★【佐藤久佳】エピソード3〜断固たる決意と覚悟を決めた2006年〜 | JSB 佐藤三兄弟のスイミングスクール オフィシャルブログ ~Embodies the Dream!~

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今回は大学2年生までの事を振り返っていこうと思います。

高校生までは専門種目が個人メドレーでしたが、3年生の夏のJOで100m自由形で日本高校記録を出すことができ、これから日本代表を狙う上で一番近いのは自由形ということで、大学生からは自由形に種目を転向し、
日本代表入りと日本学生選手権(インカレ)の王座奪還を目標に設定し、2005年に日本大学に進学をします。

4月の日本選手権で2位になることができ目標の一つであった日本代表に入ることができ、
世界で戦う選手の取り組み方、考え方を肌で感じることができたこと、
世界選手権では個人種目は予選敗退、リレー種目も予選要員としての出場だったのですが、メドレーリレーは日本が決勝で3位になり、予選を泳いだ僕も銅メダルをもらうことができ、この経験は水泳人生において大きな経験でした。

この初代表の経験と勢いをそのままに、インカレでは100m自由形で日本人初となる49秒台、チームの悲願だったインカレ王座奪還を成し遂げることができたのですが、
このインカレの結果は、チーム全体が一つの同じ目標に向かい、
「一人はみんなの為に、みんなは一人の為に」
という気持ちを持ち、先輩方が最高の雰囲気を作ってくれたことで出すことができた結果だと思います。

元々個人メドレーが専門種目だった僕は、当時よく言われていた50秒の壁というものを特に感じていなかったので、
49秒を出すことができたから次は48秒を出すと取材などでは言っていたことや、
気持ちのどこかで誰にも負けないだろうと思っていたりと、少し調子に乗っていました。

そんな1年生の冬、僕の誕生日の日に父親が急逝しました。

高校時代にたくさん迷惑をかけ、大学では結果を出して恩返しをしようと思っていた矢先の出来事で目の前が真っ暗になり、しばらくは何も考えることができず、水泳のことはどうでもよくなっていました。

チームはインカレ連覇に向かっていましたが、僕はチームと同じ目標に向かうことができませんでした。

そんな状況がしばらく続いていた僕ですが、同じチームで新キャプテンになっていた兄が、辛いはずなのにキャプテンとして任務を全うしている姿を見て、
「自分がチームの足を引っ張るわけにはいかない。」
と思い、練習を再開するようになりました。

この時は個人的な目標というよりは、とにかくチームとしての目標である「インカレ連覇」ということだけを考え練習をしていたので、
2年生の日本選手権では6位となり、日本代表になれず、50秒台で泳ぐことがやっとでしたが、インカレまでにはなんとかチームの力になれるように頑張ろうとすぐに気持ちを切り換えることができました。

迎えたインカレは、個人としては不安な気持ちしかなく苦しいレースばかりでしたが、チームの雰囲気に助けられ最低限の役割は果たすことができ、チームとしても連覇を達成することができ、2年生の夏が終わりました。

2年生(2006年)の夏が終わり、2008年の北京オリンピックを目指すにあたって、2007年(大学3年生)はしっかり結果を出さなくてはいけないと思っていた時、
恩師の先生に言われた一言は今でも忘れません。

「もう大丈夫だから、しっかり頑張りなさい」

2年生は決して良い結果だったとは言えなかったので、オリンピックを目指す上でその時の実力に不安な気持ちがあった僕に「大丈夫」という言葉をかけていただき、その言葉がとても嬉しく、この恩師の一言が僕の背中を強く押してくれました。

この言葉をきっかけに、
「絶対にオリンピックに出る。その為には2007年のうちに48秒台を必ず出す」
と、目標を決めることができました。

チームの雰囲気、恩師の一言が目標に対して強い覚悟を持つきっかけになったように、
改めて周りの人の支えの大きさに気付き、
「その人達に結果で恩返しをしたい」
そして、
「父親が亡くなって辛い思いをしている家族をオリンピックに連れて行きたい」
と強く思い、
どんなきつく苦しい練習も乗り越えようと覚悟を決めたのです。

人によっては自分の為に頑張る人もいます。
しかし、どんな人も必ず誰かに支えられ、誰かに応援されていることは間違いないと思うので、そこに気付くことができるかどうかが強い覚悟を持つことに繋がっていくのではないかと思います。

そして、いよいよオリンピックに向けて動き始めていきます。

続く




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