未成線・計画線の紹介~番外編・五新線~ | 洛南高等学校・附属中学校 鉄道研究部 -RRRS's Diary-

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 最近記事の冒頭が久しぶり始まりの多いki20です。しかもこのテーマの記事も久しぶりですね。今日からできれば毎週更新していきたいので、今回はその前ふりみたいなものです。梅小路蒸気機関車館での企画も終わり、一段落ついた鉄研では現在体験入部を行っています。少なくとも部活に対する熱意を持った中学一年生が入ってほしいものです。
 さて今回の記事は、五新線の路盤を利用したバス専用道が2014年9月30日に運行終了することを受けて、同年の9月24日に実際に行ってきたときのことを書いていきたいと思います。

 とはいえ、バス専用道の起点であるJR五条駅までは書くつもりはありません。大阪駅最強!だとか、ちゃんと南海に乗ったの初めて、だとか、この車両って古いんだよね?110km/hで走ってるけど…、だとか、大阪方面行はあんなに混んでるのに、橋本方面行は全然混んでない!だとかいう諸々の感想の詳細は省きます。
 始発に近い5:26に高槻駅を出発して、7:38に五条駅に到着しました。行き方は安さを追求し、大阪一回改札を出た後そのままJRで新今宮まで行って、それから南海で橋本まで乗ったのち、JR和歌山線で五条駅に向かうという方法です。ということで、五条駅からです。
 
少し高台にある駅の前には奈良交通の五條駅バス停があります。

バス停に付いている2014年9月24日時点の時刻表はこんなものです。全体的に少し少なめですね。
 
この時刻表の中でバス専用道を通るのは専用道城戸行と西吉野温泉行です。土休日がめっちゃ少ない。
 僕が乗るバスの時間まで少しあるので、五条駅付近の五新線の高架線跡を見に行こうと思いました。・・・が、駅から意外に距離があったのか、自分の向かう方向に自信が無くなったのであきらめました。とても残念です。またいつ来るかわからないのに・・・。
 ということで、バスに乗る時間がやってまいりました。僕はこれから専用道を走るバス・・・ではなく、十津川温泉行のバスに乗ります。なぜか結構学生が乗ってきました。朝に帰るとは考えられないし、なんでだろう・・・。この学生はみんな黒渕というバス停で降りていきまいた。分校でもあるんでしょうか。でも、周りには集落が見えなかったけどなぁ。(調べたところ五條高校の賀名生分校があるようです) ここからはほとんど人乗ってきませんでしたが、十津川温泉から来たらしいバスには2~3人が乗っていました。
 そうして、目的地である阪本停留所に到着しました。
 


 そろそろ気付いた人もいらっしゃるとは思いますが、僕はこれから阪本バス停から専用道城戸バス停へ歩いていきます。五新線はとりあえず「阪本線」として阪本までの開業を目指していたので、城戸~阪本間にはトンネルなどの遺構が多く残っています。五条駅を8:14に出発して、阪本に9:09に到着しましたが、阪本から城戸まではどれくらいかかるのでしょうか。予定としては専用道城戸16:29発に乗るので、恐らく余裕を持って到着するでしょう。バスがこの時間にしかなかったというのがありますが、余裕を持つのは計画の基本です。余裕が一番!
 さて、阪本バス停の近くにこんな橋があります。
 
載せるからには五新線に関係があるのか?と思われるかもしれませんが残念ながら恐らくありません。橋が新しかったはずだし、これから現れる五新線跡との位置関係を考えるとどうしても不自然だったのです。
 国道168号線を少し進むと、トンネルっぽいものが見えます。
 
これが五新線の天辻トンネル跡です。国道拡幅工事によってらしいのですが、坑口がきれいな上に変な形になっています。現在は大阪大学核処理センターの大塔コスモセンターとなっていて、ニュートリノなどの観測実験を行っているようです。天辻トンネルはここから国道168号線の西野トンネル付近まで約5km、ずっと山の中です。
 天辻トンネルの阪本側の坑口から地図上では少し、体感としてはかなり歩くと、天体観測所がついている道の駅「吉野路大塔」に着きます。ここで僕はしょうもないお土産を買いました。やはり人はあまり来ないからなのか、店員の愛想は少し悪かったように思います。個人的に仕方ないと思っているので、この記事を読んでくださっている方はぜひ行ってみて下さい。
 道の駅からしばらく歩くと、天辻の集落に到着します。下調べが不十分だったので、天辻トンネルの立川渡側の坑口を探すために国道の上側にある道を歩いてしまいました。すると、家が数軒しかない天辻集落に住む人にたまたま会いました。五新線跡を歩いているという話をすると、あまりしっかりとした情報は得られなかったのですが、一つ収獲がありました。何と、今立っているこの道は昔バスが走っていたとのこと。国道168号線が整備される前のことでしょうね。この先に昔バス停だったところに時刻表が残っているというので見てみました。
 
五条行と十津川行と大塔行がありますね。バスの本数的には今とそんなに変わらないようです。また、天国道168号線はそこそこ長い新天辻トンネルが待っていますが、実は今僕がいる林道のような道をしばらく歩くと、「新」が付かない天辻トンネルがあるらしいので、そちらへも行ってみました。
 
坑内にはライトが付いていないので危ないからくぐらないほうがいいとのことでしたので、入り口だけ取って引き返してきました。なかなかバスが通っていたというような道とは思えないほど細かったです。
 
