看取り看護師めぐ〜死ぬとは最期まで生きること -3ページ目

看取り看護師めぐ〜死ぬとは最期まで生きること

どうか大切な人の最期を穏やかに看取れますように
どうかあなたが最期まで、笑って楽しく生きられますように
最期まで笑って楽しく過ごせる生き方をサポートしたいと奮闘中。

地元紙の上毛新聞にコラム書かせていただきました☘️

 

 

 

 

 

私、何もできずおろおろしてただけなのですが、何もせずよかったと思いました。

悲しみよりも夫婦の生きざまの素晴らしさに、失礼ながら感極まって涙が出てしまったお話😌

 

これがいいという話ではなく、あなたならどうする?って問いです。

 

 

こちらのサイトから全文読めます。

ある夫婦の最後の会話 さよならを言うには

 

 

 

詳しくは記事を読んでいただきたいですが、延命治療を断って、亡くなる前に奥さんにさよならを言った旦那さんの話です。

旦那さんが亡くなった後、奥さんに言われた「自慢の夫です!」の言葉に胸が熱くなりました。

 

 

先日も、食べられなくなっても点滴もせず、自然な経過で亡くなっていった女性が、夫と子どもたちにさよならのあいさつをしていました。

 

 

人生の最終段階のシナリオを描くのは、今まで自ら人生のシナリオを描いてきた本人です。

あなたならどうしたいですか?

 

 

私は、さよならを言いたいです。

もちろん、思った通りにはなりませんが、事前に話し合いをしておかなければ、到底その通りにはなりません。

 

 

こちらも合わせてぜひ読んでほしいACPの手引き書です。

 

ACPの手引き

 

 

 

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは

人生の最終段階の医療ケアについて、本人が家族やケアチームなどと事前に繰り返し話し合うプロセス

 

 

 

あなたの思いをご家族にも共有しておきませんか?

 

 

 

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しばらく講演が延期になってしまったので、家にあるサイン本を販売いたします。 

欲しい方は、こちらからご注文お願いしますキラキラ

 

後閑愛実著 『後悔しない死の迎え方』

サイン本

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後閑愛実(ごかん めぐみ)

 

▼ホームページ    :http://www.megumitori.com/

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ヨミドクター連載「看取りのチカラ」

第3話「臨終で感じる大切なもの」

 

 

 

 

こちらの連載は、毎回主人公が変わります。

主人公は、その回の患者さんの家族になります。

 

 

第3話は、【母を看取る娘】が主人公でした。

7月に掲載予定の第4話は、【父を看取る娘】が主人公になります。

 

ちなみに連載は第1週の木曜日

7月の掲載は2日(木)

 

 

アメブロでは、「看取りのチカラ」に出てくる看護師2人をメインにしたサイドストーリーを載せていきます。

 

 

 

それでは、第3話「臨終で感じる大切なもの」のサイドストーリーをご覧くださいキラキラ

 

 

 

 

さきに「看取りのチカラ」第3話「臨終で感じる大切なもの」

 

 

を読んでもらえると嬉しいです。

 

 

 

 

 

サイドーストーリー 

第3話

「感じること」

 

愛:結香(ゆうか)さん、もう栄養負担なんじゃない? 娘が栄養が足りないってうるさいから、無理して経管栄養増やしたけど、むくんできたし、痰は多いし、苦しそう…。先生も、もうちょっとちゃんと言ってくれたらいいのに。

 

結香(ゆうか)は心不全が悪化した際に、低酸素になって寝たきりの患者である。目を開けることはあるが、意思疎通はできない。家族は、娘の結衣(ゆい)35歳と結斗(ゆうと)29歳。夫は5年前に他界していた。

 

恋:そうだね。だけど、先生は否定してないし、終末期とは思ってないんだよ。まだ結香さん、60代だし。

 

どちらかというと患者に肩を入れがちな愛。それに比べ、可愛げな名前ではあるが、冷静でクールなイケメンの恋。愛と恋は同期の看護師だ。

 

愛:年齢の問題じゃないと思うけどね。本人の思いはどこにあるのか…

 

恋:愛は患者さん寄りの思いが強いね。俺、愛のそういうとこいいと思うよ。

 

愛:はぁ?!なに言ってんの?はずいわ!

