盗まれて取りあげられたお金~ ベトナム 社会主義国家の明と暗~ | さすらいふうふの世界一周

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世界を巡る旅を終え、帰国しました!
しばらくは(!?)日本で新たに生活を始めます。
ひきつづき、応援よろしくお願いいたします。

ベトナム滞在記

2012年11月20日~12月2日
~ニャチャン編~





そして、それは起こったのだった。




ニャチャン滞在2日目。

この日、夜20:00の出発のバスでホーチミンに向かう予定でいた。


ベトナムに入って、宿のチェックアウト時間は12:00ということが多かったので、

ニャチャンの宿もきっと12:00だろうと勝手に思いこんで、ゆっくり起きて、優雅に朝食をいただいていた。


念のため、「チェックアウトは何時?」と宿のお姉さんにたずねる。


「10:00よ♪」


え!?

12:00じゃないの!?

慌てて時計を見る。すでに9:30を回っていた。

慌てて部屋に戻って荷物のパッキングを始める。

チェックアウトまで充分時間があるから、明日の朝詰めたらいっか、と何も準備をしていなかった(泣)


なんとか荷物を詰め終えて10:00にチェックアウト。

大きな荷物を宿に預かってもらって、バスの時間まで時間をつぶす一日が始まった。


ビーチは昨日行ったし。

今日はシャワーを浴びることができないから(宿をチェックアウトしたので)海で泳ぐのはやだし。

これといって見どころが・・・



ニャチャン、何して過ごそう・・・



ひとまず、お昼御飯を食べに行くことに。


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安くておいしくて大好きはベトナム料理・・・なのだが、

ちょっと気分転換したくなったのだろうか。

たあはハンバーガーを頼み、


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私はツナサンドを頼む。

ふたりの胃が揃いに揃ってこっち系の味を求めていた日だった。

しかし、この欧米メニューもかなりおいしい♪

料理がおいしい国では何を食べてもおいしいのかもしれない。日本と同じようにね。

そして、欧米人の観光客も多いベトナムではレストランに行けば必ずこのような料理も出してくれる。


お腹もいっぱいになったことだし・・・さて何しようか。

ぶらぶらと町を歩いてみる。

ふと、目に止まった看板。


「マッサージ」


マッサージか・・・


まだまだ時間もあるし、ゆっくりのんびりマッサージしながら優雅にリラックスするのもいいかも!!

ということでマッサージをすることにした。

通りに数軒並んでいるマッサージ屋さんを見て周り、お店の雰囲気やメニューをチェック。

もちろんお値段も。


そして、お店の前で笑顔で迎えてくれたおばちゃんが素敵だったので、そして、

ふたりマッサージするとおまけしてくれるというので、

この1軒のマッサージ屋さんに入ることにした。


今思えば、この選択が失敗だった・・・


お店は美容院兼マッサージ屋さんで、お店も明るくてきれいでいい雰囲気だった。

さっき勧誘してくれたおばちゃんがマッサージの前に会計してくれ、というので先にお金を払う。

ふたりともりリフレクソロジー込みのフットマッサージのコースを頼むことにした。

おばちゃんは話の通りちゃんとおまけしてくれた。


お金を払った後、一階の椅子に座って足裏マッサージが始まった。

私の足をおばちゃんがマッサージ、たあの足をお姉ちゃんがマッサージ。

気持ちいい。

が、しばらくすると、おばちゃんが何やら片付けなど他の仕事をしたり、

急にお店を出てお客の勧誘を始めたり・・・

私のトリートメントは・・・

しばし、私はほったらかされる。


え!?

