"紗代"が撃ち上げた火の華片は、"御狐神"の右脇腹、肝臓、副臓、腎臓を捻り貫いた。
"御狐神"は声に出そうにも出せずに呻き、パンクしたタイヤから空気を漏らすように口から多量の息と血を吐き出しだ。彼はうずくまり、声じゃない声を出しながら、喘ぎ始めた。
そんな"御狐神"を他所に、"紗代"は"雄獸"にもトカレフを向けて撃ち始めた。
弾倉に余っている弾丸を全部撃ち尽くすまで、撃ち続けた。
6発ぐらい撃っただろうか。"雄獸"の頭部に3発、背面上部に1発、両肩それぞれに1発ずつ撃ち貫いていた。
"雄獸"は頭からは多量の血を流していたが、背面と両肩からの流れ出る血は少なかった。
おそらく、頭を撃ち抜かれ当たる瞬間までは生きていたのだが、その後に背面と両肩を撃ち抜かれた時には生命活動を停止していた為だと思われる。
"紗代"は数歩、歩き始めた。"雄獸"が脱ぎ捨てた本革のトレンチコートの前まで来て、力が抜ける様にしゃがみ落ち、アヒル座りで座り込んだ。
そのコートの左胸の内側ポケットに2つ弾倉があった。彼女はそのうちの1つを取り出し、トカレフから空になった弾倉と取り換えて装填する。
彼女は、そのトカレフを口の中に入れ、男性のソレを優しく艶やかに舐める様に咥えた。
"紗代"のその表情は恍惚している。そして、彼女はソレの引き金を引いた。
何かが内部から破裂する様な音と共に、彼女は仰向けに倒れ込んだ。足は扇情を掻き立てる様に内股になっており、両腕は力が抜けてハの字を描く様に開いていた。
一見すると、彼女の姿勢は異性を掻き立て、襲いたくなるものだ。
だか、彼女の顔は、柔らかく甘い唇が、愛らしい小さく均一に整えられた歯が、細く繊細で綺麗な顎が、何も混じっていない純白な白い頬はトカレフにより吹き飛び醜く砕けてしまった。
その虚ろで何も見えなく、涙を流している瞳は、部屋の薄暗い天井を見つめていた。
意識が薄れゆく"御狐神"は朧気ながら、そんな"紗代"を視てしまっていた。
彼女に手を伸ばそうとも伸びず、身体は心・人格と切り離されて動けずにいる。
声無き声で、彼女の名を彼は叫んだ。
その声は、彼女には届かない。
彼は、残った力で泣いた。
涙で、彼の瞳に映る景色が霞んでいく。
それと同時に、心地良い深淵の暗闇へと"御狐神"の意識は誘われ、連れていかれた。
"御狐神"「コレが、僕の覚えている想い出の1つであります。」
~雑記~
ここまで来るのに、相当時間が掛かってしまいました。
更新が遅すぎだ…
後少しです。
仕事の関係でキックの練習時間が短くなったり、首、肩、背中の左側が張っていたりとしています。
今日、キック練習(ライトスパー等)をしてきた後、整骨院で鍼治療を受けましたが、かなり効きました。
今日は安静にします。
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(アッキー)