後から地図を確認すると、この道、ずっと先で国道168号線と合流するのですが、恐ろしい道のりをたどっていました。こりゃ鉄道を通したくなるわ。
 新天辻トンネルの中はライトがあるといっても中の方になると暗くなり、目の前が真っ暗になった時もありましたが何とかくぐり抜けました。あ~怖かった。これまでも起伏の激しい道が続いていましたが、これからも起伏の激しい道のりが続きます。しばらく歩くと西野トンネルに到着します。そろそろ五新線の天辻トンネルの立川渡側の坑口があるだろうと思って横道にそれたかったのですが、ちょうど治水工事だか何だかでそれることができませんでした。しかし、残念ながら、反れようとしていた道は立川渡側の坑口が見える道でした。運が悪かったです。
 五新線は天辻トンネルをくぐり抜けると橋などを使って立川渡トンネルというループトンネルになる予定だったトンネルに接続するはずでしたが、立川渡トンネルは掘削されていません(?)ループにするぐらいの高低差があるのですが、道路はくねくねしながら急坂で進んでいくので、この辺りの国道168号線を歩くのはとてもつらかったはずです。
 宗川野橋バス停の付近まで歩くと、五新線跡は突然現れます。
 
宗川橋梁です。八坂トンネル(城戸側)と西野トンネル(阪本側)に挟まれています。うまい具合に俯瞰できる位置から撮れるポイントがあるのですが、残念ながら上手に取れなかったのでここには載せません。
 ここまでずっと、持ってきた昼ご飯を食べたいと思いながら歩いていたのですが、ついに阪巻バス停の辺りまで来て食べ始めました。しかもこんな場所です。

下から見るとこんな感じです。

五新線の跡ですね。上から見られるとは嬉しいねとか思っていました。
 ということで、やっと昼ごはんが食べられるということで今までの疲れをいやそうと思っていたのですが、ここで僕はあることに気が付きます。
「阪巻って確か城戸のすぐ後だったような・・・。」
食べ終わった後少し歩くと、案の定城戸に出てしまいました。さっきの五新線跡のトンネルは城戸トンネルだったのか。
 
五新線はこの立派な高架橋で城戸駅に到着します。

 バス停がある場所まで上ると、こんな感じ。
  
最近は近くの五條市役所の支所(旧西吉野町役場)の駐車場に使っていたらしいんですが、今はどうなんでしょう。一台も車が止まっていませんが。
 そして、専用道城戸のバス停の周りはこんな感じになっております。
 
一面二線にしたかった感満載ですね。まとまった沿線住民は城戸までしかいないので、全線もしくは阪本まで開業すれば、ラッシュ時の交換駅として、昼間時間帯の終点として機能したでしょうね。
 専用道城戸のバス待合室の中には、JRバス時代の吸い殻入れ(下の写真参照)や訪れた思い出ノート、ベンチがありました。昔は係員がいて、切符の販売かなんかを行っていたのか、閉鎖された窓口もあります。また、一番向こう(一番五条側)にはトイレもあり、ちゃんと使える状態には整備してあるようです(実際使いましたし)。
 ところで、今何時でしょうか。さっき昼ご飯を食べたばっかりですが・・・。
 実はですね、13:00過ぎぐらいです。僕が次乗るのは16:29発・・・。まさかの三時間待ちです。うそやん!早く着きすぎた。もっと遅く歩くか、もっと寄り道しとけば・・・。しかし、これからの僕の行動も随分とばかなものです。西吉野温泉が近くにあるのだからそこまで歩けばいいものを、どれくらいかかるかわからない、とか思って城戸の探索を行おうとしたのです。
 城戸の探索や専用道の上を歩くなどしていましたが、城戸は意外と狭いし何もないので暇つぶしの当てがなくなってしまいました。本当は専用道もどうせなら踏破しちゃったらよかったのかもしれませんが、バスに乗ることが目的だったので思い付きませんでした。今となっては歩いたらよかったと思っています。
 というわけで、待合室の中にあったベンチで寝ていると、いつの間にかいい時間帯になっていました。専用道城戸バス停には、西吉野温泉で折り返してくるバスが来ました。
 
僕はこれからこいつに乗るのです。楽しみでした。とても楽しみでした。

 さっきのバスがまた専用道城戸にもっどてくると、乗ったら思ったよりも人が乗っていました。個人的には平日に行っているからバスに乗っているのが地元利用客と1~2名の鉄道ファンというつもりで来たのですが、ほとんどの席が鉄道ファンかバスファンで埋まっていました。平日はみんな働いているだろうから大人は少ないと考えていた僕にとって、非常にショックでした。ここからは全然楽しむことなくバスに乗っていました。みんなもっと働けよ。
 ということで、鉄道みたいだとか無くなるのが惜しいとかいう気持ちの前に楽しめなかったわけですが、「遅い」という感想は抱きました。実は、僕が朝に十津川温泉行のバスに乗る前、専用道城戸行きのバスが発車しており、このバスと僕が乗ったバスはほぼ並走していました。本来ならば専用道のほうが山をトンネルで突っ切るなどのショートカットを多くしているので城戸に速く着くはずなのですが、ほぼ同着でした。やはり専用道のバスは遅いようです。また、専用道の方が集落を突っ切っている感がありました。
 そうして五条駅に到着した僕は、行きと全く同じ経路でおうちに帰りました。いろんなことを感じられたので、結果的には楽しかったと思います。

 さてどうだったでしょうか。久しぶりの記事でしたが、相変わらず長くなってしまいましたね。ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございます。これからもどうぞわたくしの記事を楽しんでください。次回の更新はいつものごとく定期テストを挟んでしまいますので、5/30頃になります。越美線を書くつもりなので、楽しみにしておいてください。それではまた会いましょう!