これでマッサージ終わりとか言わんよな・・・


ちょっと心配していたが、しばらくして2階に移動するように言われた。

どうやら本格的なマッサージは2階の部屋でしてもらえるようだ。


荷物を持って2階の部屋へ移動した。

2階の部屋はちょっと薄暗い感じで、ベッドがふたつ並んで置かれ、カーテンで仕切られていた。

私たちはそのベッドに隣通しで寝転がるように言われた。

カーテンが引かれる。

マッサージのため、ズボンを脱いでベットに横になった。


たあは1階の時とおなじお姉さんが担当、私は若いお姉ちゃんに変わった。


世間話なども交えてマッサージ。

なんか心地よい音楽も流れていた気がする。

太ももやふくらはぎを中心にマッサージが始まる。

気持ちはいいものの・・・

熟練されたマッサージ師さんのマッサージではないことは分かる。

マッサージに流れがなく、適当に足をもんでいる、みたいな。

両足に同じマッサージがされていない気が。

あれ?そのマッサージ、左足しかしてませんが・・・みたいな。


そんなこともあってだったのだろうか。

途中で、なんだか妙に自分の置いた荷物のことが気になり始めた。

なんだかモヤモヤした気分で落ち着かなくなってきた。

ベッドの自分の足元近くに私のバックパックを置いていた。

すぐ近くに置いたものの、ちゃんと見えるところに置いた方がいいかな・・・

ちょっと・・・とバッグを見ようとも思ったが、マッサージをしてくれているお姉ちゃんとは別のお店の人に

話しかけられたりして、結局そのままマッサージが続き・・・


花を浮かべたいい香りがするお湯で足を洗ってもらって終了。


まあ、気持ちはよかったかな・・・

たあはどうだったのかな・・・

と、話を聞くと、たあも私と同じように「イマイチ」と感じていたようで。

「左右対称でちゃんとマッサージしてくれんかったよな。途中片手でやってたし。」

しかも、たあの担当のお姉ちゃん、しきりにたあの股間を攻めてくるらしく・・・

「そこはいいですから!」(苦笑)

そっちのマッサージしてもらいにきたわけではなかったのに、

しかも帰りがけにそのサービスに対するチップを要求されるし。


そうか・・・やっぱり・・・

安かったしね。こんなもんだな。

さあ、帰ろう!



ベッドの近くに置いていたデイパックを取った時、どきっとした。


鍵、かけてない・・・


いつもはきちんとかけているはずのデイパックの鍵が今日に限ってかかってなかったのだ。

そして、再びいつものあの私の嫌な予感が、あの嫌悪感が全身を駆け巡った。

これはちょっとまずいかも・・・

かなり嫌な予感がしてきた。さっきのモヤモヤが確固たる不安に変わった。


嫌な予感がする・・・


なんとなくだが、スタッフが何人いるのか、帰りがけにすれ違った男の人のことも覚えておかなくちゃ、

と思いながら階段を降りた。

おばちゃんはレジのところに座っていたが、最初に会った時の笑顔は全く見せず、

さっきとは別人みたいに見えた。


自分の不安が一向に消えない。

レストランに入って料理を待っている時、私は自分の荷物をチェックした。


カメラや、日記帳、ポーチなどいつも入れているものはきちんとあるようだ。

そして、財布・・・

この日は宿をチェックアウトしたため、貴重品もデイパックの中に入れて持ち歩いていたのだ。


恐る恐るデイパックの中に入れていたポーチを開け、財布を確認。

よかった、財布も無事だ・・・

あれ、でもいつもの私の財布の入れ方と違う気が・・・

取り出しやすいようにいつも同じ向きで入れている財布の向きがいつもと違う!?


中を開ける。

小分けして入れておいた財布にそれぞれ、アメリカドルとベトナムドンがちゃんとあった。

日本円もちゃんとある。

が、全額きちんとあるのか・・・

この時点でははっきり分からなかった。


でも、やっぱり気になって気持ちが悪いので、宿に戻った時きちんと確認することにした。


毎日つけている家計簿をチェックして、今現在の私たちが持っているべき金額を調べる。

私は旅の間も常に家計簿をつけている。

その日に何を買って、どの通貨でいくら払って、残金がいくらなのか、毎日きちんと計算するのだ。

そうすれば、一日にどれくらいお金を使っているのか、この国では一日の生活費がいくらくらいいるのか、

使い過ぎも分かるし、旅全体のお金の管理もできるし、後から見直せば旅の買い物の記録にもなる。

そして私たちが今現在持ち合わせているお金の金額も正確に分かる。


今、お財布に入っているお金を数え、持っているべき金額と見比べてゆく・・・

アメリカドル、ベトナムドン、日本円・・・


あれ・・・・


アメリカドルが70ドル足りない・・・


あれ・・・・



日本円が2000円足りない!



