和泉市に引っ越して12年になる。
マンション暮らしで子供がいないので地元のコミュニティとは無縁。
まずはコミュニティという濃い~田舎で育ったので、
ご近所付き合いの希薄な環境は、むしろ心地いい。
エレベーターや廊下で会えば挨拶するが、
人の生活に干渉せず、余計なことを言われず言わず、
お互い迷惑をかけずに穏やかに暮らす、
育った田舎ではあり得ないことだ。
私が育った田舎の良さは、
困った時に自然に手助けができ、励まし合えることだと思う。
常に、お互いさまの精神で、
損得なく行動できるのも素晴らしいことだ。
離れて暮らす家族が病気になった時には、
とても心強くありがたかった。
ただ、何十年も故郷から離れて暮らしていると、
あの人間関係の濃密な世界には戻れない。
干渉されることを嫌い、人の暮らしに干渉せずにいると
隣に住む人が気にならなくなるのは当然だ。
昨日、仕事でご縁のあった
東北NOTES(敬称略)が、
近くである夏祭りのイベントにご出演されると聞き行ってみた。
和泉市のぞみ野地区の夏祭り。
自宅から車で20分ほどの新興住宅街で、
夏祭りはもう8回目だという。
同じ市に住みながら全く知らなかった。
ここ十数年で、丘陵地が宅地開発されて住宅ができ、
人口が一気に増えた。
新しい街の子どもたちにとっては、そこが故郷で、
故郷のお祭りは心弾む行事になるに違いない。
大学の一角を借りて、
自治会運営の縁日やミニステージがあった。
浴衣姿の子どもたちが嬉しそうにお祭りを楽しみ
綿菓子や氷を食べていた。
お祭りの楽しさは田舎でも都会でも同じなんだね。
夏祭り運営委員長の方が、高島屋大阪店「大東北展」の
東北NOTES出演イベントの記事を読まれ、
感動されたことがご縁の始まりだった。
東日本大震災で、壊れた住宅が瓦礫の山になってしまった。
その山のすべてに、生きてきた証と命と思いがつまっている。
瓦礫は決してゴミではない。
山の中から見つけ出した木材を一部使い、
職人が楽器に作り上げ、
プロミュージシャンが音を奏でる。
プロミュージシャンではあるが、
金儲けのグループではない東北NOTESの演奏を、
新しい街のお祭りで、新しい街の住民と聴きたいという
運営委員の方々の気持ちが嬉しかった。
最初に、東北NOTESの連絡先を教えて欲しいという
問い合わせの電話を取ったのは私だったから、
自分の住む街での演奏は夢のような気がした。
新しい街で繋がりを持って、
いい街にしようという自治会の方々の、
熱い思いが伝わるお祭りだった。
数百人以上の人たちがイベントを楽しみ、
手拍子と共に一緒に歌った。
胸にじんとくるお祭りだった。
ステージに掲げられた
「離れていても心はひとつ」
手書き文字も嬉しかった。
コミュニティなかなかいいもんだね。