#151 2017年総括(ちょっとしたランキング付) | 高尾伶 official blog「ブログにて」

高尾伶 official blog「ブログにて」

高尾 伶 (TAKAO REI)
愛知県出身 1993年4月24日生 25歳
シンガーソングライター

2017年も残りわずかなので、来年をスッキリをスタートさせる為にもこの1年を振り返ってみたいと思います。

個人的な思想もあるかもですが、お付き合いくださいm(_ _)m


の前に!(←いきなりかい)


前回のブログは、僕が愛読している雑誌『MUSICA』の年末恒例企画【編集者が選ぶ【邦楽アルバムBest50のBest10を予想する】っていう入り組んだ内容だったのですが、読んでくれたでしょうか?
そして本誌のランキングを実際読んでみてくれましたかね?

結果から言うとビミョーに当たっててビミョーに外れてました(笑)

TOP10に入ってる作品はだいたい合ってたんですが、順位が違ってたくらいでしたかね。
ちょっとネタバレすると、予想では1位にした米津玄師『BOOTLEG』が本誌では4位、5位に予想してたSuchmos『THE KIDS』が1位でした👑

その理由がまた素敵で納得なものだったので、気になった方は是非立ち読みでも本誌を読んでみてください♪


そして前回のブログの最後で軽〜く宣言した【高尾伶が選ぶ2017年邦楽アルバムBest10】もここでやってみたいと思います。


第10位 『明日はどこから』/ 松たか子
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朝ドラの主題歌が入ってるアルバムで、その曲をMステで聴いたときに「えっ、めっちゃ良い曲!」と感動したことと、こういう松たか子さんみたいな"無理のない、声を張り上げ過ぎない音域"の楽曲が素敵だなと思ったので10位に入れてみました。僕は基本的に大口開けて歌い上げるタイプの楽曲が勝手に出来上がってしまうので「明日はどこから」みたいな楽曲を作って優しくさらさらと歌いたいなぁ、と思わせてもらいました。他の楽曲もキレイで整頓されたアレンジが多くて奇をてらっていない、それでいてつまらなく感じさせない耳に優しい温かいアルバムでした。


第9位 『BLACK TRAIN』/ 長渕剛
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今年の夏、1番聴いたアーティストは間違いなく長渕剛さんでした。理由はラジオから流れてきた「Looser」がとてつもなく新しくカッコ良かったからです。(のちに関ジャムの企画で2017年上半期の楽曲ランキングでも、音楽プロデューサーの蔦谷好位置さんがLooserを1位にしてました)
それをきっかけにアルバムを購入、過去の作品もたくさん聴いてみました。長渕さんの歌は、メロディどうこう作風どうこうよりもメッセージを何より前に押し出すという印象を持ちました。だからか言葉がマシンガンのように羅列されるし、時に怒ったような歌唱法だし、心の底から音楽の力を信じて曲を作って歌ってるだなぁ、と感心して聴いてました。ちなみにこのアルバムの2曲目(嘆きのコーヒーサイフォン)の歌詞の「おまえみてえに 何度も何度もしくじるわけにはいかねえし」ってフレーズを聴いたときにはドキッ!としました💦(笑)


第8位 『ROADSIDE PROPHET』/ GRAPEVINE
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1997年デビューのバンドの15枚目のアルバム。
一時期「第2のミスチル」みたいに言われてたみたいです。(UKロックが下敷きになってるってことだろうか)
今まであんまりUK(イギリス)ロックを聴いてなかったかもと思って、Travis, The Verve, Ocean Color Scene, Happy Mondaysなどなど意欲的に聴いてました。そこでUKロックっぽい日本のバンド(ミスチル以外の)ってどんな感じなんだろうとこのアルバムを聴いてみました。元々何枚か聴いたことはあったんですが、この流れて聴いてみるとより風土みたいなものが伝わってそこに感動したので8位にしてみました。ちょっと玄人っぽい感じなんだけど、それでもメロディーはPOPで凄く好きでした。


第7位 『MODERN TIMES』/ PUNPEE
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バックトゥーザ・フューチャーみたいなジャケットですが、まさしくそんなコンセプトで「2057年のPUNPEEがこのアルバムを作った当時のことを回想する」ところから始まります(タイタニック的な感じ)。HIP-HOPなんて普段全く聴かないんですけど、水曜日のダウンタウンのOP歌ってるのがこのPUNPEEさんで、水曜日のダウンタウンのプロデューサーの藤井健太郎さんが激推ししてたので聴いてみたところ想像以上にPOPでヤクザ感(偏見)が無かったので、そこに感動して7位に置いてみました。


