私はリョウギ、エテーネの民だ。
先日ネルゲルとかいうネギのような頭のヤツに村を滅ぼされ魂だけになってしまった。が、どうやら私は選ばれし者だったらしく神様に輪廻転生のチャンスをもらった。
今はその新しい体を求めて彷徨っているわけだが、さて・・・
ふむ、これはなんと好都合だろう。
体の持ち主にはありがたく感謝をしてこの体をもらうとしよう。
・・・む、何かこの体は異様に小さく感じるな。子供のものだろうか。
く、とにかく日の光を浴びたい。まずは棺桶から出るとしよう。
何やら盛大に驚かれ一悶着あった後、おっさんがプクレットの村に運んでくれた。
今時死体が起き上がったくらいで驚き叫ぶとは情けない。
そこらじゅうで死体は蘇生魔法によって半ば強制的に蘇っているし、下手したら死体がそのまま歩いているようなご時勢である。
しかし私がこの体の元の持ち主とは違うということは隠しておいたほうがいいだろう。無用な混乱は好かない。
村の衆もどうやら私が一芝居うってしんだふりをしていただけだと勘違いしているようだし、ここはおっさんの勘違いだったということでピエロになってもらおう。
すまんなおっさん。
さて、乗り移った時から気になっていたが、どうやら私は毛玉に魂を入れてしまったらしい。世間一般ではプクリポと言うそうだ。
そして魂の移し変えは出来ないようだ、ファック。
そしてここはそのプクリポが集まった村、ボンッキュッボンのちゃんねえなどどこにもいない。ここが地獄か。
村長にも話を聞きに行ったが、どうにも格好がオカマっぽくて近づきたくない。
その服貴方が着るとブラしてるように見えるぞ。
人の振り見て我が振り直せ。改めて自分の格好を見てみるとどうにも酷い格好だ。これでは美人も寄ってこない。
防具屋を覗くも金が無い。
く、この世は貧者にはとことん厳しい。
金が無いなら奪えばいいじゃない。
どこかの偉い人はそう言ったそうだ、至言である。
幸い村の外には有象無象がうようよしている。
な、このモンスターのうんこのようなヤツと私が同格だと・・・!
エテーネ村格闘大会3位の私にいい度胸じゃないか、八つ裂きにしてくれるわ!
安らかに眠らせてもらえないとはやはりこの世は無常である。
まずは装備か・・・
ブログランキングに参加している。
皆のワンポチが明日への糧になる、頼むぞ。