最初にドジョウを捕まえて水槽で観察飼育し始めたのが、2008年の11月でした。
初代ドジョウは、翌年の夏までの約10ヵ月間生態観察しながらの飼育でしたが、新たに用水路で捕獲したドジョウを同居させた頃から尾ぐされ病に罹ってしまい、全滅してしまいました。
それから1年半ほど経ち、2011年5月にまた5匹のドジョウを捕獲して観察飼育を再開して以降は、さらに3匹の新入りドジョウや数匹のオイカワ,カワムツ(ヌマムツ),モツゴ(タモロコ),フナなどを迎えて賑やかな水槽環境となりました。
そんな賑やかな水槽に最後に仲間入りしたのは、2015年4月に姪っ子が小学校の監察池の排水溝で捕獲した体長約5cmの当歳ドジョウでした。
その姪っ子に「ドジョウ飼って」と頼まれたので、「じゃあ名前付けて」と言うことで姪っ子が命名したのが「どじお」です。
命名の理由を聞くと、「観察池から流されてしまってドジだから」と。
なるほど、ちょっとドジ踏んだ子ドジョウの、「どじお」という訳か。
他のドジョウたちはすでに推定3歳~7歳くらいですから、子ドジョウにしてみれば取り敢えず先輩たちのやることを見て学んで真似しておけば生きていけるくらいの水槽生活だったのでしょう。
いつも行動を共にしていたのは、一番年の近いお兄さんドジョウの「おちび」でした。
その「おちび」は、水槽内のドジョウの中でも性格が大人しく、普段は物陰や床砂に潜っている「白ドッさん」と仲が良いみたいで、「白ドッさん」+「おちび」+「どじお」が3匹連隊で行動しているのを良く見かけました。
一方、「おちび」の同い年ドジョウに「小僧」も居ましたが、「小僧」は活発に動き回るドジョウで、特に食欲旺盛で人懐っこく水槽のドジョウ界のリーダー的存在だった「ドラゴンドッさん」にべったり付いている感じでした。
その後、年長のドジョウたちやオイカワやカワムツも寿命を迎えて水槽から居なくなり、昨年にはとうとうフナと「どじお」だけになりました。
ドジョウは本来水底でエサを探したり隠れる場所を探して物陰や床砂の中に潜ったりするものですが、水槽内の同居魚が減ったせいかどうか、この頃から「どじお」は水面まで浮上して浮遊性のエサも普通に食べることができ、夏の夜中には水面付近を行ったり来たりかなり活発に泳いだりもしていました。
そんな「どじお」ですが、昨年の晩秋頃にフナが点に召されて以降は水槽で独りぼっちの生活となりました。
そのまま「どじお」は冬眠に入るのかな?と思っていたのですが、暖冬だったこともあり1月になっても冬眠の気配はなく。
2月になってもやはり冬眠せず・・・
実は、先輩ドジョウたちのうち、「ドラゴンドッさん」と「黒ドッさん」は春先に寿命を迎える直前に冬眠することがなかったので、もしかして「どじお」も寿命が近いのかも・・・と心配していたのです。
その不安が的中してしまいました。
5月の中頃から、「どじお」に異変が見られました。
最初の異変は、「潜れなくなった」ことです。
どうやらお腹の中にガスが溜まっているようで、潜っても潜っても身体がふわ~っと浮いてきます。
始めのうちは、「どじお」自身も困った様子ではなく、水槽内の水草に模した装飾品のてっぺんにお腹を引っかけて、水の流れに身体を委ねてフワゆら~っとたたずんでいるようでした。
ところが、6月に入ると体表の数カ所に尾ぐされ病の菌が付いて、増殖し始めます。
水槽の水はGW中に入れ替えていたので、飼い主としては尾ぐされ病の菌がどこから侵入したのかが不明ですし不安を感じます。
そしてとうとう昨日の朝、6/9に「どじお」は5年の魚生を終えてしまいました。
恐らくドジョウの平均的寿命は6~10歳くらいではと思います。
その平均寿命よりも早くに天に召されてしまったことは、飼い主としては悔いが残ります。
これから先、川魚を飼育することはあるのだろうか?恐らく無いと思います。
これまでの約11年半で、ドジョウやオイカワ,カワムツ,モロコ,フナたちにはたくさんの経験をさせてもらいました。
でもまたいつか、もしかしたら魚を飼育することがあるかも知れません。
そのときは、今回よりもっと少し魚たちにとって楽しい水槽生活を送ってもらえるようにしないといけませんね。
さようなら。ドジョウたち。オイカワたち、カワムツたち、モツゴちゃん、フナ君。
貴重な経験をさせてくれて、ありがとう。
誰も居ない水槽・・・
朝の日課で、ふと水槽の前にしゃがみ込んでしまうのでした。