石と革 | 天然石ジュエリーのCanecryのブログ

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ハンドメイド天然石ジュエリーの作家、ロミのブログです



当店のロゴに入っている文字を、よぉ~~~く見ると、ちっさ~い文字で、Jewelry and Leather Goods、と、こうある。

Canecryのロゴの下に、じゅえりーあんどれざーぐっず。つまりは装身具と革製品を取り扱っておりますよ~、と、そういう意味のことが記載されているのだ。





賢明な読者諸氏であればご存知のように、お店の看板とも謂うべきロゴに、【装身具と革製品】と銘を打っておきながら、不肖わたくしめはここ5、6年というもの、リングとかリングとか指環とかリングとか指環しか作っておらず、なーにが、Jewelry and Leather Goodsだよ。ringとだけ書いとけよ、この貞子めが!とかお思いになっておられる方も多いに違いない。

しかしながら、ロゴやら注釈やらを正確に記載してしまうと、商品写真などがなんだかとってもアレな感じになってしまうので、Canecryのロゴはそのままで、Jewelry and Leather Goodsの記載もご容赦頂きたいと思う所存なのである。


※ 正確に記載した結果

そもそも店の名前とかロゴとか、サブタイトル的なちょっとしたコンセプチュアルな記載など、わたしにとっては、わりかしどうでもいいのだ。

たいせつなのは、商品であり、デザインであり、使用感であり、あとカネとか美味しい寿司とか、それから睡眠とかイケメンとかそういうやつである。そもそもジュエリーショップなどの店名はなんかフランス語とかイタリア語とかのちゃらちゃら~っとした、初見では意味はおろか読み方すらよくわかんないような名前で、ふんわ~りしたイメージであればそれでよいのだ。パン屋さんとかケーキ屋さんとかもだいたいそうである。

まぁ、ウチなんかはその点、かなり露骨で解りやすいと思う。ちなみに正確な発音は『カネクレィ』ではなく、『キャネクレ~ィ』である。音だけ聞けばなんか「そういう言葉あんのかな?きっと素敵な意味なんだろうな」、とか思うようなイメージの発音だ。フランス人のちょび髭タキシードの紳士が発音しているシーンを思い浮かべて頂きたい。

ハイ、ご一緒に~!『キャネクレ~ィ』。

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そんなわけで、Jewelry and Leather Goodsの名に恥じぬため、革製品の製作を再開しました~!わ~~~!



なぜかは解らないが、田舎に移住したら、時間ができたのである。

都会にいたときから、1日は当然24時間、そして睡眠は7時間で生活のパターンが固定されていたはずなのに、なぜか空き時間ができる。たぶん早寝早起きになって、家のメンテナンスとか落ち葉の掃除とかいろいろやることが増えて、ボヤボヤする時間が無くなったからだと思うのだが、忙しいのに空き時間ができる謎。いままではきっと、ボンヤリとテレビやスマホを眺めて無為に過ごしていたのだろう。時間を無駄にしておった...環境が人をつくる。

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さて、まずはいろいろ思い出すために、自家消費する製品から作る。普段使いの財布のほかに、食費専用の財布(わたしは用途毎にいろいろなものを分けて持つクセがある)が欲しかったので、ごくごくシンプルな札入れとコインケースを作成。


ふむ。最低限の用は足りる、といった趣。ここで裁断や穴あけ、切り口の処理(コバといいます)、縫い方などを復習する。なんせひさしぶりすぎるので、たったこれだけで丸一日を費やす。こんなに大変じゃったかね・・・


次に、あたらしいデザインも作らねばな、と、思い、型紙を引き、裁断等をおこなう。

※型紙がグシャグシャ。理由はあとで説明します

シウマイのようなコインケースが出来上がる。まぁ、お出かけ用のジュエリーボックスとかにしてもいいかな?まだまだ改良が必要ですが。


と、なんかもうサクサクーーーっと作りました、的に書いているが、そうではない。たった数個の作品を作るのに数日かかり、その間、脳はフル回転である。

完成の形は頭の中に思い浮かぶのだが、ほんの1枚か2枚くらいのレザーパーツをどう切って、どの部分をどう縫ったらその形になるのか解らないのだ。

革の製品を立体的にするためには、型紙とよばれる材料を切り出す裁断パターンが必要なのだが、そのパターンが、パッと思い浮かばない。「あれ?あれれれれ??」とか言いながら、コピー用紙をハサミでチョキチョキ切って、折ったり貼ったりしてみて、ああでもない、こうでもない、と試行錯誤して、やっと完成形に至るパターン図が描ける、という按配である。

思えば日常的にレザーを触っていたころは、例えばデパートでバッグを見ただけで、パッと展開図が浮かんだものだし、思いついたデザインの裁断パターン図もすぐに引けた。

しかし、そういう作業をしなくなってからほんの数年で、ヒトはその能力を失ってしまうものらしい。それらの能力は日々の訓練の賜物だったのだ。

ジュエリー製作の場合は、日々の訓練の成果で、正面から見た図をさらさらっとテキトーに描くだけで、自然と3面図までが頭の中で展開され、石座等をどのように造形すればいいのか解る。あたりまえだが紙の上でのデザインは所詮2次元であり、それを3次元に起こすとなると、イメージの差異が生じるので、2次元の画もそれに沿って微調整していかなければならない。

慣れてくると『ここは横から見たらこうなるハズ』と謂ったような感じで、自然と無理のないデザインが一発でできるようになるのだが、そうなるまでは、『これ後ろから見たらどーなってんのよ!?』と言いたくなるような超時空・異次元空間のジュエリーデザインみたいなものを描いてしまうケースがある。

レザークラフトのパターン図も同様で、展開図はこんなもんだろ・・・的な感じでテキトーにやってしまうと、イメージとは全然異なるものが出来上がってしまったり、やたら分厚いウォレットが完成したり、カードケースにカードが入らなかったり、深すぎて指が入らない四次元ポケット・コインケースが完成したりするのである。

日頃の訓練とは大切なものだ。

***

さて、"Jewelry and Leather Goods" の名に恥じぬ(と、そこまででもないが)、革製品を製作することにしましょう。

まずは石。ここでは翡翠を使う。

革製品の小物の場合、カバンの中に入ることを想定しなければならない。カバンの中で財布や眼鏡ケースや手帳や、その他のなにがしかの硬いものにぶつかったり、擦れたりするので、靭性の高い翡翠を選んだ。

新潟県、糸魚川産。


円形に平面にカットして磨く。サイズはハトメ抜き12mm(穴あけポンチ40号)より若干小さいくらい。具体的には10mm×10mm。

耐久性を考えテーブルを大きく平面に。前述のようにカバンの中で動くため、強度を優先。


金具を作り、セッティング。覆輪(フクリン)という留め方ですね。


石留めおわり。綺麗に留まりました。


こんな風に使います。ハトメ抜き12mmであけた穴に後ろから通す感じ。最初はコンチョにしようかなあ、とか思ったけど、やっぱりコンチョはちょっとゴツいイメージなので今回はパス。若干エレガントなワンポイントを演出したかったので、こんな作りに。


シンプルな型紙でレザーを切って・・・


穴あけして塗ったり磨いたり。


そんなもんで、完成。






まぁ、なかなか面白いんじゃないかなー、と思います。

石が好きでも、諸事情でジュエリーを身に着けるのは苦手、という方にもいいんじゃないでしょうかね。

そんなわけで、今後はこういうのも作っていきますんで、よろしく~。

なんかすんごい手間暇かかるけども・・・。


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