日経ヴェリタス 1月13日号 53面
『外貨買いを計る対外証券投資』
「日本の国内投資家が
海外投資に積極的になるか
注意深く見ている」
(ワールド・ゴールド・カウンシルの
マネジメント・ディレクター、
マーカス・グラブ氏)
2012年11月から始まった円安局面を
主導したのは海外勢だが、
日本人が追随するかが
相場の先行きを左右するからだ。
円資産を大量に抱えるのは
日本の銀行や個人投資家だ。
それゆえ、
円安持続のカギを握るのは日本人投資家と、
海外からは見られている。
約1500兆円ある日本の家計の金融資産のうち、
海外資産が占める割合は3%程度しかない。
残り97%の円資産と
それらの多くを預金として預かる金融機関が
どの程度外貨資産に向かうかが重要。
日本の対外投資の規模を確認する統計として
注目度が高まりそうなのが、財務省が発表する
対外証券売買契約などの状況だ。
昨年12月の統計では
国内投資家の対外証券投資は
898億円の売り越しだった。
11月の1兆2934億円の買い越しから一転して、
8ヵ月ぶりに売り越しに転じた。
今後も同様の傾向が続けば、
円安相場は短期で終わる可能性もある。
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12月の対外証券投資の売り越しは、
過去の対外証券投資について
いったん利益確定や損切りの動きが出た
ということなのでしょう。
1月も同様の傾向が継続する可能性がありますが、
円安・株高はもう少し継続しそうなので、
ここで利益確定や損切りした投資家が、
新たな投資として海外証券投資に向かう可能性は
十分にあると思います。