少し前にご紹介した『精霊の真守り人』。
上橋ワールドに魅せられて、
『獣の奏者』という物語を読みました。
素晴らしく良くできた世界観で、
私は、以前の真守り人でバルサに魅せられたように、
エリンという女性にも、強く惹かれていきました。
ここで語られる物語は、
ファンタジーです。
昔、むかし、あるところに…
そんな語りで始められるような世界ですが、
語られる世界は、脈打っていました。
その独自の世界の振動を持っていました。
それはあまりに心地よく、自然で、
だけど、あまりに核心をついていました。
私は、何も語らず、すぐさま言葉になどできず、
ただただ、黙してその物語の世界にありました。
エリンの生きざまは、とんでもない勇気のあることであり、
過去の因習を解き放ち、命に優しい
新しい未来を創るものでありました。
実は、師から深い深い問いを投げかけられたのですが、
私は、その問いの前にこの物語を読んで、
押し黙っていました。
命とは何か、なぜ、人は生まれ変わり死に変わりするのか、
自然の中で人が果たす役割とは何か・・・。
これもまた深い問いで、
それは、どこか師から受け取った問いと、
重なるところがありました。
私たちh、命として、どうこの地球とともに生きていくのか、
本当の進化とはどういうことなのか、
私たちはどういう存在なのか。
考えれば考えるほど、私は黙ってしまうしかなかった。
心に浮かんでくるあれこれや、
でも、そこではないもっと奥にあるある熱が、
伝えてくるものはありました。
だけど、今の私にはそれを言葉にすることができない…。
言葉にできないけど、私の中で熟成されつつあるものが、
明らかに存在しています。
それを大切に胸に抱きつつ、
それがゆっくりゆっくりと育ってくることを
見守っている・・・今はそんな感じです。
この本との出会いは、今でよかった。
今しかなかった、そんな思いでいます。