Ice Nine Kills『Every Trick In The Book』良質シアトリカル盤 | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。


今年から始めた2つの企画に加えて

色々と書きたいことが立て続けに出てきて

全然レビュー記事が書けてねぇ!(。>д<)

これからも続々と新譜がリリースされるというのに…

負けるな、わたし!←

どうも、トトです。


ってことで月初以来のレビュー記事。

とはいえ、今回書くアルバムは昨年リリースなんです。

これを昨年の内に買い、聴き込んでレビューしていれば

年間ランキングにも名前を連ねたかもしれない…

それほどに、今月頭に買ってからちょっとヘビロテ気味。

故に、昨年リリースながらも

レビューを書こうと思ったほどに、個人的には名盤だったのです。




Ice Nine Kills 『Every Trick In The Book』

01. The Nature of the Beast
02. Communion of the Cursed
03. Bloodbath and Beyond
04. The Plot Sickens
05. Star Crossed Enemies
06. Me, Myself and Hyde
07. Alice
08. The People in the Attic
09. Tess-Timony
10. Hell in the Hallways



USはボストン産のPost Hardcoreバンド

Ice Nine Kills の新譜『Every Trick In The Book

これまでコンピ盤などで存在は知っていたものの

Ice Nine Kills 名義での音源を入手したのは初となります。

まず、名前を知ってたことに始まり、

昨年末、RNR企画のインタビューで

Sailing Before The Windビトクさんの

2015年の注目作】の中に今作があり

"マイケミにブレイクダウン入れたらこうなる"

って言葉から、シアトリカル要素あるのか?と興味を惹かれ

ようやく年明けに、今作のLyric Video"Bloodbath & Beyond"を見て

遂に購入に至る、と。

ってことで、早速レビューにいきましょう。



The Nature of the Beast
鍵盤の旋律とオケ風の打ち込みをバックに歌い上げ
そしてコーラスが入ってきて、雰囲気もシンフォニックに。
1曲目にはもってこいなイントロから
一気に爆発させる。
ラストはクリーンで静かに締める。
これ1曲で駆け抜けたような演劇感。

Communion of the Cursed
メロ部分のドラムどごどご感と
サビのシンフォニック感がたまんね。
ラストサビへ向かう部分で、MVとリンクするかのように
コーラスに子供の声が混じってるのがまた良い
そのMVも完全にエクソシストで、
曲の雰囲気と相まってかなりシンクロ率高いMVになってる。

Bloodbath & Beyond
先ほど言ったように、今作を買うキッカケになった曲。
このバンドの存在自体は知ってたものの
コンピ盤以外の音源を持っておらず、
これを聴いて買うことを決意した。
鍵盤の旋律が光るイントロに、コーラスが乗り
ストリングスも交えたシアトリカル感全開で
リリックビデオ自体もそういう雰囲気満点。
しかし、シアトリカル系のバンドは
曲に高笑い声を入れるのは様式美かね?笑

The Plot Sickens
開始12秒までの打ち込み音とヘヴィなギターイントロが
Crossfaithを彷彿とさせる。
曲自体も縦ノリ、バウンス系のポスコアながら
1サビ後は厳ついブレイクダウンも出てくる。

Star-Crossed Enemies
聴かせ曲のミドルバラード。
とはいえ、イントロからドラムはヘヴィ。
バックに流れる打ち込みによるストリングス?により
オケ風の壮大感ある。雰囲気だけはスタジアム級。

Me, Myself & Hyde
WarpedFearless のコンピ盤に収録されていた曲。
雨音の鳴る静かなイントロでミドルバラード続くのか?
と、思いきやの爆発力。
持ち前のシンフォニックでシアトリカルな音に乗せ
至極のポスコアサウンドを見せる。
リンク先にはMVを貼ったが
こちらの【Lyric Video】も雰囲気満点なので是非。

Alice
この手のジャンルになると
最早このタイトルですら狙ってる感がある。
イントロのギターが、
coldrainの"RUNNAWAY"や"PRETTY LITTLE LIAR"を彷彿とさせる。
ミドルテンポながらも楽器隊のヘヴィさと
歌モノならではの良いメロディしてる。

The People in the Attic
ブレイクダウンが映える。
ビトクさんのマイケミブレイクダウンってのがわかるなぁ。
ラストへ向かうところで
車、から降りての足音、ドアノック、会話等々が入っている為、
これは後々MV化した時に、ドラマ仕立てにでもすれば
良い感じになりそう。

Tess-Timony
今度こそマジもんのバラード曲。
鍵盤の旋律がキレイやの~( ´∀`)
それをバックにボーカルのみのほぼアカペラ
ラストはフルバンド仕様で豪華に。
いいねーこーゆーの

Hell in the Hallways
今作のラストを飾る曲。
In Hearts Wake を彷彿とさせる静かなイントロから
一気にブレイクダウンとスクリーム全開。
こちらもラストへ向かう中で
子ども?女の子?の金切り声の悲鳴のようなものと
サイレンが鳴り、そのへんの雰囲気作りは抜群に感じた。



序盤のワクワク感に比べたら

後半に向かうにつれ、尻すぼみ感はあるものの

今作はコンセプト作であり、

こういった曲、こういった1枚になったようだが

シアトリカル要素を遺憾なく発揮し

1枚での"劇場感"や"演劇感"が半端ない。

Set It Off の『Cinematics』にも肉薄する

シアトリカル盤に仕上がっていると感じた。


今作では、コンセプト作故のシアトリカル方面に振り切ってるものの

それまでは、今のシーンによくある感じのポスコア/メタルコアではある。

Djent ギター使ったりはしてるけどもね。

Ice Nine Kills
 - Let's Bury The Hatchet... In Your Hand
 - The Coffin Is Moving
 - Connect The Cuts
 - The Power In Belief



でも、この曲は → The People Under The Stairs

ストリングスの影響もあって、

ほんの少し今作の雰囲気もあったりもする。


前作こそFearless Records 傘下の

Outerloop Records からリリースされたものの

今作は正真正銘Fearless Records からリリースされたってことも

バンドの成長と、レーベルの期待もあるんだろう。


少し気になって、シアトリカル要素のあるバンドの

各SNSのフォロワー数を調べてみた。


Chiodos
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Crown The Empire
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Get Scared
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Ice Nine Kills
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Set It Off
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SycAmour
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The Used
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少し前に調べたものなので、今は多少、数の変動はあるだろうが

現行でいちばん勢いがあり、人気なのは

やはりCrown The Empire だったのは

数字的にも明らかだった。

Screamo 全盛期を支えたThe Used もまだまだ強い。

Get ScaredChiodos を捉えつつあるし、

Set It OffGet Scared を射程圏内に捉えている。

SycAmour はフル作も1枚だし、まだまだこれから感はある。

そして肝心のIce Nine KillsSet It Off の後を追う。

とはいえ、facebook上での"いいね"数は

SIOの約2倍の数を有している。


いいねいいね

バンドの数は決して多くないが、むしろそれで良い。

そしてこの少数精鋭のシアトリカルシーン

まだまだ楽しみではあるし

Ice Nine Kills も今作だけと言わず

これから先もシアトリカルな作風を続けてほしい。