはないと思うし、最古と言い切れるだけの調査もしていないので、「現存最古と思われる」日本食レストランのお店です。(史学科卒の表現のこだわり)
場所は、バンコク有名観光地のワット・アルンやワット・ポーの川下3kmくらいの川沿いエリア。
ヤワラート・チャイナタウンから歩いて10分くらいかな?
Googleマップを見た方が早いね。
さすがの歴史を感じるお店への案内。
お店の構えも、どことなく漂う古めかしさと、どっしりとした雰囲気。
店内に入ると、いきなり鎧兜が
たまたま購入しただけなのか、徳川系のオーナーなのか…どちらにせよ、こういう「ザ⭐︎日本」みたいなのを見ると、テンション上がるね!
店内は、カウンター席とテーブル席が用意されています。
座席の仕切りにも大きく家紋。
…って、今度は「丸に桜」紋かーい!
というワケで、徳川系のオーナー説、アッサリと除外。
でもでも、メニューやコースターなど「丸に桜」の紋がアチコチにモチーフで使われているので、こうした「紋」を取り入れるコトで、「日本の心」的なものがきっと受け継がれてきたのだろうなあ、なんて。
メニューには、開店当初の写真も載っていて、さすがの歴史を感じます。
日本食のお店として、メニュー自体もかなり本格派。
お寿司のネタは、日本から輸入したものと、タイで獲れた現地物とがそれぞれあるみたい。
1人で行ったためにありがたく感じたのは、「弁当」や「定食」なんかのメニューが豊富なコト
しかも200バーツ≒700円くらいのメニューもあるから、お財布的にも良心的。
もちろん単品のメニューもたくさんあるし、あまり来れない場所にあるために、どれを頼むべきか大変活発な脳内会議が展開されていました
ランチの場合はフリーでお茶を用意してくれる。
オリジナルのコースターとグラスが可愛い。
お店のスタッフさん達も気配り上手で、ほしいと思うタイミングでお茶のおかわりを注いでくれたり、ちょうどお箸を置くような時を見計って空いた食器を下げてくれたり。
日本スタイルのメニューだけじゃなく、接客のきめ細かさまできちんと日本式で、創業以来の84年間でそのスタイルを継続できていたのだとしたら、並大抵の努力ではなかったのではないかと思います。
何を頼むか散々悩んだ結果、「おかずの種類が1番多そう」という理由で選んだのが「幕の内弁当(上)」でした。
このおかずの多さ、最高だぜー!うぉー!
焼き物・煮物・揚げ物が、ぎゅむっと詰まっていて、どれから箸をつけるべきかとワクワクしちゃう。
どのひと口も、素材の持つ味、食感が楽しめるように工夫されていて、噛みしめる度に味わいが広がるのが本当に良き
煮物もダシがよく出ていて、丁寧に拵えられているのが、嬉しくなっちゃう。
じつに多彩なお弁当でした
個人的に好きだったのは、汁物。
ブリ(かな?)と柚子の香りが華やかで、お餅を入れたらそのまま福岡のお雑煮になると思う
食後にはデザートも。
スイカ・メロン・パイナップル。
このラインナップだけはタイだね(笑)
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「日本食」のお店はバンコクにたくさんあるけれど、本当にしっかりとした日本料理を提供してくれるお店だと思いました。
バンコクで暮らそうとも、やっぱり日本食が1番好きなので、ここまでちゃんとした日本料理が出てくると本当に嬉しい
海外だと「なんちゃって日本食」とか、テンプラカツドンカレーソバサーモンギョウザラーメンみたいな定番メニュー中心で、こういう繊細な味わいを楽しめるお店って少ないから、素材の味まで楽しませてくれるようなお店の存在は心からありがたい
そして何より、戦前からやっているお店がこれだけのクオリティを保てているというコト自体が本当にすごい。
代替わりなんかもあっただろうに、軸がぶれるコトなく変わらずに継続できるっていうのは尊敬でしかない。
ふだん行くコトのないエリアだけれど、また行きたいなあと思うお店でした