gravitation 1 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

『俺と組みませんか?』




翔ちゃんがオレにそう言って手を差し伸べたあの日以来

ほとんど横一列だったオレの中のメンバーの位置付けが均衡を崩した



どっちかって言ったらニノが一番仲よくて

おーちゃんといる時が一番落ち着いて

マツジュンと行く買い物が一番充実してた



してたのに



翔ちゃんにとっては単なるなり行きの、取るに足りないその場だけのことだったかもしれないけれど


あれからオレは翔ちゃんのことを意識しちゃってるみたいで


みんなで楽屋にいても

翔ちゃんがどこに座ってるのか

翔ちゃんが何をしてるのか

翔ちゃんが何を話してるのか

気になって



バラエティーの収録で

例えば翔ちゃんがほかの誰かとペアになったり

ハイタッチしたり

翔ちゃんのとなりに座るのがオレじゃなかったりすると

なんだよ翔ちゃん、オレと組むんじゃないのかよなんて思っちゃったり



でもオレとペアになったり
となり同士になったりした時は

嬉しくて

ドキドキして

楽しくて

いつも以上にテンション上がって張り切っちゃって



でも



例えば翔ちゃんが誰とどこに行ったとか

翔ちゃんちに誰が行ったとか


そんな話を聞くたびに

オレの胸はチクッって痛くなって


笑おうと思っても上手に笑えなくて




「相葉くん?どした?大丈夫?」




そう言って覗き込む翔ちゃんの瞳(め)が優しくて




「あっ、ううん、大丈夫なんでもないよ。」




メンバーや翔ちゃんの友達にヤキモチ妬いてるなんて言えっこないから



気付いてくれる優しさに


嬉しいのと

情けないのがごっちゃになって



泣きそうにになるのを必死に抑えた





----------------------------------------------



『俺と組みませんか?』




行け、サクライショウ、

そう自分を鼓舞して伝えた言葉



思い切って伝えた割に

それ以上相葉くんと距離を詰める術が分からず


チキンで残念な俺は

制作側の指示で相葉くんとバディーになったり

偶発を装って席の隣をキープできた時


物理的に触れるギリギリまで距離を詰めるくらいしかできなくて




色々考えすぎる俺に比べて


いつも真っ直ぐに全力投球の相葉くんは

俺にはとても眩しくて


その反面で人一倍頑張り屋なのも知ってたから



少しでもその笑顔が曇ると心配になって




「相葉くん?どした?大丈夫?」




俺を頼って弱音を吐いてくれたら嬉しいのに




「あっ、ううん、大丈夫なんでもないよ。」




無理に笑ってみせる相葉くんに

それ以上突っ込んで聞けなくて



残念なのと

情けないのがごっちゃになって



胸が鈍く痛んだ