僕は予備校文化が好きです。
予備校講師という職業も、別に誇りはしないけど、ユニークで良い仕事だと思っています。
だからこそこの25年、僕なりの仕事をしてきました。
しかし今後(もうすでに?)予備校は急展開するでしょう。
一部の予備校講師が「対面授業で予備校の矜持を」と言っていた間に、その講師を雇っている大手予備校自体が「AI先生」と、世間に発表したのです(去年の年末ごろだったと思う)。
また、城南予備校は、中堅予備校のフットワークの軽さを活かしてか、かなり思い切った方向転換を発表しました。
この流れで、従来の予備校のシステムは崩壊していくでしょう。
僕の予想では、看板(予備校名)は残しつつ、
中を覗けば今までの授業はなくなり、ブース授業、個別指導、AIによる授業などになっていくのだと思います。
あと10年したら「予備校」という言葉の意味は変わるでしょう(もしくは認識されない)。
***
僕はたくさん本を書くことで
「予備校講師、締め切り守ってちゃんと原稿、書けるんですよ」
と出版社にアピールしたつもりです。
ビジネス雑誌でたくさんの取材を受けることで
「予備校講師ってこんなこと言えるんですよ」
と世間の大人にアピールしたつもりです。
予備校講師の「仕事の場」を微力ながら広げた自負があります。
しかし、変わらなかった。
たとえば映像授業が気に入らないなら、それより支持を集める授業をすればいい。
本が気に入らないなら、もっと広まる本を書けばいい。
そうしていれば、この業界は盛り上がったはず。予備校は方向転換しなかったはず。
僕は予備校講師の多くの英語の授業が気に入らなかった。
「『覚えよう』だけなら誰でも言えるじゃん」って、高校のときから思ってました。
だから今まで、そうじゃない授業をやってきました。
そして多くの英語の問題集も嫌いです。説明しないで覚えさせるだけ。
だから一番売れてる問題集の真横に並ぶ本を必死に書き続けてきました。
***
最近ツイッターでやたらと毒づいたのも、自分の中の膿を出したかったんです。
(英語の教え方への文句はたくさんあるので、たまにこのブログにだけ書くことにします。できるかな…)
そうすれば僕の中で、予備校講師という生き方との決別になります。
サプリは続けますし、今まで通り、たまには講演もセミナーもします。
(テレビは苦手なのでほとんど出る気はありません。まあオファーもたまにしかきませんけど)
こういったことに変わりはありませんが、
僕自身は、予備校文化にもはや魅力を感じなくなったので、
若い講師たちに何かしら教えていき、そしてときには競っていきたいと思います。
そして自分とも戦います。
まずは、数年間、口だけでないがしろにしていた「総合英文法書」を一昨日から書き始めました。
現在4ページ…
この本を書くペースは1日2ページ…
1ページ1時間かかるので、1日2時間かけて、たったの2ページしか進みません。
(問題集なら、解くプロセスはすぐに浮かんでそれを書いていけばいいので、問題を選んでしまえば書くこと自体は早い。が、文法の説明は白紙に絵を描くようなもので、すごく時間がかかる。これは100冊書いても慣れません)
フォレストとかの類書は700ページくらいが多い。
これと同じ量とすると、僕は必ず3割増しで書いてその後に削るので… 900ページ強は書くことに。
1日2ページだから450日かかる。
450日連続でやったとして、来年の夏に書き終わる。
編集に半年強として、発売は2022年春。
編集は出版社のことなので、僕の締め切りは来年の夏。
ということで、自分で締め切りを決めると… 2021年7月2日とします。これは僕の誕生日前日、ギリ45歳のうちに書くことにします。
自分と競う、プレッシャーをかけるために宣言すると…
2021年7月2日までに総合文法書を書きあげて出版社に提出できなかったときは、
英語講師を辞めます。
その後一切の英語に関する活動を停止します。
自分への禁じ手として、他の仕事をないがしろにして、この本に集中する、というのは絶対にやりません。
つまり今まで通り、他の本、連載、講演、取材、事務所運営、若手育成はやっていきます(もちろん増やす余裕はありませんので、今まで通り、たくさんの仕事をお断りしますが)。
そういう意味でも1日2時間×約450日はちょっとしんどいかも。
でもまあ、ここまで言ったのだから、がんばるしかないですね。
ちょっとドキドキしてきました。
楽しい。