【学生アメフト】 東西リーグ優勝決定 次週は甲子園をかけた戦い。 & 関学#11斎藤圭選手特集 | アメフト交差点

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今日行われた学生アメフト最終節で関東Top8、関西Div.1それぞれの2014年度リーグ優勝チームが決定し、次週に東日本/西日本それぞれの代表校決定戦が行われる運びとなりました!

本日11/23(日)に行われた無敗対決の試合結果+放送予定等

<関西Div.1>
関西学院大学ファイターズ ○21-7● 立命館大学パンサーズ
リーグ優勝:関西学院大学ファイターズ(7戦全勝)
5年連続(※単独では4年連続優勝)、54回目の優勝


ネット配信:
rtvにていつでも、ノーカット・良画質で観戦可能!
 http://rtv-live.org/archives/2162/



<関東Top8>
日本大学フェニックス ○17-14● 法政大学トマホークス
リーグ優勝:日本大学フェニックス(7戦全勝)
2年連続、34回目の優勝


テレビ放送:
録画放送 スカイ・A 12/7(日) 22:00~
Football TV 有料配信


この結果を受け、関学と日大はそれぞれ代表校決定戦に挑みます。


≪西日本代表校決定戦≫
11/30 (日)
@神戸市王子スタジアム
関西学院大学ファイターズ(関西代表) vs 名城大学ゴールデンライオンズ(東海代表)
14:00キックオフ


13:50~【rtv(ネット・ユースト配信)】にて■生配信■アリ!
http://www.ustream.tv/channel/ch01-reconnecttelevision



≪東日本代表校決定戦≫
11/30 (日)
@アミノバイタルフィールド
日本大学フェニックス(関東代表) vs 東北大学ホーネッツ(北日本代表)
12:00キックオフ


※Football TVにて有料(登録制)配信アリ

この代表校決定戦で勝利したチーム同士が、第69回甲子園ボウル(大学王者決定戦)で対戦します・・・!!
↓第69回甲子園ボウル公式HP
http://www.koshienbowl.jp/2014/



【リーグ最終節の試合を観て】
~特に感動した、成長した関学のエースQB#11斎藤圭選手を特集~


関西のリーグ最終節、決戦となった関学‐立命戦、永遠のライバル対決を現地観戦してきました!
試合開始2時間前の開場時間の前から既に良い席をとるために早く集まったOBやファンで行列ができており(日本のアメフトの試合は基本どれも自由席)、試合開始時にはもうほぼ満席状態という学生スポーツとしては凄まじい状況でした。
理想的にはこれくらいの客入りでどの試合も行いたいけれど、なかなか社会人とかも含め集客が難しいという日本のアメフトの試合としては異例のレベル。
しかし、このライバル対決からしたら当然の客入りのレベル。(笑)
毎年この試合のスゴさを思い知らされます。

試合では、出足から関学のベストアスリートとチーム内外から称される#10田中雄大選手のビッグリターンに始まり、ノーハドルでテンポの速い攻撃を仕掛けた関学が破竹の勢いで点をとり、しかしその後は互いにINT(インターセプト)等で奪い合いがあったり、昨年のスコアレスドローとは全く違う刺激的な展開となりました。
試合の中で終始立命の強力なOL陣を寄せ付けず相手のQBにプレッシャーをかけ続け、パスカバーも含めて高い集中力を見せた関学ディフェンスの圧倒ぶりと、様々な「仕込み」から上下左右、縦横真ん中と様々なプレーを見せて相手を翻弄した完成度の高い関学オフェンスの精度が立命館の気迫を上回ったというゲームになりました。
→コレは稚拙な文章で無理やりまとめたにすぎないので、是非rtv放送から試合を観て、感じ取っていただきたい・・・!!