お金の一部が私のお財布の中から消えていた。


慌ててたあにも聞く。

「たあ、たあの持ち金、これだけの金額ちゃんと入ってる?ある?」

アメリカドル、ベトナムドン、日本円・・・

たあが数える。


「アメリカドルが70ドル足りん・・・・・」




どうやらやられてしまったようだ。


私のデイパックに入れておいた財布からアメリカドル70ドルと日本円2000円。

同様にたあの財布からもアメリカドル70ドル。


私のデイパックは鍵をかけていない状態でベッドの足もとに置いたままだった。

たあの財布はマッサージのために脱いだ短パンのポケットに入れたままで、その短パンはお店の人に

よってフックに掛けられていたという。


私たちは即座に状況を飲み込んだ。

私たちがマッサージをしてもらっている間に、お店の人にお財布からお金を抜かれたのだ。


やられてしまった・・・


しかし、私たちは冷静だった。



「警察に行こう!」


宿の人に事情を話し、最寄りの警察の場所を聞く。

一番近いところでもタクシーに乗って行かなければ遠い、とのことなのでタクシーで向かうことに。

普段移動にタクシーを使うことはあまりないが、ここは迷わずタクシーを使う。


警察に着くと、若い男の警官が出てきた。


「マッサージ屋でお金を盗まれました。」


が、どうも英語が通じていない。

続いて中年のおじさんの警官も出てきたが、こちらはまったく英語が通じない。

とりあえず椅子に座るよう言われて座ったものの、何も始まらない。

ふたりの警官は電話をかけたりしている。

何がどうなっているのか、何をどうしていいのか・・・

こちらが事情を説明しようてもやっぱり話が伝わってないようなのだ。


弱ったな・・・


ベトナム語話せないし、どうしよう・・・と思いながらもなんとか伝えようと悪戦苦闘していると、

バイクが一台やって来て止まった。


あ、お姉さん!


私たちが今朝までお世話になっていた宿のお姉さんが来てくれた。

どうやら泊まっていた宿の話は通じていたようで、英語を話す宿のお姉さんを助っ人に呼んだらしいのだ。


ひとまずお姉さんに事情を説明して、その内容を警官に伝えてもらう。

お姉さんはいわば英語とベトナム語の通訳なのだ。


「そのマッサージ屋さんの名前と住所はどこなのか」と警官。


マッサージ屋さん・・・

場所は分かるけど、名前は・・・気にしてなかったから覚えていない。

それがないと始まらない・・・


あ、そういえば、お店入る前にお店のビラもらったね!

名前と住所、住所・・・ビラを取りだして皆で覗きこむ。

が、残念ながら名前も住所も書かれておらず、マッサージのメニューが書いてあるだけだった。


どうしよう。


でも場所はちゃんと覚えている!お店がどこにあるのかは分かる!

ということで、お店に行って名前と住所を調べることにした。

お姉さんのバイクの後ろの席にたあが乗ってお店に向かうことになった。

私は待っている間に被害にあった内容をまとめてレポートにした。

どんな状況だったのか、どんな人がいたのか、被害総額もきちんと事細かく書き込んでいた。


そんな私の前でおじさん警官が何かを言っているが、ベトナム語なのでさっぱり分からない。

でも、なんとなく「きちんと荷物を管理していないお前らが悪いんじゃわ!ガハハハハ!」みたいな・・・

しかもそれをものすごく感じが悪い言い方で言っている・・・

そんな感じだったのは間違いない。

言葉が通じなくても気持ちは伝わるのだ、いいことであれ悪いことであれ。

しかも、警察なのに、目の前のテレビでテレビゲームとかしながらそんなこというから

余計に腹が立ってきた。

ま、確かに私たちのミスに間違いはないのだが・・


こんな状況が日本で起こってたらどうなのだろう、とふと考える。

もし、外国から日本にやってきた外国人観光客が何かを盗まれて警察に駆け込んだら・・・

日本の警察官はみな英語で対応してくれるのだろうか。

欧米の先進国では警察官はもちろん、一般の人々も大多数が英語を話す今のご時世だから、

旅をしていてそれほど不自由することはない。

日本はどうなのだろう、と。



しばらくしてたあとお姉さんがバイクで戻ってきた。


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証拠の写真と一緒に。これでお店の名前も住所もばっちり!