まんざらでもない様子で頬を赤らめる愛。

 

恋:そういうことを考えない、あるいは考えようとしない看護師多いでしょ。そんなこと考えない方が、仕事は楽だしね。それは不幸なこと。痛みや苦しいことが不幸なのではなく、その苦しみのなかにも光明な輝きや希望はあるんだよ。僕らががんばっていることも輝きだと思う。あの娘さんにとって、弟さんも希望だよ。一緒に悩んでくれる人がいるって言うことが大切なんだ。

 

愛:恋って、難しいこと言うよね。理屈っぽいと言うか…

 

恋:俺はもともとあまり考えないタイプなんだけど、そういう意味で愛は僕の希望だな。

 

愛:だからはずいって!?

 

 

突然、ナースコールが鳴った。結香のベッドサイドからだ。愛は慌てて、ナースステーションから出て行った。

 

愛:どうしました?

 

結衣(ゆい):モニターの数値が下がりました!痰がごろごろしてるし、吸引してください!

 

愛:わっ、わかりましたっ!いま、引きますね。

 

愛は結香の鼻に、チューブを入れる。それまで、穏やかな顔をしていた結香は眉間にシワを寄せ、苦しそうな表情になった。粘稠な痰がたくさん引けてくるが、下がった酸素飽和度の数値がなかなか上がってこない。結衣はじっとモニターの数値を眺めている。愛が酸素を少しあげると、数値も上がってきた。

 

結衣:よかった。私、もう帰りますけど、あとよろしくお願いしますね。

 

愛:はい。お気をつけておかえりくださいね。

 

 

 

ナースステーションに戻ってきた愛は、恋にさっきまでの様子を報告した。

 

 

愛:もう、あの娘さん、ずっとモニターの数値見てるのよね。そりゃ苦しんでる親の姿は見たくない気持ちもわかるけど、なら無理させなきゃいいのに。

 

恋:それだけ母親への愛が深いのさ。今日は来てないけど、息子さんは冷静に話を聞いてくれるよね。いい兄弟だよ。娘さんも、入院当初よりは穏やかになってきたじゃん。僕らと信頼関係ができてきたっていうのもあるけど、弟さんが赴任先から戻ってきてからだよね。

 

愛:うん。娘さん身体壊しそうで心配だったし、結香さんが亡くなった後、介護後うつとかも心配だった。けど、あの弟さんがいるから、少し安心できる。

 

恋:大丈夫。まだ時間あるから。結香さんの死を伴走しながら、娘さんもちゃんと覚悟がついてくるよ。

 

愛:そうだね。最初から覚悟なんてあるわけないね。もう少し、娘さんの話も聞いてみようと思う。

 

 

 

 

「絶望に慣れることは、絶望そのものよりもさらに悪いのである」

 

 

以前、恋が教えてくれた「ペスト」という本に書かれていた。

いちいち落ち込んだり、悩んだり、苦しんだりするのはつらいから、感じないようになるって…

それはきっと嬉しさや楽しさ、そういう幸せな感情も感じなくなる。

 

 

結香さんは苦しんでる。でも結衣さんも苦しんでいる。

そのこと自体が悪いわけではない。

それに慣れて、そのままにしておくことが悪いことなのだ。

 

 

何ができるだろうか、その苦しみを少しでも取り除くこと、緩和するために自分にできることはなんだろうか。

愛は感じることをやめない。そう決意するのだった。

 


 

サイドストーリー3話「感じること」 おわり

 

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いかがでしたでしょうか?

お読みいただき感謝です。

 

 

<今回のポイント>

たとえ苦しくても、感じることをやめないこと

 

 

 

 

それではまた。

 

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ヨミドクターで漫画を連載させていただいています。

8コマ完結の漫画です。

よかったら見てくれると嬉しいですウインク

 

ヨミドクター連載「看取りのチカラ」

第2話「心に残る最後の言葉」

 

こちらの連載は、毎回主人公が変わります。

主人公は、その回の患者さんの家族になります。

 

 

第2話は、【姑を看取る嫁】が主人公でした。

6月に掲載予定の第3話は、【母を看取る娘】が主人公になります。

 

ちなみに連載は第1週の木曜日

6月の掲載は4日(木)

 

 

アメブロでは、「看取りのチカラ」に出てくる看護師2人をメインにしたサイドストーリーを載せていきます。

 

 

 

それでは、第2話「心に残る最期の言葉」のサイドストーリーをご覧くださいキラキラ

 

 

 

 

さきに「看取りのチカラ」第2話「心に残る最期の言葉」を読んでもらえると嬉しいです。

 

 

 

 

 

サイドーストーリー 

第2話

「あたたかいお節介」

 

 