勝利した関学からは前述のアスリート#10田中選手、あり得ない動きでNFL(アメリカのプロ)ばりのINT奪取をした#20国吉翔選手、鋭いタックルと思い切った突っ込みで相手のボールキャリアーを倒し続けた副将#57小野耕平選手らディフェンスの選手が目立ちましたしそれがあったからこそ勝利したということもありますが、僕としては多彩な攻撃を見せたオフェンスにも注目したいと思います。

RBを横に走らせそこに早めのパス、横に広げるプレー
さらにショベルパスで中央を突く

などをしていたのが、後半そのフェイクから縦へのパスを見せた流れはデザインとしてかなり芸術的なものがありました。

コーチの組み立てと、選手の理解度・実行度の高さのレベルがすさまじいことをまた証明した展開ではありましたが、その中でも!!
やはりエースのQB#11斎藤圭選手にフォーカスしたいと思います…!
ここからは斎藤選手特集で、彼に絞っていろいろ思うところを綴らせて頂きたいと思います(´ω`*)


【関学のエース】
斎藤選手は2年生の頃、第67回甲子園ボウルでQBとして先発を果たしました。
しかし、この時のエースはトータル能力で関学史上最高のQBと言われ、絶対的な存在であった畑卓志郎(現・オービックシーガルズ)でした。

※すいません、先日まで畑卓「四」郎という表記をしていましたが誤表記です。
正式には畑卓志郎さんです。
ご本人及び関係各位、記事を読んで下さった方々、申し訳ありません。


彼が突然当日になり脚の痛みで先発が難しいという運びとなり、突如斎藤選手がスターターに名を連ねました。
ですが、いくら控えとして準備をしていたであろうとはいえ突然大舞台での先発、「頭が真っ白になった」との本人談どおり斎藤選手はまったく活躍は出来ませんでした。<※1>
チームは当時のエースRB望月(現・オービックシーガルズ)らの働きで攻撃を作りますが、一時は対戦校の法政大学にリードを許します。
試合終盤のこの展開に、痛み止めの注射を打ち限定起用で登場したエースの畑卓志郎が斎藤に代わり、次々とパスを通す。
簡単に同点となるタッチダウンを生み、さらには最後のドライブでFG(フィールドゴール)圏内まで進めて残り0秒での勝利の3点獲得をお膳立て。

誰もが「畑はすごい」と思うと同時に、「やっぱり畑でないとダメだ」と思った瞬間だったかもしれません。
あの逆転劇は学生フットボール史上にも残る、畑卓志郎のスゴさをしらしめる展開でした。
しかしその裏側では、「何もできなかった」という悔しさばかりが残る斎藤選手の姿がありました。

畑選手が卒業し、先発のQB争いが振り出しに戻った状態の2013年シーズン。
「斎藤は昨年の悔しさをバネに何が何でもスタメンをとって、チームを日本一にすると決意して取り組んできた。夏までは周囲の不安要素だったけれど、秋のシーズンが深まるにつれ、自信がついて堂々とプレーしていて、その姿は見違えるほど。だから甲子園ボウルでは昨年の悔しさを晴らすべく大活躍してチームをまずは学生日本一に導いてほしい」<※1>
以上はこの年コーチとして残った畑選手談のようですが、本当に精神的にも身体的にもタフな年だったかと思います。
ただ単に甲子園ボウルでの悔しさがあるばかりではなく、前年まであそこまでチームを牽引した畑の後継者としての立場でもあり重圧は我々には想像もできないほどであったと思います。
おまけにチームは「勝って当たり前、ライスボウルで社会人に勝てるかだけがポイント」と見られてもおかしくないくらいに評価されている状況であったので、それも含めてただならない状況ではないでしょうか。
強いチームだからこそ、こういう他とはまた別のプレッシャーものしかかります。

しかし、斎藤選手は見事でした。
3回生の秋のシーズン、前年までとは見違えるようなパスの成功率、リスク回避能力の高さ、そして精神的な強さ。
関西学生リーグの年間攻撃最優秀選手にまで選ばれるほど。
正直前年の甲子園ボウルでのプレーぶりを見ていた時は、ここまでのQBになるとは想像していませんでしたし多くの方々がそう思っていたと思います。
悔しさを力に、そして憧れの畑選手の後継として、並々ならぬ思いで努力したことが伺えます。


