沖縄集団自決最高裁判決は禍根を残す 2 | 産経新聞を応援する会

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沖縄戦集団自決・損賠訴訟:

「軍関与」認定判決が確定 「自決強制、認識される」

 毎日新聞 平成23423

ノーベル賞作家、大江健三郎さん(76)の著作「沖縄ノート」の記述などを巡る名誉毀損訴訟で、最高裁が旧日本軍隊長らの上告を棄却する決定を出し、「旧日本軍が住民の集団自決に関与した」と認定した2審が確定したことを受け、大江さんは22日午後、東京都内で会見を開き「ようやく強制された集団死が正しく認識される」と訴訟終結の意義を語った。


 訴訟の原告は、沖縄・座間味島にいた海上挺進隊第1戦隊長の梅沢裕さん(94)と渡嘉敷島の同第3戦隊長だった故赤松嘉次さんの弟秀一さん。軍が集団自決を命じたと記した沖縄ノート(70年出版)と、梅沢さんの実名を記した故家永三郎さんの「太平洋戦争」(68年出版)の記述を巡って提訴。「住民の遺族が戦後の補償を受けるため自決命令を捏造した」と主張していた。


 大江さんは22日の会見で「文科省はこれまで係争中を理由に(軍の強制を記した)教科書を印刷できないとしてきたが、もう係争中ではない」と指摘。「今回の決定で沖縄の基地問題が一変するわけではないが、沖縄戦のことを覚えていてもらいたい。(沖縄ノートを)高校生に読んでほしい」と若者たちへの思いを語った。


 これに対し、元隊長側の松本藤一弁護団長は「1、2審とも元隊長らによる集団自決命令は『証拠上断定できない』としながら、論点をずらして軍の関与を認めて名誉毀損を否定し、最高裁も踏襲した。日本や日本軍の名誉を決して回復させてはならないという強い戦後の観念のもとで下された決定だ」とするコメントを出した。


 1審の大阪地裁は08年3月に「隊長の関与は十分に推認される」として請求を棄却。

2審・大阪高裁も同10月に「隊長命令は出版時は学会の通説で、記述に真実と信じる相当性があった」と名誉毀損の成立を否定した。


 提訴後に文部科学省が「自決は軍の強制」とした高校教科書に初めて検定意見を付け、教科書会社が記述を削除する動きに発展。沖縄県の反発を受け、文科相の諮問機関が「軍の関与は主要な要因」と認め、教科書会社が「軍の関与」の表現を復活させるなど、訴訟外にも影響が広がった。【伊藤一郎】