ブログでは様々なコトワザを引用させて頂いています。
というのも私がコトワザが大好きだからです。
言葉には力が、コトワザには人類の知恵や教訓が詰まっています。
コトワザを漢字に直すと「諺」と書きますが語源は「言業」だと言われています。
まさに言葉を使ったスキルになるわけです。
■愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
初代ドイツ宰相のビスマルク氏の言葉になります。
よく勘違いされているのですが、決して自分で試すことが愚者のする事という意味ではありませんのでご注意を。
この経験とは失敗のことを指します。
面白いのですが「成功」するには絶対の法則が基本ありません。
私が学生時代に教授が「絶対に成功するビジネスがあるのなら1億円出してもいい」とおっしゃっていたのが思い出されます。
成功するには様々な要素があり
時代が合わなかったり、環境が違ったり、能力が足りなかったり、人の価値観に相違があったりetc...
それらが合致しないと大きな成功を手に入れることは出来ません。
例えば今流行っていますポケモンGOですが以前にも、実際に街中を歩いて遊ぶ位置情報系のゲームは存在していました。
ですがそれが今のように流行らずポケモンGOが流行ったのは
・ポケモンブランドがあった
・室内で完結するネット社会に飽きていた層がいた
・健康ブームが来ていた
・データ情報が認知され始め、人の持つコレクション欲求を刺激したなどなど
様々な要因が絡みあい、今回爆発的なヒットを記録しました。
ですが、時代が違えば泣かず飛ばずで終わっていた可能性も十分にあるでしょう。
つまり成功する時は全てが合致した時ではないと中々上手くいきません。
では反対に「失敗」はと言えば基本共通しています。
オリンピックに出るのに練習をサボっていたら到底金メダルは取れませんが、ガムシャラに練習したからと言ってメダルが取れるわけではありません。
練習をサボると結果が出せないということは言うまでもありません。
賢者は「サボれば結果が出ない」ということを教訓から学び
愚者は実際にサボってみて痛い目を見ないと分からないということがビスマルク氏の言葉になります。
■コトワザは教訓の宝庫
今私たちがコトワザを後世に残そうと思っても出来ることではありません。
何故かといえば長い時をかけて、多くの人の失敗や教訓を基にした統計になるからです。
例えば以前記事にした【人は見掛けによらない】そうです。
人は見掛けで判断してしまうため、それによる失敗を多くの方がしてきたからこそ言われ続けています。
もし、皆がみんな見掛けで判断しないのでしたら誰もこのコトワザを使わなくなりますよね?
それが今でも言われ続けているのは人間の本質が変わっていないことが伺えます。
ここでビスマルク氏の言葉に戻りますが愚者は散々「人は見掛けによらない」と言われ続けているのにまずは「見掛け」で判断してしまいます。
愚者と言っては失礼かもしれませんが詐欺師に騙された人が
「良い人そうだったのに信じられない」とコメントをしていると、さすがに苦笑いしてしまいます(詐欺師が悪そうな人に見えたらそれは詐欺師では無いですよね笑)
そして賢者は過去に失敗している人が多いのなら「見掛けで判断するのは危険」だと学ぶわけです。
■科学的にも立証されるコトワザ
「笑う門には福来る」というコトワザは誰もが耳にしたことがあるかと思います。
確かに笑っていたら福が来るんだろうなぁ位にしか思っていませんか?
実際に来るんです。それも科学的に立証出来るレベルで。
まず心理学の「感情の波及」というものがあります。
これは簡単に説明すると人の感情は周りにも伝染しやすいというものになります。
職場でいつも愚痴しか言わない人がいると、なんかドンヨリとした職場環境になりますよね。
反対にいるだけでパッと雰囲気を明るくすることが出来る人もいます。
このように感情は周りに波及するという理論になります。
それとは別に医学の「NK細胞」はご存じでしょうか?
正式名称はナチュラル・キラー(natural killer)細胞といって、その頭文字をとって「NK細胞」と呼ばれています。
物騒な名前ですがそんなことはなく全身をパトロールしながら、がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ次第攻撃するリンパ球になります。
誰の身体にも備わっている自然免疫に重要な役割を担う細胞になりますが、その機能が落ちることがあります。
それは「笑わない」ことです。
実は笑うことによってNK細胞は活性化され、逆に不機嫌な顔をしていると活動力が落ちてしまいます。
「でも面白いこともないし笑えない」
そのような気持ちも分かります。
ですが、この考え方がビスマルク氏が言っている「愚者」の考え方になります。
お金も労力もかからないのに「笑ったら良い事がある」と分かっているのに笑わない。
何となく「愚者」のイメージが掴めてきたのではないでしょうか。
■面白くなくても笑う
私たちは生まれてから何千何万回と面白いことがあると笑ってきました。
それにより脳は「面白いことがあったら笑う」と反射神経を構築します。
反射ですのでこれは逆でも作用するのです。
「笑うということは面白い」
そのようなメカニズムを利用すれば、面白くなくても笑顔を作れば脳は「面白い」と判断してNK細胞は活性化されます。
実際に海外の実験で
・笑いながらコメディ映画を見るグループ
・不機嫌な顔をしながらコメディ映画を見るグループ
この二つのグループに映画の感想を聞くと圧倒的に笑いながらのグループの方が面白かったと答えたそうです。
興味深いのは不機嫌な顔のグループは面白くなかったと答える率が多かったことです。
それもそのはず不機嫌な顔をしていると脳は反射で「ストレス」を感じてしまうのです。
端的に言えば、笑えば健康になり笑わないと病気になります。
■笑わないと周りも不幸にする
話を戻しますが感情は周りに伝染すると言いました。
ですが、私たちは長年の経験から表情からでも感情を作り出すことが出来るようになりました。
笑う人たちに囲まれていたら、それだけでそのコミュニティは健康になり
不機嫌な顔やネガティブな人たちに囲まれていたら、そのコミュニティは病気になりやすい環境にあると言えます。
加えて笑えば脳が錯覚を起こしますので本当に楽しい気持ちに切り替わります。
つまり「幸福感」が上がるわけです。
そして、それは周りにも波及して全体の幸福感を底上げします。
笑うだけで健康になり、幸福感も増し、お金もかからず、労力もない。
そして皆が幸せになる。
それでも笑わない人は当然のようにいます。
ここまでお話するとビスマルク氏の言葉がよく理解出来るかと思います。
この話は心理学と最新の医療研究を元にしています。
ですが、そんな知識が無い時代から「笑い」に関するメリットが考えられていたと思うと頭が下がる思いです。
それだけ笑うことにより幸せになる人と、笑わないことにより不幸になった方達の総数の多さから成り立ったコトワザになります。
■コトワザは人生の教科書
普段何気なく使われているコトワザですが、数多くの統計から磨きに磨かれた言葉の宝石になります。
極端な話、人生に迷った時はコトワザを信じて動けばまず間違いありません。
なまじっかな考えや運に頼るよりは信頼性はピカイチです。
これからも、もっと多くの言葉の持つ力を紹介していきたいと思います。