認知症とビット処理 | PTイワマの探究日誌

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PT(理学療法士)イワマが
『人の心と身体を動かすセラピスト』としてどう歩むべきか考え、感じたことを記すブログです。

今日は人間の脳について考えてみたいと思います。


病院勤めもあり
認知症はよく見かける症状の一つです。
認知症になってしまっても
その人自身には感情があり
人生があります。

ですが、話をしてみても会話がちぐはぐになってしまうことがあります。
僕は原因の大きな一つが
脳の情報処理能力だと考えています。
今回はこの情報処理について
考察したいと思います。



脳をコンピュータになぞらえました。
コンピュータに喩えると
人間性の排除だとか言われるかも知れませんが、
あくまでそういう意図ではありません。
細部をぼかすことで
全体的な理解を目指します。


そういう訳で
今回も脳をコンピュータに近似して考えたいと思います。
*ここからコンピュータの説明が続きますが、
結論は説明の長さに対してシンプルです。
読み流していただいて差し支えありません。


今日の焦点はビット(桁)処理です。
あまり聞きなれない言葉だと思いますが
これはコンピュータの処理能力の指標です。
一度にどれだけの情報量を捌けるかを数値で表します。
1ビットは2進数の1桁、平たく言うと、yes/noだけ表現できる情報量です。
2ビットなら4択問題を表現できます。
50音の平仮名なら6ビットの処理能力が必要です。


最近のパソコンは64ビットが主流でしょうか。
iPhoneですら64ビットあるらしいですね。
かつてのファミコンはたしか8ビット。
Nintendo64は64ビットです。
ちなみに64ビットは8ビットの8倍ではありません。
2の56乗倍あります。
だいたい7京倍ぐらい…凄まじい数ですね。


食事で喩えると
情報がお皿に入った料理です。
ビット処理能力はスプーンの大きさにあたります。
1ビットなら耳かきサイズ、
4ビットで小さじサイズ、
6ビットでカレースプーンぐらいでしょうか。
スプーンは大きいほうが早く食べられます。



コンピュータの場合、
処理能力を超えた情報量が流れこむと
不具合を起こします。

耳かきで食事ができないように
情報を拾い上げることができません。
溢れてしまって情報を認識できない
溢れた情報で混乱か停止をしてしまいます。


これが人間であったら
茫然とするか思考停止、あるいは混乱ということになります。

誰でも
キャパシティ(ここではビット数)を
超えた仕事を振られれば慌ててしまうことが
あると思います。


認知症や何らかの基礎疾患があったり、考え方の性格によって、過大な情報に弱い人もいます。


そういう人ならなおさら、
情報の処理が追いつかず、
ちぐはぐな受け答えをしてしまったり
感情が制御できなかったり
してしまいがちです。


病院でも
情報量が本人にとって過大だろうという状況に出くわします。
そんな状況でさらにまくし立てれば
オーバーフローしてしまいます。
相手に伝わる情報量
理解・整理する余裕を意識したいですね。


小さなやり取りから反応を見て
相手が持っているスプーンの大きさ
知るのが大事です。


本日は最後までお付き合いいただきありがとうございました!