Krushはニコニコ動画で「ニコクラ」という番組を持っている。
現在のキック団体は色々な工夫をしていて、KrushだけではなくREBELSや先日発足したばかりのBLADEもこういったインターネットTV放送で選手や大会の魅力を伝えようとしている。

覚えている人もいるかもしれないが、私はニコニコ動画で神が降りたときがある。
2011年のK-1MAX日本トーナメントだ。
あのときはコメント欄に出てきた謎のコメント「ほむほむ」に反応したことで、一気に視聴者の熱はヒートアップし、大会を大いに盛り上げた名城裕司、山本優弥、“ハミケツ”健太、“漫画家”森田崇文と並んで、私の解説も評判を得た。
ちなみに「ハミケツ」や「漫画家」と放送中に浸透させたのは、メイン解説だった谷川さんもそうだけど、私の功績も大きい。
「そんなニックネームいらねえよ」と思われていたなら、それまでなのだが……。

そこで、そんなニコニコ動画の楽しみの味を知った私が

「ニコニコ動画の番組に出たい」

と思うのは、至極当然の話なのである。
まだ英雄伝説の結果がわからないときに、私はKrushの宮田プロデューサーに直訴した。

「6月12日のKrushを観に行くので、その前日のニコクラに出演させてくだちい」

しばらくすると「8月の名古屋Krushに出て頂けるのなら」と返答があった。
私は、体調面の不安も手伝って、英雄伝説の結果次第では長期欠場も視野に入れていた。
私とメインを争うであろう野杁正明の怪我の状態も芳しくないことから、ここで佐藤嘉洋までも抜けたら名古屋Krushのカード編成は、相当難しいモノになるに違いない。

思考は現実化する

私はナポレオン・ヒルのこの言葉を信じ、

「よし、すでに自分がチャンピオンに認定されることを信じて、チャンピオンとして番組に出演するつもりでいよう」

そう思い、改めて出演を直訴したのであった。

そして最終章にもあるように、私は暫定王者として認定された。
ただし、「チャンピオンベルトは主催者預かり」ということだったので認定証のみの授与だった。
師匠の小森会長は、

「暫定王者だろうが、ベルトは欲しいよなあ」

と言っていた。
それは私も同じ気持ちだった。

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【中洲のキャバ嬢のことを自ら切り出した】

6月12日のKrushで、凱旋報告することが決まった。
同じくチャンピオンになった伊澤波人選手と共にリングに立てることが、私にとってとても嬉しい気持ちだった。
だが、私の肩にチャンピオンベルトはかけられないんだよな。

「私の交渉はまだ終わっていない。チャンピオンベルトを佐藤選手の元に届けなければならないと思っている」

王座認定のためにハードなネゴシエートをしてくれた岩熊さんは、先々週の祝勝会でそう言っていた。
6月11日のニコクラ放送の前に、私はお世話になった岩熊さんの道場に挨拶に行った。
未来のチャンピオンたちに激励の言葉をかけ、練習も見させてもらった。
帰り際に「ベルトの件の交渉も進んでいるので」と僕の膝に手を当てて岩熊さんが言った。
おお、ひょっとしたら自分の手元にチャンピオンベルトが届くかもしれない。
王座認定、というだけでもそりゃ嬉しいが、やはり現物のチャンピオンベルトが手元にあるというのは格別なものである。
それもシュー・イェンという強豪に勝利して(公式記録はドロー)の王座獲得だ。
ただ、まだ交渉中ということは、明日のKrushには間に合わなかったか、と少し残念な気持ちにもなった。

photo:02


【未来のチャンピオンたちに託したい。未来の明るいキック界を】

翌日、Krushの会場に足を運んだ。
後楽園の雰囲気はいつだって私を高揚させる。
もしこのブログを見ている人で、後楽園ホールに一度も来たことが無い人がいたら、死ぬまでに一度は満員の後楽園ホールを経験してほしいな。

オープニングファイトの合間に、岩熊さんが私を呼ぶ。

「王座認定証を渡します」

認定証は添付ファイルのデータでしか見ていなかったので、こうして直接渡されて実感が沸いた。

「それともう一つあって……」

とカバンから取り出して出て来たものは……

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【チャンピオンになればチャンピオンの風格が出る。山崎秀晃を見ればわかるはずだ】

全身の毛穴から鳥肌が立っていた。
まさか、今日の凱旋報告に間に合ったなんて。

「今日の昼過ぎに届いたんです。間に合って本当に良かった」

チャンピオンベルトを送ることは、すでに決定していたようだったが、この日に間に合うかどうかは不透明だったので、間に合ったときのためのサプライズとして、私には内緒にしてくれたらしい。

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【KrushリングサイドクラブからはiPadをもらった。英雄伝説の刻印入りだそうだ。やることがいちいちニクい】

万感の思いだった。

5月17日に試合してから1ヶ月弱。
色々な感情が私を駆け巡った。
そして、最後は満面の笑みで終わらせることができた。
本当に良かった。

チャンピオンベルトが手元に来た。
5月17日の試合が、自分の中で本当に完結した。

今までのタイトルマッチに勝ったときは、試合が終わった瞬間に自分の腰にチャンピオンベルトが巻かれた。
こんなに長い期間を戦ったのは初めてのことだ。

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【チャンピオンベルト授与翌朝。会長にも今日見せにいこう】

選手生活で一番長い戦いだった。

だからこそ、この英雄伝説72kg級の世界チャンピオンベルトは、今までのチャンピオンベルトよりも何故だかとても思い出深いものとなった。
それは、このブログで遠征記を読んでくれた君にも伝わったんじゃないかな。
選手としては終盤戦に差し掛かってきたところで、このような経験をできたことは貴重だと思う。
もう一絞りして、更なる高みへと目指していくとするよ。

中国での生放送では、約3億人が私の試合を観ていたそうだ。
ここは中国という地で男版『蒼井そら』となり、ビッグウェーブを起こす。
そして、そのままその波に乗って日本に帰ってくるわ。
そうなれば良いことの一つや二つは起きるでしょう。
会いたい人にも会えるんじゃないかな。

photo:04


【この遠征記で蒼井そらの画像を何度も使ううちに、どんどん蒼井そらを好きになってきたのも事実】

よし、来年は英雄伝説の試合で、『蒼井そら』と一緒に入場することを目標にして、また練習を頑張るとしようじゃないか。

2014年深セン遠征『英雄伝説』①

2014年深セン遠征『英雄伝説』⑬
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑭
2014年深セン遠征『英雄伝説』⑮
2014年深セン遠征『英雄伝説』最終章

明るく生こまい
佐藤嘉洋

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