Reactivated Love 2 #61A | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
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最初お話→Reactivated Love1
前回のお話→#60S


Reactivated Love 2

#61A





ふわり、風が頬を撫でて


はぁぁ、って息を吐き出し、


手元のグラスを眺めた。




翔ちゃんが選んでくれたグラス・・・



キレイ・・・



手元から持ち上げて月にかざす。




螺旋みたいな模様が向こう側と重なって


キラキラ月光を縫い留めて


中の琥珀色が宝石みたい。





翔ちゃん・・・





どんなコト想ってコレ選んだのかな・・・





翔ちゃんといた頃を想い出して


僕のタカラモノは翔ちゃんなんだって改めて感じて


また鼻の奥がキュってした。





「んっ!」





手すりから体重を戻して


グラスを持ったままググッ、って伸びをして





「っはぁ、」





一気に脱力。




部屋に戻ろう、


そう思った時だった。




なんとなく───、



いや、視線を



感じたのかもしれない・・・





階下(した)の、植え込みの横





外灯の光から外れてしっかりは見えないけど。





「しょ・・・?」





間違いない。



間違えるわけないよ。




「しょぉちゃん・・・!」





うっかりグラスを落としそうになって


後ろのテーブルに置く。




しっかり見ようと思って


両手で手すりにつかまって身を乗り出した。




植え込みの横から





「待て、やめろ!」





その影が走り出て来た。





「え・・・、」


「早まんなっ!」


「え・・・?」




「・・・え?」


「ぃや・・・、僕別に、」


「え、アレ?」





月光を受けて困惑した顔がよく見えるよ、


大好きな僕の翔ちゃん?





「くふふ、」


「アレ?」





両手広げて、ロミオみたい。





「くふふっ、」


「アレ?違うの?」



「くふふふっ、」


「はは、・・・え?」





頭をかいてまた見上げたその姿に、


いてもたってもいられなくなって





「待ってて!」





身を翻して玄関に向かった。





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