今ではない時、ここではない場所。
地平線の彼方まで朽ち果てた不毛の大地。
モンスター達はクラフターとの戦争に勝利し、オーバーワールドを闊歩していた。
クラフター全滅から４か月、彼らの作った兵隊は抵抗を続けていた。
各地に散らばった村人の残党勢力と合流し、20体以上のゴーレム軍団が、一大反抗作戦を開始する。
勝利に浮いたモンスター軍団の拠点警備はずさんを極める。
油断しきったスケルトン達に、ゴーレムの大群が襲い掛かる。
午前７時２０分。
周辺の哨戒兵は40秒で全滅。そのままスポナーのある拠点になだれ込む。
内部にスケルトンスポナーを有する砂漠拠点。攻めにくい地形に守られているが、突破した数体のゴーレムに押さえつけられる。
出入り口を瞬く間に占拠、スケルトンをリスキルしつつ、拠点占領を進めていく。
勝利は目前かに見えた。
ゴーレム「」
占領中の拠点に、突如ウィザーが出現。
スポーン爆破攻撃と奇襲により、兵力の20％は喪失。
モンスター軍団は兵力ではなく、武力を用いたのだった。
彼らは油断していたのではない。
残党を確実に葬り去る手はずを着々と整えていたのだ。
空を攻撃できないゴーレムは、なすすべなく撃破されていった。
午前８時１５分、ゴーレムは撤退を決意する。
午前８時３０分。
真隣にあったアジトの存在がバレる。
護衛は手薄、数体のゴーレムと大勢の村人を残しての背水の陣で挑んだのが仇となった。
エルダーガーディアンが付近のゾンビ部隊を招集、立場は逆転する。
撤退命令を無視して特攻するゴーレムは過半数にのぼり、援軍の来ないアジトは崩落。
村人は根絶やしにされ、ゴーレムも数で圧倒され、徐々に追い詰められていく。
正午１２時。
ゴーレムの組織的な抵抗はほぼ沈静化。
アジトを攻略したゾンビ達は、その場に居つき、残党の捜索と拠点の警備に移行した。
午後３時。
アジトに潜伏していたゴーレムを発見。
そのほか何体かのゴーレムが、ゾンビの餌食となる。
午後５時。
他の地域で別のゴーレムが決起したことにより、ゾンビの数は減っていく。
モンスター達も、戦後の真の平和には、ありつけていない。
生き残ったゴーレムは息をひそめ、撤退していくゾンビ、見張りの為残るゾンビを、谷の廻間からみつめていた。
午後１１時。
ゾンビの鎮圧活動に勢いが失せていく。
ゴーレム一体を先制攻撃した後リンチしても、ゾンビ側は３，４体の犠牲を強いられるからだ。
ゴーレムが強力、ゾンビの頭が残念なのもあるが、それは要素の一つに過ぎない。
クラフターと築いた理想郷を踏みにじられたゴーレム達の、決死の覚悟が、反乱の力となっているのである。
日付は変わり、尚も暗闇が続く。
歴史の陰で、時代の残党が潜む。
彼らの戦いは終わらない。ただ戦うことすらできない抑圧が、彼らに課されているだけである。
抑圧の解放。次の決起と集結に備え、今はただ静かに、その時を待つ。
家族との再会を夢見、祖国の栄光を謳いながら。