阪神8000系タイプⅡ·Ⅲ リニューアル車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


80年代から大量増備が行われ今でも阪神本線の急行系種別の主力となっているのが8000系です。今回紹介するのは同じ8000系でも左側のリニューアル車です。


当時ロングシートばかりであった阪神車でしたが、直通特急を中心にクロスシート需要が高まってきていたため、中間4両(3本目からは2両)をセミクロスシート配置とし、座席のモケットやそのものを交換、塗装を変更するなど、2001年に登場した9300系と同等のレベルにまで近付けてあります。こちらも相変わらず「ジャビットカー」と呼ばれているわけですが・・。やはりリニューアル前の赤胴車塗装の方が似合ってますねぇ


先行試作車であるタイプⅠと編成を組む8523Fは、たった一週間しかなかった昭和64年に登場した車両となっています。ちょうど阪急の8001Fと同期ですが、あちらは平成元年のプレートに変わっちゃったんですよね。

タイプⅢの末期にリニューアルされた編成では方向幕がフルカラーLED化され、種別灯·尾灯が一体化したLED灯に変更されています。

それにしても、フルカラーLED化後も縁取りにゴムを使っているためアンバランスな印象が否めません。この工事を最後にタイプⅣのリニューアルへ移ったため、このスタイルのリニューアル車は少数派です。


まずはロングシート車の車内から。急行系車両を意識した暖色系の色使いとなっています。



中期車のドアです。リニューアル前に設置されていた大型のLED表示機は撤去され、新たに壁面内蔵型のものに更新されました。すっきりした分文字が小さくなって視認性が低下しているように思えます・・。


末期のリニューアルでは、なぜだかLED表示機が広告の上に移動しています。そうそう、後に両端にイエローラインが追加されていますね。

こちらは末期リニューアルの車端部です。非常通話装置がフリースペースに移動しています。

最前面です。こちらは大阪梅田方で、一般座席となっています。仕切り窓は比較的大きく取られており、前面展望も容易です。車掌台側は二段窓となっており、乗務員室側から開閉可能です。

こちらが元町方の最前面です。こちらは優先座席に指定されています。乗務員室立ち入り禁止の表示や禁煙の表示が懐かしいデザインをしており、昭和後期から平成初期の面影が残っています。

天井です。先行試作車のタイプⅠと比べると、冷房吹き出し口がラインフロー式となり、送風補助も連続調のラインデリアとなったことでかなりスッキリしましたね。照明はカバー付き、その外側に換気口があるのが特徴ですね。

窓です。一段下降窓で、日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプとなっています。この日除けの生地が、また中々渋い(笑)

座席です。バケットタイプのロングシートで、ドア間は8人掛けとなっています。袖仕切りはパイプ式で、一応横方向に渡すことで肘掛けとしても使えるようになっています。外側に膨らむような設計にして肘掛けとして使わない時の配慮も見られますが、本格的な肘掛けとしての機能性はタイプⅣを待つことになります。

車端部の5人掛けです。妻面は戸袋でない区画だと肘周りに余裕があり、肘を逃がすことが出来ます。それにしても、ここの窓にも押さえにゴムが使われています。劣化の面でメンテナンスに手を焼いてそうですね…。

中間に機器を持つ車端部では更に余裕が取られています。背ズリはそれなりにホールド感を持たせたものですが、座面がクッション性の無い底付き感がするもので、この点が残念といえば残念です。

最前面の3人掛けです。前面展望はこちらからどうぞ。

 

車椅子スペースとセットになった区画です。基本的には変更点はないですね。手すりが一本あるだけでその他の付帯設備はありません。


現在はベビーカーマークを追加してフリースペースとなっています。

そうそう、一部の妻窓は換気のために開閉可能となっており、窓の上にツマミが付いています。ああ、それにしても車内に張り出した消化器が邪魔に感じ出せばとことん邪魔(笑)

末期リニューアル車では握り棒が2本となり、非常通話装置が設置されています。



続いてクロスシート車です。こちらも基本的に9300系と同様のレイアウトになっています。


こちらはマイナーチェンジされた車両です。よーく見てみるとある部分が変わっています。


天井です。リニューアル当初は9300系よろしくドア間と車端部のロングシート部分以外は吊革が設置されていませんでした。


その後さすがに掴まる部分が少ないことに気付いたか、吊革が増設されています。ロングシート車と異なり、ドア間のクロスシート部分の吊革支持棒が車両の中央寄りに設置されています。広告がかかる部分はわざわざ指示棒を分断するというこだわりっぷりです。



座席です。9300系で採用された転換クロスシートをそのまま使用しています。よって評価も同様で、こちらもロングシートと同じく底付き感がするもの、身体を受け止めるというよりは突っ返すくらいの感想を持っています。ヘッドレストカバーはフルカバータイプのレザー調、9300系も以前はこのようなヘッドレストカバーでした。窓割りに関しては配置を変えていないため見事にバラバラです。全ての座席において満足な展望が確保されていません。


ドア横の固定クロスシートです。こちらもまんまですねぇ。9300系ではクロスシート導入のためにドアの幅を狭めていましたが、8000系ではそのような改造まではされていませんので窓までが遠くなっています。


さてマイナーチェンジ車へと参りましょう。変更点は肘掛です。阪神オリジナルのものからJRなどで幅広く使用されている肘掛になりました。上部には以前モケットが巻かれているものでしたが、現在はヘッドレストと同様のレザーがクッション付きで設置されています。


車端部もこの通り。固定クロスシートは転換する必要が無い分自然な形状で作られています。


こちらはヘッドレストカバーが223系などと同様の個別に分離したビニールタイプになった座席です。現在は全編成がこのタイプに交換されていますね。


固定クロスシートも同様です。

 

さて、ここからは38年ぶりの阪神タイガース日本一を記念して副標シリーズへとまいりましょう。18年ぶりのセントラルリーグ優勝を決めた翌日より、特別副票を全列車に掲示して運転をしておりました。

 

そしてこちらは「甲子園球場100周年記念号」です。ラッピングのデザインがかつての赤胴車を彷彿とさせるものとなっていますが、下部が緑なので緑胴車といったところでしょうか(笑) この日は貸切運用で偶然見かけました。

 

そしてシーズン終了からクライマックスシリーズまでの長期ブランクも何のその、ファイナルステージをストレートで制して同じ関西に本拠地を置くオリックスバファローズとの日本シリーズ開催が決定し、これまた特別副標が入れられておりました。

 

その阪神なんば線シリーズは第7戦にまでもつれ込む熱戦となりましたが、阪神タイガースが38年ぶりの日本一となり幕を閉じました。そして、翌日より特別副標が入れられました。

 

こちらは「甲子園球場100周年記念号」。カーブすると、車端部は無ラッピングであることが分かりますね。



こちらが末期リニューアル編成です。回送では折り畳まれることもあるのですが、今回は掲示のままでやってきました。

またその後、日本一を記念したラッピングを施した車両が登場しました。

こういったラッピング、鉄道会社ならでは、という感じがしますよね。38年ぶりの日本一、おめでとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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