愛:あっ!今日も七恵さん来てくださってる! 毎日のように来てくれて、いい嫁だね。

 

七恵(ななえ・65歳)は、入院中の桂子(けいこ・90歳女性)の嫁だ。桂子は愛嬌があり、看護師たちには人気がある。

 

恋:あの世代の嫁姑っていろいろあるから、そうとは限らないかもよ。こないだも…

 

恋『毎日お見舞いをありがとうございます。』

 

七恵『いえ、主人が行けって言うんですよ。病院に一人じゃかわいそうだろって…。嫁いだ時から虐められてきて、憎んだ時期もありました。でも、弱ってきて、いまの状況はたしかにかわいそうって思います。だから、しかたなく来てあげてるんですよ。』

 

恋『そうですか。僕たちも一緒にお世話させていただきますので、七恵さんもお身体ご自愛くださいね』

 

七恵『ありがとうございます。』

 

恋:っていうやりとりをしたんだよね。

 

愛:わー、そとから見てるだけじゃわからないね。そういえば息子さんはあまり見たことはない。板挟みでつらいね。だけど桂子さんもだいぶ衰弱してきたし、そんなに時間は残されてないから、最期に仲直りしてくれるといいけど。

 

恋:何十年と蓄積してきた感情は、ちょっとやそっとじゃ変わらないよ。それに、数週間前に知り合ったばかりの僕らがなんとかできるかって言ったら、そりゃおこがましすぎるでしょ。

 

愛:そうなんだけどさ。どっちにも仲良くしてほしいじゃん。家族なんだから。

 

恋:僕らがなにもしなくても、仲直りする人は仲直りするし、できない人はできない。でもそれはそれで、その家族のあり方なんだよ。最期も大事だけど、それ以前の関わりは、もっと大事なんだから。

 

愛:たしかにね。でも、ちょっとだけお節介やいてこようかなぁ。

 

恋:はいはい。ほどほどにね。

 

愛は、恋の言葉に軽く答えながら、密かに意気込んで桂子の病室に向かうのだった。

 

 

サイドストーリー2話 おわり

 

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いかがでしたでしょうか?

お読みいただき感謝です。

 

 

死期を悟っている人が、最期に「ありがとう」と言うことはとても多いです。

逆に、普段そんなこと言うような人じゃない人が、急に優しくなったり、「ありがとう」と言うようになったら、周りはそろそろかもなんて勘繰ることもあります。

 

死の間際に、元気になったように見える時期があります。

これを辞書には、「中直り」と書かれています。

 

しかし、このように感謝の言葉を述べる人や、それまでのわだかまりを解消するように話をする人がいるので、「仲直りの時間」、あるいは「なかよしの時間」。

病気が治ったように見えるので「中治り現象」なんていう人もいます。

 

人が死に近づくと、体のあらゆる器官が最後の力を振り絞るようになります。

脳細胞からはドーパミンやアドレナリン、オキシトシンなどの物質が出され、それらが作用して、このような現象を起こしているとも言われています。

ドーパミンやオキシトシンは、幸福感をもたらす作用があります。

だから、あたたかい気持ちになって、感謝の言葉をのべる人も多いのかもしれません。

全ての人にあるわけではありません。

そのときには気づかず、振り返ってあのときがそうだったのかもと気づくことも多いです。

 

 

これは病気で亡くなり、死までの道のりが緩やかに下がっていく人に起こるものでもあり、突然の死に対しては起こりません。

 

 

私が初めて患者さんの死に対応した時の話です。

一年目の新人の時でした。

患者さんは34歳男性。

心肺停止状態で救急車に乗って救急外来に運ばれてきました。

なんとか蘇生させようと外来の看護師であった私は、必死に胸骨圧迫を行いました。

でも、助かりませんでした。

 

電話で呼ばれ駆けつけたお母さんが、泣き崩れます。

 

「今日出かける前に喧嘩して私「いってらっしゃい」って言わなかったの。こんなことになるなら、「いってらっしゃい」って言えばよかった…」

 

喧嘩別れになってしまったことを後悔されていました。

 

 

死は理不尽です。病気にかかわらず、人の死はいつ訪れるかわかりません。

これが最期かもしれません。

いましかないかもしれません。

伝えられずにいる思いがありませんか? 

あとでと言わずに、いまあなたから伝えたい思いを伝えてみませんか?

 

 

 

<今回のポイント>

伝えておきたいことは、いま伝えておこう

 

 

 

それではまた。

 

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