12年越しのアイラブユー
Side-A
《10》
カチャリ、
ベッドルームのドアを翔ちゃんが閉めた。
翔ちゃんの手に腰を軽く押されるようにベッドの横まで来たけど
誘ったのはオレだけど
いざ、ベッドを目の前にして緊張がピークに達した。
どうしよう、
一緒のベッドに入って
翔ちゃんのいいにおいに包まれたまま寝れる、なんて思ってたけど。
・・・ううん、本当は。
翔ちゃんの事、断ったのはオレなのに
でもフツー にされてみたら
オレはずっとずっと好きなのに、って、
なんかちょっと寂しくて、
酔った勢いのせいにして
あわよくば翔ちゃんに触れてしまいたいなんて。
こんなの、ズルイよね。
ダメ、だよね。
あぁ、どうしよう、やっぱりオレあっちのソファーに・・・
「相葉くん?どうしたの?」
「あ、えっと、」
オレの思考を翔ちゃんが遮った。
「どっちがいい?奥?手前?」
「あ、・・・あの、」
顔を覗き込まれて耳に血が集まるのを自覚する。
やっぱり断らなくちゃ、
そう思ったのに
「じゃあ奥行って?俺寝相悪いから。」
そう言うと翔ちゃんはホラ、ってオレを促した。
意を決して寝転んで、
壁を向いて寄せたカラダが
背後に滑り込んできた翔ちゃんの力強い腕にグイッて取り込まれた。
「あ、あの、し、しょおちゃ、」
テンパる。
「シングルに男2人って。」
「ごっ、ごめっ、」
「相葉くんあったかい。」
すぐ後ろで翔ちゃんのテノールが聞こえて
首の後ろんトコに一瞬、柔らかな感触が触れた。
え・・・
今の、って。
お腹の真ん中がキュッて反応する。
今の、って。