君は欽ちゃんとタモリの対談を聴いたか? | 高木圭介のマニア道

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~浮世のひまつぶし~

 これだからラジオ番組はあなどれない。何の宣伝も前触れもなく、好きな人にとってはお金を払ってでも聴きたいほど興味深い対談や、特集番組をサラリと放送してしまうからだ。情報が洪水化する現代社会において、最古の電波メディアであるラジオこそが逆に要注意なのだ。

 もう、かなり前になってしまうが10月27日(月曜)の深夜というか早朝4時5分からNHKのラジオ第1(FMでも放送)のラジオ深夜便の中で、萩本欽一とタモリの対談番組が放送されていたのをご存知だろうか? ともにお笑い界の重鎮であり、そもそも顔合わせ自体が珍しい。民放のテレビ番組だったなら「新旧バラエティ王の○○」などなど、あれこれと宣伝文句をつけては、それなりの番宣はしていたはずだ。演芸史的に見ても欽ちゃんとタモリの対談番組は貴重だし、録音→永久保存は必至だ。


 この対談はラジオ深夜便の毎月最終月曜枠で放送される「萩本欽一の人間塾」として放送されたのだが、ただでさえラジオ番組欄の枠が小さく、ラジオ深夜便の枠内に、この貴重な対談が紹介されることはなかった…。

 インターネット等で各ラジオ局のHPなどを調べれば、分かることではあるが、やっぱり一目で各局のラジオ番組編成が分かる番組表こそがシンプルかつ便利にして貴重。テレビ番組は数あるテレビ情報誌で事前にチェックすることができるが、生放送が原則のラジオ番組は、やっぱり当日の一般新聞の朝刊に掲載されるラジオ欄こそが頼みの綱。私なんぞはラジオ欄をチェックした上で録音をタイマー予約するためにだけ毎朝、朝刊が自宅に届くのを待って、それを一通りチェックしてから眠るという生活を、10年以上にわたって続けているほどだ。そんな不可解な行動を続ける私を、家族は「今は無職(?)でも、さすがは元新聞記者。習性としてニュースのチェックは怠らないものなんだ…」なんて思っているようだが、正直ニュースなんぞどうでもいい。私はラジオ欄をチェックしたいだけなのだ。


 唯一、NHKの3局(第1、第2、FM)のラジオ番組表が細かく掲載されている週刊誌「ステラ」をチェックしていたから、今回の「欽ちゃん×タモリ対談」を聴き逃がすことはなかったが、これが民放局だったとしたら、危ないところだった。


 観客席の前で収録された欽ちゃんとタモリの対談は、ネクタイ論やら料理論、そしてタモリが番組の核であり大先輩にあたる永六輔を「エセ文化人」呼ばわりしていたNHKの人気バラエティ番組「ばらえてい テレビファソラシド」(昭和54~57年)の思い出話などを語っていたのだった。


 番組を聴き逃がしてしまった方は、番組の機関誌「ラジオ深夜便 12月号」(税込み360円也=写真)にて、この対談の一部が誌上再録されているので、ぜひ御覧あれ。