3年生にして常勝ファイターズの司令塔を務めている斎藤が、よく口にする言葉がある。 「ファイターズのエースQBは、200人の部員、何千人のOB、何万人ものファンの人たちのために、1プレーに気持ちを込めなくてはいけない」。 これは斎藤が一番憧れを抱いているという昨年までのエースQB畑の教えだ。
<※2>


畑選手らしい教えですが、この言葉は重くのしかかったはずです。
畑選手や2011年度関学主将の松岡正樹さんと言えば、こういった言葉が自分を高めてくれるような形でかなり精神的にアグレッシブなというか、自信に満ち溢れた存在であったように思いますが斎藤選手はどちらかといえばご自身でもメンタル面の不安を気にされるし、実際プレーにその繊細な部分が出てミスを犯すこともあるタイプだと思うのです。
なのでこの言葉がもし単なるプレッシャーとして存在するに終わってしまっていれば、今のエースQB斎藤圭の姿は無いと思う。
その言葉に真剣に向き合い、真面目に取り組み試合にどう臨むかを考え続けたからこそ試合でも落ち着いて活躍が出来ているのではないかと思います。

「関学のエースQB」
それは他のチームよりももう一つ熱く、理解度が高く、プレーの細部の出来に厳しい評価を下す多くのOBや先輩、チームメイト、コーチの存在を受け止め、何度も向き合った末、押しつぶされることなく力に出来るQBであるのかもしれません。
それを証明してくれているのが斎藤選手だと僕は思います。

今年の1月に行われたライスボウルでは斎藤選手自身のスタッツ的にはパスで318ヤード、1TD・1INTとオービックシーガルズ相手にめちゃめちゃ好成績と言っても良い内容でしたが、勝利には結びつきませんでした。
しかしこの悔しさから進化を遂げるのが斎藤選手、今年はライスまで突き進めるのか?そしてチームを勝たせるQBになれるのか?
非常に楽しみです。


ここまで各記事を参考にさせて頂きながら、僕の観戦を基にした独断と偏見による精神的な部分にフォーカスした斎藤選手のすばらしさの紹介でしたが、ここからはさらに彼のプレーぶりのすばらしさもご紹介したいと思います!


【ピンポイントで勝負できるホンモノのパサー】
斎藤選手といえば、才能あふれるレシーバー陣との連携の良さとピンポイントに落とせるパス能力の持ち主だと僕は思います。
現在スターターのレシーバー陣#15大園、#85木下、#88木戸、#82横山の4人との連携はかなりイイです。
目を見張るものがあります。
特にそれを感じるのがミドルに走りこんだレシーバーが空いた瞬間にパスが飛んでくるという状況が生まれていること。
もちろんプレーのデザインがいいということもありますが、それにしてもタイミングが合っているので、ここからのランアフターキャッチが存分に期待できます。
さらに、ギリギリのところで針の穴を通すようなパスも好調の時にはバシバシ決めてくれます(*´▽`*)
ボール1個分しかフリーになれてないレシーバーがいても、ちゃんとレシーバーの手と手の間に弾丸パスをコントロールできる。
さらにはサイドライン際へ落とすパスもそうだし、浮かせたパスももちろん綺麗に投げ込めます!
このあたりが斎藤選手の純粋なパサーとしての魅力かな。
なかなかリズムが出ない時や1回パスが乱れると安定しない時もありますが、割り切って、そして思い切って気持ちをのせたプレーを展開すればさらに驚異的なパサーになるはずです‼
メンタル的に落ち着いてやれた時の彼は、常にピンポイントのパスコントロールを狙った勝負ができるQBです。