さあ、これで、「盗難・紛失届出証明書」(CERTIFICATE OF THEFT)を書いてもらって

それを海外旅行保険会社に提出すれば、保険金がおりる。

そう、私たちはこの「盗難・紛失届出証明書」を作ってもらうために警察にやってきたのだ。


海外で旅をしていて盗難にあえば、盗まれたものが戻ってくることはまずない。

ましてや、現金が見つかってもどってくることなんかありえない。

私たちは警察に盗難届を出して、それをもとに万が一に備えて賭けていた海外旅行保険で

被害にあったお金を返してもらおうと思っていたのだ。

そのためにかけた海外旅行保険なのだ。


警官に書いてもらった盗難・紛失届証明書のコピーをくれるよう頼んだ。

これで警察での手続きは終わりだ。


が・・・


「ここにコピー機はない。」

じゃあ、コピー取ってくるから・・・


すると、


「盗難レポートのコピーを取ることはできない。」


警官ふたりがそんなふざけたことを言う!!


なんで?原本ではなくて、コピーでいいんだ、と説得。

しかし、コピーも無理だと言う。

でも、通常の盗難の手続きとしてこの書類がいるのだ!

コピーでいいのだ!

コピーをくれ!コピーを取らせてくれ!


なんでコピーもダメなん!と少々キレ気味で問い詰める。

でも、何度言っても何度お願いしても無理だと言う。


通じてないんかなと思って、宿のお姉さんにも確認。

でも、やっぱりコピーも無理だと言っている、と言う。



なんで・・・

これがないと話にならないのに・・・

保険会社の必要書類にもこれがいるって書いてあるのに・・・


どうしよう・・・

お手上げだ・・・


途方に暮れる私たち。

茫然。

なすすべもなく・・・


すると、若い警官が電話に出た後なにやら話し出す。

宿のお姉さんが叫んだ。


「あなたたちはラッキーよ!お金見つかったって!!」



え!?


今、なんておっしゃいました!?



お金見つかった!?


現金ですよ・・・


どういった経緯で見つかったのか、詳しいことは分からなかったが、

私たちが盗まれたアメリカドル計140ドルと、日本円2000円が見つかった、と。

そう、警官はおっしゃっている、と。


私たちは驚いた。

間違いなく、まぎれもなく、私たちが盗まれたお金そのものが見つかっていたからだ。

というのは、被害の経緯を書いたレポートに盗まれたお金の金額なども書いていたものの、

そのレポートはまだ私の手元に持っていたのだ。

つまりは、警察はお金を取り戻す時点では、私たちがいくら盗まれたのか、

アメリカドル140ドルと日本円2000円を取られたことを把握していなかったことになる。

ましてや、アメリカドル、日本円の通貨が混在しているなどは知るはずもなく。


警察は私たちがいくら盗まれたのか金額は知らなかった。

が、きちんと通貨と金額までぴったりと合ったものを手にして戻ってきたことになる。

これがどういうことを意味するのかお分かりだろうか。



警察がマッサージ屋に行き、直接「盗んだ金を返せ!」と言い、

マッサージ屋は正直に私たちから盗んだお金を全額ぴったりと返した、ということだ。



耳を疑った私たちだったが、警官の手には私たちのアメリカドル140ドルと日本円2000円が

ちゃんとあった。



すげ~!!

ベトナムの警察、すげ~・・・



まさか現金が戻ってくるなんて。

思いも寄らぬ結果に私は興奮気味だった。

お金戻ってきたって!

しかも、ちゃんと全額ぴったり間違いなく取り返してくるなんて、すっごいよな。

やった~!

ベトナムの警察ってすごいな、すごいよな!



しかし、たあは冷静だった。


「全額戻ってきてから喜ぼうぜ。」



そして、たあの言ったことが正しかった。

さあ、戻ってきた私たちのお金をもらって帰ろう!一件落着、ベトナムの警察、ありがとう!

