イソヒヨドリ(父)と出会ってからの一年 | 変人0号のブログ

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勤務先の工場に、イソヒヨドリが住んでいます。

 

イソヒヨドリというだけに、本来は海岸部の磯の切り立ったところに生息していた鳥だそうです。

 

が、近年は内陸部にある高層建物でも、近くに河川や湖沼があれば住み着くようになったそうです。

私の勤務先工場は山間部に立地しますが、近くに一級河川があり昆虫や水棲生物は豊富に居ますから、イソヒヨドリが生息する条件は満たしていますね。

 

その、イソヒヨドリ。

雄は首回りにオレンジ色の羽毛と、頭から背中にかけてはきれいなコバルトブルーの羽毛を持つ美しい野鳥です。

一方で雌は茶色系の羽毛で派手さはありませんが、雄と共にせっせと子育てする姿は「強い母鳥」の印象です。

大きさはスズメより2倍~2.5倍の大きさで、ハトよりは半分くらいの小ささです。

 

そんなイソヒヨドリの存在を知ったのは、実は去年の5月のことでした。

土曜日に休日出勤したところ、更衣室の向かいの会議室から鳥の「悲鳴」が聞こえてきました。

 

若い頃、ずっと手乗り文鳥を飼っていたので、何となく鳥の声で何を言ってるのか分かります。

「助けて~」みたいな悲鳴です。

 

会議室に入ってみると、茶色い羽毛の、スズメより少し大きな鳥がジタバタしています。

どうやら、まだ巣立って間もない雛鳥のよう。

スズメでもない、ツバメでもない、ハトでもない、何ていう鳥だろう?

 

しばらく追いかけ回したところで、雛鳥の捕獲に成功。

両手で優しく包み込むと、雛鳥も大人しくなりました。

で、会議室から屋外に出て、広く開けたところで放してやりました。

すると、どこかから親鳥と思われるコバルトブルーの羽毛の鳥がやってきて、しばらく私に威嚇?してきました。

「ケッケッケッケッ!」

 

私の近くの軒先まで降りてきて、大きな声で叫んできます。

でもよく見ると、翼は脇のところで閉じられており、威嚇でなない様子。

鳥が威嚇するときは、大抵脇のところで翼を少し開いて体を大きく見せていますが、この親鳥は脇を閉じています。

威嚇ではないが、警戒はしているな。

 

親鳥の後方、安全な高い場所には、先程「救助」した雛鳥の姿がチラチラ見えます。

 

子どもを守る親の姿。

鳥も人間も、子どもを守るためには同じ行動を取るのだな~と感心しました。

 

その日は仕事の途中に何度も先の親鳥が私の近くに現れましたが、木の実と思われるものを咥えてきて私の目の前に落としてみたり、母鳥や雛鳥も従えて現れたり。

もしかして、お礼を言いに来ているのかな???

と思っていました。

 

で、その鳥が何て言う鳥なのか知りたくてネットで調べたところ、「イソヒヨドリ」と判明したのです。

 

その後一ヵ月半ほど経ってからは、大きくなった雛鳥を従えたイソヒヨドリ(父)が私の近くまで降りてきて、「ケッケッケッケッ!」と鳴いたこともあります。

その時はもしかしたら「雛鳥もこんなに大きく成長したよ~」って報告に来てたのでしょうか。

 

そして今年の5月。

出勤して更衣室から外に出てきたところで、イソヒヨドリ(父)が私を見つけるなり屋根の高いところから徐々に低い軒に降りてきて、「ケッケッケッケッ!」と大きな声で鳴き続けました。

もちろん、翼は閉じた状態です。

威嚇ではなく、警戒でもなく、何かを訴えかけている感じです。

さらに、私が事務所へ向かって歩く方へ先回りし続けながら、「ケッケッケッケッ!」と鳴き続けています。

 

 

そして事務所に入るところで、イソヒヨドリ(父)の「ケッケッケッケッ!」に続いて「ピーピーピー」と雛鳥の鳴き声も聞こえてきました。

 

 

もしかして、また雛鳥が工場のどこかに迷い込んでしまったの???

それで、「雛鳥を探してくれ~」って頼みにきたの???

まさかね・・・

 

しばらく様子を見ていましたが、いつの間にかイソヒヨドリ(父)の口元には大きな虫(クモ?)が咥えられています。

 

 

ここでようやく状況がつかめました!

 

イソヒヨドリ(父)は、今年生まれた雛鳥の巣立ちタイミングが来たので、それを知らせるために「ケッケッケッケッ!」と鳴いていたのか!!!

で、雛鳥を巣からおびき出すために褒美の食べ物(虫)を用意して雛鳥を呼んでいたのかな。

 

残念ながら雛鳥の姿を見ないうちに始業のサイレンが鳴り仕事を開始したのでしたが、ミーティング出席のために事務所を出たところで巣立った雛とイソヒヨドリ(父)が揃ったところを見ることはできました。

 

昨年、会議室に迷い込んで「助けて~!」と叫んでいた雛鳥よりも一回り大きな雛鳥です。

もしかしたら、昨年の反省を踏まえて雛鳥の巣立ちを少し遅らせたのかも知れませんね、イソヒヨドリ(父)さん。

 

ネットで調べたところでは、雛が巣立つと昆虫や小魚、エビやカニなどの水棲生物の捕獲方法を親鳥が雛鳥に教えて訓練するそうです。

そうして、一人前になったら雛鳥は親離れして暮らすようになるとか。

もしかしたら、一ヶ月後くらいにまた親子で現れて、「ケッケッケッケッ!」って鳴くのでしょうか?

イソヒヨドリ一家がまた近くに現れてくれる日が、今から楽しみです。