経済政策で支えられてきた安倍政権も、いよいよ経済で行き詰まるのではないか。
株価をあげて一部の企業と投資家の景気が良くなればやがて果実がしたたり落ちて庶民にも行きわたるというのがアベノミクスの一応の理屈だが、一向に果実は落ちてこない。
それもそのはず。日銀が銀行の国債を買い上げることで市中にお金を回そうとしても、銀行から先の融資先が見つからずブーメランのように日銀の当座預金にお金が戻ってしまい、市中にお金が回っていかないという。この記事にも「当座預金残高は異次元緩和前(13年3月)の約58兆円から約260兆円に増えた」とある。日銀と銀行の間をお金がグルグル回っているだけなのだ。
第三の矢の規制改革、成長戦略によって市中にお金のまわる先ができるはずだったのだろうから、明らかに第三の矢の失敗だ。そもそも憲法改正と教育改革にしか興味がなく、既得権と戦う気などない安倍さんの第三の矢などまっすぐ飛ぶべくもなかった。結果、カンフル剤も効かなくなり、なりふり構わない最後の劇薬の投入に至ったわけだ。
いま野党が再編、結集してきっちり処方箋を示せば勝てないわけはないのだが。