大西発言とれいわ新選組の対応について | 府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

初めて議員になった時、びっくりしたことが3つ
一つは、議会なのに議員同士の議論がないこと
一つは、議会自らが条例をつくらないこと
一つは、審議の前に予算への賛否を聞かれたこと
二元代表制の地方議会では是々非々が筋
だから僕は「ハッキリYes! ハッキリNo!」

7月16日のれいわ新選組の総会後の山本太郎代表の記者会見、
https://youtu.be/e94gkQqnpXA
翌日の大西つねきさんの記者会見
https://youtu.be/VkNEOUsekBI
の動画を見ました。


両方ともじっくり見て、双方の主張はよくわかりました。これを見た人たち、特にれいわの支持者には一方的に大西さんを叩いている人が多いようです。


率直に言って、大西さん自身が言っているように言葉が足りなかったこと、そのことで傷つけた人がいるので、足りなかったではすまない、反省、謝罪が必要だと思います。


しかし一方で、れいわが結論づけたように、大西さんが優生思想だとか差別主義者と決めつけるのは思い込みだろうと思いました。


さらに「レクを受けさせる」などというのは、自分たちが絶対に正しい、お前は間違っているという、それこそ奢りのあらわれだと思います。どんな相手だろうと相手の意見の真意を理解しようとし、意見が違っても尊重するというのが民主主義の基本であると思います。


高齢者医療に一番お金がかかるのは終末期です。そこには延命治療も含まれます。最近では延命治療を自ら拒否する方も増えていると思います。しかし一日でも長く生きていたいという方もいるでしょう。本人がそう思わなくても、あるいは意識がなくなってしまっていたら、家族が延命を希望する場合もあるでしょう。そうした際に高額の治療費がかかりますが、その多くは公的保険で支払われます。


昨年、私は母を亡くしましたが、母は延命治療を望みませんでした。私たち家族も母の意志を尊重しました。母の意志が明確だったから私たちも決断ができました。


延命をしますかと医者に問われ、しませんと答えるということは命を断つのに等しいわけです。意志を持って延命しませんと答える家族もいれば、強い意志を持って延命を希望する家族もあるでしょう。しかし決断する勇気を持てないままでも、今の日本の医療制度に委ねておくことが可能です。


これは勿論よいことです。日本人はとても恵まれています。日本が豊かだからできることです。しかしいつまでこれを続けられるでしょうか。高齢社会はますます進行し医療費は増え続けます。ほかにしわ寄せがいかなければいくらでも続けられるでしょう。しかし現実には、しわ寄せが既に始まっているのではないでしょうか。今を生きる人たちの生活は削られていませんか? 未来の子供たちへの投資は充分ですか?


私の母も延命すればあと何日か何週間かは生きられたでしょう。しかしその分今を生きる人たちへの負担が増えるかもしれません。私は差別主義者でしょうか。「命の選別」をしたことになるのでしょうか。


山本代表は、高齢者に順位をつければ、次は障害者だろうと言います。しかし多くの人は高齢者になりますし、すべての人に寿命があります。障害のある人もない人も、みな等しく終末を迎えます。すべての障害者は社会が支えるべきだし、それは可能だと思います。しかし、終末期を迎えたすべての人のすべてを、社会が支えることが可能なのか、考える必要があるだろうと思います。


今の日本では、私の子供たちの未来に不安を感じざるを得ません。それはアベ総理や自民党のせいだけではなく、山本代表や大西発言を一方的に叩く人たちの今回の発言からも感じられるものです。


山本代表は今の日本では貴重な人材です。今回の一連の発言や決断も、悩み抜いた上でのことでしょう。それでも私のように不安を感じる人間もいるし、その発言で傷ついた人もいたかもしれません。これを機会にさらに大きくなっていただけるだろうと思っています。