ってな具合で帰ろうと思っていた私が間違っていた。


おじさんの警官が何やら話しだした。

宿のお姉さんが通訳してくれる。


『お金を取り戻した今回の捜査代として40ドル必要だ』と言っているの。」って。


捜査代・・・

40ドル・・・


そうきたか。

そもそも警察のお仕事に対してお金を払えということ自体がおかしいと思うのだが。

警察は私たちにお金を取り戻した捜査代として40ドル払えというのだ。


私たちはこの40ドルが払いたくなかった。

なぜなら、このお金はこの警官たちのポケットマネーになることが分かっていたからだ。

日本では考えられないことだと思うが、世界の国々ではこういうことがよくある。

例えば、国境を越える時に賄賂を要求されたりというのはよく聞く話だ。


私たちは考えた。


40ドルは払えない(払いたくない)。

なんで40ドルもこの警官に払わなくちゃ、いやあげなくちゃいけないのか・・・

でも、払わなければ私たちのお金は戻してもらえない。


しかし、「盗難・紛失届出証明書」がもらえないことが分かった今、40ドルを払うしか手段はないのだ。

「盗難・紛失届出証明書」がないということは、海外旅行保険から保険金はおりないのだから。


かなり悩んで、納得がいかないものの・・・

私たちは40ドルを払うことにした。


私たちの手元にはアメリカドル100ドルと日本円2000円が戻ってくることになった。

警察に取り返してもらわなければ、全額盗まれたまま戻ってこなかったことになるのだから

40ドル払っても戻ってきただけよかったのか・・・


なんともいえない、何か腑に落ちない気持ちで警察を去る。

後でお姉さんが私たちに言った。


「警察の前では言えなかったんだけど・・・こういうことはよくあることなの。

警察に何かしてもらったらお金を払うのがこの国では当たり前なの。みなもそのお金が警察官の

ポケットマネーになることは分かっているの。でもやっぱり払わなくてはいけないの。

ごめんなさいね。」


お姉さんは悪くないです!

でも、やっぱりそうなんだ、と思った。



今回の事件。


まず一番の失敗、一番の原因はお金を取られた私たちにある。

今までいろんな国を旅してきて、貴重品の扱いには慣れていた。いつもきちんとしていた。

そのおかげで1年と少しの旅の間、盗難や窃盗などの被害に遭ったことは一度たりともなかった。

それが当たり前だと思って気を付けてきたからだ。


しかし、このベトナムで、私たちは気がゆるんでいたかもしれない。

いや、明らかにベトナムの人のやさしさに心を許し過ぎていたのだろう。

今回もいつもはきちんと締めているバッグの鍵を閉め忘れていたし、不用心にも財布をポケットに

入れたままにしてしまっていた。

自分のものをきちんと管理できていなかったのだ。

ベトナム、ここは大丈夫だろう、と心の中にそんな気持ちがあったのかもしれない・・・


また、私たちが本当によかった、とほっとしたのは、盗まれたのが現金のみだったこと。

現金以外はすべて無事だった。

盗んだ側としては足がつくのが嫌だったのだろう、そして、現金も全額を取らず、少しだけ、

見た目分からないように抜き取り、何もなかったように、気がつかせないようにしていた。

不幸中の幸いだったのかもしれない。

もし被害が現金だけにとどまらず、

クレジットカードを盗まれていたら。

パスポートを盗まれていたら。

ていうか、デイパックごとなくなっていたら・・・


考えるだけで怖い(泣)

パスポートやクレジットカードがなくなったらお手上げだ。

これらがなくなったら私たちの旅を続けること自体が困難になってしまう。



そして、確かに警察。

警察の対応はすごかった。

盗まれた現金をぴったり探して全額取り返してきたのだから。

ここで終わっていれば、ベトナムの警察の権威力に脱帽だったのに・・・
賄賂の要求、しかも賄賂とは言わず、捜査料といって払わせようとした彼らの貪欲さにがっかりだった。

権威力と貪欲。



恐るべし、社会主義国家・・・



しかし、私たちのもとに舞い降りた女神さまがいた。


さすらいふうふの世界一周
この旅、ベトナムにて最初で最後の事件に巻き込まれたものの、

私たちはベトナムを嫌いになったりはしなかった。それは、彼女のおかげだ。


リーさん。

宿でお世話になり、警察から電話がかかってきて驚いただろうに、すぐに駆けつけてくれて

嫌な顔ひとつせず私たちを助けてくれた彼女。

彼女がいなかったら私たちは何もできなかった。彼女がいなかったらこの事件は解決せず、

盗まれたお金は戻ってこず、ベトナムで嫌な思い出を残したまま、この国を去ることになっていたと思う。

感謝してもしきれない。

りーさん、本当にありがとう!

心ばかりのお礼をして感謝してもしきれない気持ちいっぱいで宿を出た。



悪い人もいるけれど、素敵な人の方がたくさんいるのだ。

私たちの旅は素敵な人との出会いでいっぱいなのだ。



私たちの最初で最後のひとつの事件。

これもいい社会勉強になったな!

これからはまた気を引き締めて旅をしていこうな!とホーチミン行きのバスに乗り込んだのだった。


よかった・・・

ホーチミン行きのバス、夜出発の便にしといて。


<ゆか>



これも旅の思い出・・・ぽちっとなとよろしくお願いいたします!

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