市議会でのと質疑 原発事故から市民を守ることについて | 手塚たかひろ日誌

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9月24日 本会議で一般質問をしました。

質問と回答の要約を報告します。これから、数日にわたって項目別に報告します。



1 原発事故から市民を守ることについて

Q① IOC総会で、安倍首相「汚染水は完全にコントロールされている。」「原発事故による健康障害はこれまでもない。これからも心配ない」と言った。しかし、東京電力山下フェローは「今の状態はコントロール出来ていないと我々は考えている」と安倍首相発言を否定する見解を明かにした。安倍首相の発言を信じておられる方はほとんどいないと思う。

朝日新聞は、「福島第1原発では山側から海側に1日約1000トンの地下水が流れ込んでいる。このうち約400トンが原子炉建屋などに流れ込み汚染水になっている。残り600トンの地下水のうち300トンが建屋周辺の汚染土の影響で汚染水になり海に流れ出ている」との資源エネルギー庁の見解を報道した。タンクにためられた汚染水はすでに25メートルプールに800杯分ほどたまり、毎日400トンも増え続けている。タンクに汚染水をためることも限界に近づいている。原子力規制委員会は、汚染水を希釈して海に流すことを認めるようだが、福島県の漁民は反対している。

820日 福島県は県の健康調査で2011年度13人 2012年度30人の小児甲状腺癌が発見され、すでに19人が手術を受けたと発表した。福島県は原発事故の影響ではないと言っているが、通常の発症率を大きく超える甲状腺がんの発生。私は、原発事故との因果関係があると考えている。

福島ではいまだに15万人を超える方々が避難生活を余儀なくされている。そのうち約5万人が県外避難者。

避難された方々の生活や健康を守るための子ども被災者生活支援法を具体化することは緊急の課題。

6月議会で子ども被者支援法について「政府が定めることとしている被災者生活支援等の施策の推進に関する基本的な方針を早期に策定し、同法に基づく支援を行うことは必要であると考えており、府市長会等を通じて働きかけていくことを検討してまいります」とのご答弁をいただいた。検討の進捗情況を問う。

A 基本方針の策定に向けて、国への働きかけについて検討したが、府市長会の要望事項のとりまとめ時期の関係で、働きかけはしていない。すでに、復興庁は830日に基本方針案を示し、現在パブリックコメントを募集している。子ども被災者支援法に関しては、国・府の今後の動向を注視する。

Q② 6月議会から3か月たった。府市長会への働きかけをしていないことは、残念。基本案は支援対象地域を33市町村に限定した不十分なもの。現在、枚方市に福島から避難されている世帯は何世帯か。また、そのうち支援対象地域から避難されている方は何世帯か。

A 本市に避難されている避難者は、920日現在で30世帯83人。この内、基本方針案に示されている支援対象地域から非難されている方は、9世帯27人。

Q③ 市が把握しているだけで、支援地域から9世帯27人 それ以外に自主避難者の方も。福島の子どもたち43人の小児甲状腺がんの発症が報告された。福島に限らず、関東地方のホットスポットから避難されてきた方など、放射線被曝による子どもへの健康や自らの健康に不安をお持ちの方がおられる。国の施策は自主避難者への支援はほとんどない。被曝による健康に不安をお持ちの自主避難者も含めて避難者への健康診断を国に先行して枚方市で行ってほしい、見解は。

A 国は、被災者生活支援法に基づく基本方針の策定に向けて、パブリックコメントの実施等をしている。その内容は、避難せずに生活を続ける方への支援をはじめ、自主避難された方や避難先から帰還する方への支援等、基本方針の策定に先立ち行われてきた施策に加え、福島県外への避難者への対応も含め、新規・拡充施策も盛り込まれるものとなっている。この施策の詳細については、基本方針に沿って、別途公表されることとなっており、放射線による健康不安を感じている自主避難者も含めた支援のあり方は、国の動向を注視する。

Q④ 国の動向を注視するだけでなく、市民生活に密着した本市として国に先行した施策を実施する姿勢こそ必要だ。

子ども被災者支援法は、「人々が支援対象地域に居住し続ける場合も、他の地域に移動した場合にも、被災者自身の選択する権利を保障し、支援の対象とすること。また、支援対象地域も狭く限定しないこと」「子どもの健康への影響の未然防止や放射線の影響を調査する健康診断に必要性、被爆による疾病の医療費の減免など」を規定している。

830日に出された基本方針案は、支援対象地域を被曝料で決めるのでなく、福島県内の33市町村と狭い範囲にとどめている。また、避難に関する新しい施策はほとんどなく、放射線被曝の影響に関する血液検査なども検討されていない。法律の精神とかけ離れたものだ。

法律にのっとった基本方針の策定を行うよう枚方市として国へ要望を。

A 基本方針案は、支援対象地域と準支援対象地域都の区分や根拠や、汚染重点調査地域が網羅されていないことなどの理由について、説明が十分でない部分はあるが、法律の精神とかけ離れたものではないと考える。今後の動向を注視する。

Q⑤ 基本方針は、法の精神とかけ離れたものだと思う。

915日大飯原発4号機が止まり、現在、日本では1基の原発も動いていない。福島事故は、汚染水の問題が深刻になり、海に漏れ出ていることは明らかだ。事故は、けして収束していない。事故の原因も解明されていない。泉田新潟県知事は「事故の原因が明らかになっていないのに再稼動などもってのほかだ」と柏崎刈羽原発再稼動に反対の声を上げている。 

1988年アメリカのニューヨーク州ショアハム原発は150キロ離れた市民の避難計画を作れないとしてニューヨーク州政府が協力を拒否して本格稼働前に閉鎖された。ニューハンプシャー州で完成したシーブルック原発は、隣接するマサチューセッツ州当局と数自治体が避難計画の策定への協力を拒否したため、運転が認可されず廃炉となった。アメリカでは、避難計画が確立していることが原発稼働の条件となっている。

原発事故は絶対に起こらないとの神話が崩れた以上、事故はある。その時に備えて、住民の避難計画が策定されていなければならない。大飯原発・高浜原発の30キロ圏の避難計画も十分に策定されていない。枚方市は、避難計画の策定はもとより、琵琶湖が事故で汚染されたらどうするのかの方針も出されてない。住民の命と生活に責任を持つ枚方市長として、大飯原発、高浜原発の再稼働は認めるべきでないとの声を上げていただきたい。市長の見解を伺う。

A 原子力防災対策は、国の防災基本計画、及び、原子力災害対策指針で、地域防災計画原子力対策編を策定すべき地域を定めており、本市は含まれていない。災害が発生した場合には、国の防災基本計画や府の地域防災計画に基づき、国や府、警察や消防等と連携協力して、避難や屋内退避の指示、救命救護活動などの対応を行う。又、再稼働については、原子力規制委員会が安全性を確認し、国の責任において判断されるもの。

Q⑥ 市長のご見解は大変残念。国や原子力規制委員会任せにするのではなく、市民の命と健康を守る責任を持つ立場から、政治家市長として、見解を再検討されることを要望する。