第6位 『ジャム』/ 関ジャニ∞
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ジャニーズのアルバムを買ったのは、SMAPの『Pop Up! SMAP』(2006)以来だから実に11年振り!買った理由は、テレ朝で深夜にやってる「関ジャム」が面白かったからその感謝みたいな気持ちと興味と、番組に出たたくさんのアーティストが楽曲提供してるっていうところですかね。
内容はほんとに色とりどりでアイドルだから成立するんだろうなっていう力で押し切った感じのエンターテイメント性抜群のアルバムでした。例えば僕だったりシンガーソングライターの人がこのアルバムを出したら(それはそれで凄いけど)間違いなく「やりたいことはなに?」って言われてしまうくらいの振り幅です。
このアルバムのおかげで僕のカラオケのレパートリーに関ジャニ∞が増えました(笑)


第5位 『THE KIDS』/ Suchmos
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ここで本誌1位のサチモス登場です。本誌1位って知ると順位を上げてセンス良く見せようと思ってしまうところが僕の悪いところ(笑)
そこをグッと堪えて5位に置いてみました。
実は本誌の理由のひとつに「サチモスを聴くとセンスがある人っぽい印象が付く、みたいな感覚を人々に植え付けた」みたいなことが書いてあって、順位を上げたくなってしまう力がサチモスにはあるんですよね。これって本当に凄いことで、音楽性だけじゃなく生き様とか考え方も魅力的ってことですよね。(簡単に言い過ぎましたが、多分もっともっと深いはずです)
楽曲でいうと1曲目(A.G.I.T.)のイントロのギターが肌をヒリヒリさせる音で、アンプがその爆音に震えてるのが映像として浮かんで来るんですよね。もうそこから掴まれました。オシャレな印象が強いサチモスですけど、曲をちゃんと聴けば「熱さ」が1番前に来てるのが分かるはずです。(最近は、とりあえずオシャレに~みたいな曲ばっかで嫌になります)


第4位 『熱唱サマー』/ 赤い公園
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SMAP「Joy!!」の楽曲提供をしたGt.つのまいささん率いる赤い公園。今年脱退したVo.佐藤千明さんが歌うラストアルバム(バンドは解散せず続く)。前作『純情ランドセル』がめちゃくちゃ良くて、楽しみに聴いてみたところ今作の方が凄かったと思ったので4位。POPなのにアレンジ捻くれてて、力強いボーカルなのにユーモアたっぷりな歌詞。今はまだシンプルだけには落ち着けない僕にとっては最高に遊んでくれるアルバムで、一曲一曲ハァ〜と感心しながら聴いてました。そしてラスト2曲の構成、「journey」の歌い出し「間違いだらけの答えになれ」の歌詞には思わず涙ぐんでしまいました。そのくらいのパワー。まだまだ聴いてみたかったです。


第3位 『LOVE YOUR LOVE』/ LOVE PSYCHEDELICO
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UKロックにハマっていた時期と同じくして "ビートルズっぽい曲" 聴きまくるって時期がありまして、そこにスコーンっと入ってきたのがこのアルバムです。そしてこの頃ちょうど「音楽的な歌い方とはなんぞや?」と考えていた時期も重なって、発音重視か?リズム重視か?なんて自問自答してたら、KUMIさんの歌い方がお手本かも!と思ってマネたりしてました(笑)
なんていうんですかね、巻き舌とは違うんですけど、「あ」をただの「あr」と発音する感じというか………(読み手が頑張って‼︎)
そうすることでギターの音がピックで弦を弾く音から弦が震える音、そして消えるまで伸びていく音みたいに楽器的な発声になるんですよ。(個人の見解)これにリズム感が加わるとまさに"声という楽器"になるわけです。まぁ、人それぞれ見合った歌唱法があるのでこれが正しいなんて思ってないんですけどね。星野源さんがこれやったらちょっと無理してる感じがあるし。多分僕もそっち側だし(笑)楽曲のビートルズ感、歌唱法の憧れ、何度も飽きずに聴けた、もろもろ含めて3位です。