そして、今年はさらにポケットワークとスクランブル能力も向上しているように思います。
関大戦、立命戦とブリッツを含め強烈なパスプレッシャーがかかったにもかかわらず斎藤選手はくるり、ひらりとかわしてパスを投げ捨てたり、大幅なロスを避けたり、スクランブルでヤードを稼いだり出来ています。
この落ち着きとQBらしいポケットワークは見ていて惚れ惚れしますねwww
やっぱりフットボールにおけるパスの魅力はコレだなと。
走るのが苦手のようで、昨年も自身のランプレーやスクランブルの時はぎこちなさがあったのですが今年の春からRBの練習に更に積極的に入って取り組んだり走り込みをしたりという取り組みを織り交ぜた<※3>効果もあってか、走る姿も様になっており、行き詰った時の打開策としても、戦術の一つとしても、彼のランが機能しています。

今季はINTが昨年よりも増えましたが、これは必ずしもネガティブにとらえる必要はなく、それだけ勝負に行っているということだと思います。
今年は京大戦で明らかに速いタイミングでパスを投げることを意識しているところが見えたり、立命戦では本当にギリギリのところに投げ込んで行ったりと、昨年はリスク回避に奔走してそこまでの余裕がなかったことを思えば相当な成長と意識の高さを見せています。
速いタイミングで投げる、ギリギリの所を勝負するというのはいずれも社会人との戦いも意識した上で、ではないかと推測していますし、チームとしても斎藤選手としても求められるスタンダードがより向上しているように思えてなりません。

また、試合中プレーの前後やハドルでは意識的に&無意識的に笑顔を心がけているようで、この姿もかなり印象的です。
なかなか笑顔ではいれないと思いますよー(笑)
応援してるチームだと見ているこっちからしても喜怒哀楽が噴出してしまうぐらいなのに(僕は家でNFLを見てる時、かなりひとりでギャギャー騒いでますww)
笑顔で攻撃を率いれるというのは彼の「強さ」だと思いますね。


ということで、今日は関西学院大学のエースQB#11斎藤圭選手を特集しました!
ここまで語ったことからもお分かり頂けるかもしれませんが、日本のQBの中で僕が最も好きな選手が斎藤選手です(笑)
あんまりアメフトの全体を取り上げる当ブログで個人的に肩入れしているチームや選手を紹介するのはどうかなーとも思っていたのですが、今日の試合を観て抑えられなくなりましたwww
まぁこういうのもたまにはお許し下さい(笑)
立命館をやっと倒せたことで目に涙を浮かべた斎藤選手の表情をモニターで見た時には熱い思いがこみ上げてきました…!


畑選手や三原雄太さん(元・アサヒビールシルバースター)らを上回る関学史上最高のQBになるどころか、ライスボウルを彼のパスで勝利して日本一のQBになることも本気であり得ると思っているので、今後も斎藤選手には注目し続けたいです。
パスで「魅せる」QB斎藤圭。
目が離せません…!
(そして、勝手なコトをいうなれば卒業後は社会人でプレーしてほしい(>_<)!!
本気でフットボールに取り組む選手を、本気で応援し続けます。)



[参考資料]
※1 週刊TURNOVER
「ずっとお前を信じてきた」 関学QB斎藤を救った4年生の言葉2014/02/09 【小西綾子】
http://www.47news.jp/sports/turnover/column/konishi/140926.html

※2 第68回(2013年度)甲子園ボウル公式HP
注目選手 関西学院大学
http://www.koshienbowl.jp/2013/teams/west02.html

※3 関学スポーツ-関学スポーツ編集部 by nikkansports.com
試合会場で配布される、2014年度『Fighters Times』
『Fighters Times Vol.13』#11QB斎藤圭
http://univ.nikkansports.com/press/kwangaku/2014-af-times-vol13.html

[その他参考資料]

◎関西学院大学ファイターズ公式HP
斎藤圭選手 プロフィール
http://www.kgfighters.com/member_detail/id=353

◎関西学院大学ファイターズ
第68回甲子園ボウル直前会見
http://www.youtube.com/watch?v=xqbeAe_BtFI

◎第68回甲子園ボウル 試合映像(ノーカット!)
rtv放送


関西学院大学ファイターズ公式HP
第67回ライスボウル(vsオービックシーガルズ) スタッツ
http://www.kgfighters.com/gameamefoot_detail/id=356

◎オービックシーガルズ YouTube動画
第67回ライスボウル ハイライト