第2位 『INVISIBLE』/ w-inds.
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今年1番の衝撃を受けたって言っても過言ではないアルバム。とにかくJ-POP史上1番音質が良いんじゃないかってくらい完璧なサウンドメイク。そもそもw-inds.のようなダンスミュージック的な音楽をあんまり聴いて来なかったし、好きなジャンルでもなかった(嫌いじゃないけどね)。それなのに何故聴いてみたかというと、もう終わっちゃったけどTBSでミッチーがやってた音楽番組『Good Tims Music』にゲスト出演してて、そこの解説者としてダイノジの大谷さんがこのアルバム、収録されている楽曲の解説・凄さを聞いて、最後のパフォーマンスを見てグッと興味が湧いてSpotify(定額ストリーミングサイト)を検索したら出てきて試聴→衝撃の音の良さ。という流れです。音楽的にいうと、この作品で海外の流行してたトロピカル・サウンド(ジャスティン・ビーバーの『WHAT DO YOU MEAN?』みたいなサウンド)を取り入れてて、それが非常にw-inds.の音楽性とマッチしてる感じがあってストリーミングで何回も聴いたけど、感動もしたし持ってたいと思ってCD買いました💿そういうCD買い方をしたのは初めてでした。そういった思い出も含めて第2位。
実はこれがずっと今年のNo. 1だと思って疑わなかったのですが…



いよいよ第1位の発表です!



第1位 『BOOTLEG』/ 米津玄師
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青春の時期(中〜高)を越えると、もうそこで聴いて来た音楽しか興味が湧かなくなったり新しく聴いたアーティストになかなかハマらなくなると思うんですよ。僕も音楽やってるからかめちゃくちゃ色んなアーティスト聴きますけど中・高のときのような真の意味でハマったアーティストって小沢健二くらいなんですよ。2000アーティスト以上とか聴いてきて。で、米津玄師さんはこの作品を買って初めてちゃんと聴いたんですけど、そもそもきっかけは、MUSICAのインタビューが素敵過ぎたことなんです。
その中で印象に残った言葉が「みんな過剰なまでにオリジナリティーを求める」って所で、これは常々作曲をしていて「サザンっぽくなっちゃったな〜、ミスチルっぽくなっちゃったなぁ〜、完全にこれは自分の音楽ですって曲早く作れないかなぁ〜」なんて思ってはうな垂れる僕にカウンターパンチ喰らわせてくれました。思えば小沢健二も昔のインタビューで「他人にどういう風に思われたいって考える時間があれば良いフレーズの1つでも考えてたいっていうか。」と言ってて、まさにそのくらいの境地なんじゃないかと衝撃を受けたんです。とはいえお二人はそのくせしっかりオリジナルなんですけどね(笑)
そのインタビューを読んだのちこのアルバムを聴いて、もう素晴らし過ぎて。。。
シンプルなコード進行なのに全部聴いたことの無いメロディーなんですよ。
まだそんな隙間あった⁉︎みたいに。
キャッチーなのに新しい。
声も歌い方も誰とも被ってない。
理想の極みです。2015年に星野源さんを聴いてソロアーティストのなんたるを学んだみたいに、2017年は米津玄師さんからアーティスト哲学みたいなものをめちゃくちゃ学びました。またひとつ道が開けたような心地になりました。
そして音キレイ(笑)
堂々第1位です!



以上、高尾伶が選ぶ2017年のアルバムBest10でしたー!



ちょっと長くなり過ぎたんで、総括は次回にさせて頂きますm(_ _)m(笑)



最後に。
「ランキングというものが昔から好きだから」という理由から勝手に僕なんかが品評しましたが、同じアーティストとして作品に向かう姿勢や音楽への想いに順位は付けていません。カレーとハンバーグどちらが今は好きかを答えるみたいに順位はちょこちょこ変動し、そもそも計るものでもないはずです音楽は。ただ、音楽を作る身として良い音楽とは何か?の千里眼や、昨今CD(新しい音楽自体)が売れなくなっていることをネットのせいにしてはいけないと思うのです。ジャーナリストや知ったか素人はそんな事を言ったりもしますが、それを盾に音楽のクオリティー(長く聴かれるという意味での)をおそろかにすることは、たくさんのミュージシャンがそうであるように僕もしたくありません。自分で書いていて「なんか生意気だな〜」なんて思ったりしましたが、こういった思いから決行させて頂きました。音楽は思い出を共存することが多分にあります。最近あまり音楽を聴かなかくなった人がMUSICAや僕のランキングを観て「1位(今回はSuchmosと米津玄師)だけでも聴いてみるか!」と行動した事が思い出になり楽曲も強く伝わっていくことでしょう。
そういった体験を何百何千と繰り返してきている僕のこの感動を共有してみたいと思ったわけです。音楽はやっぱり素敵なものなので。




超長文、最後まで読んで頂きありがとうございました!