受験生物勉強法ー完全版ー | 仮面浪人医学部合格の記録&医学部生の受験勉強法解説

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受験生物勉強法ー完全版ー

こんにちは。とっしーです。
今回は生物についての勉強法です。俺自身は大学受験で生物は使ってなかったのですが、医学部の専門過程で一通り勉強し、参考書も一通り研究し、生徒にも教えているので、勉強法を紹介してみます。
自分の生徒もこの方法で偏差値が50→70くらいまで上がりましたし、医学部や他難関大に対応できる勉強方法であると思うので是非参考にしてみて下さい。

質問等ありましたら、Twitter@igakubu_teacherからお願いします。
記事でも良いのですが、遅れるかもです。


【目次】
1.受験生物の概要
2.知識問題とは
3.経験値型考察問題とは
4.初見型考察問題とは
5.実際の勉強法
 5-0.参考書の準備
 5-1.全体像
 5-2.1期での学習方法
 5-3.2期での学習方法
 5-4.3期での学習方法
6.考察問題の解き方
7.参考書紹介

【1章.受験生物の概要】
受験生物はとても簡単です。まず、出題に関しては3種類のタイプしかありません。
知識問題と経験値型考察問題と初見型考察問題です。
そしてこれら各々の対策や考え方というのも単純明快です。
よって物理に比べて誰でも合格点の超えやすい科目であるといえます。(物理の方が満点取りやすいことは間違いないが)
普通の受験生ならば、一年間の対策で十分に間に合います。ポジティブに頑張りましょう!

【2章.知識問題とは】
知識問題とは言葉の通り、知識で解けてしまう問題です。参考書を完全に暗記したらおしまいです。ここが取れないという人は勉強不足です。絶対に落としてはいけません。知識問題を取るコツは、

各内容について自分で家庭教師ができるようにすること

です。先生になったつもりで一つ一つの用語やメカニズムを頭の中で説明できるようになれば、得意になるでしょう。メインは合格シリーズを使って、補助に図録を使っていきます。

【3章.経験値型考察問題とは】
経験値型考察問題とは、実験を考察する問題ではあるが、頻出なため、実際は実験結果や内容までもが予測できてしまうような問題のことを言います。逆に言えば知っておかないと差が生じるし、時間がかかってしまう問題でもあります。模試頻出のタイプですね。

このタイプの問題を解けない人は、
この問題が経験値によって左右する問題だということを知らない
勉強不足で経験したことがない
勉強不足で前提知識をもっていない
というような原因があります。


【4章.初見型考察問題とは】
初見型考察問題は、入試で最も差がつく問題です。殆どの人が見たことのないような実験についての考察をさせる問題です。生物がとても出来る学生を除いて、多くの人がつまづく部分です。
ですが、この問題は、”問題解決能力”が身に付いていて、解き方の作法が身に付いていれば得点を取りやすいチャンス問題にもなります。難関大では経験値型よりもこちらの方が多いですし、中堅大でも差がつくのはこの分野です。

このタイプの問題が解けない人は、
実験の考察の作法をわかっていない
勉強不足で前提となる知識をもっていない
だけです。


【5章.実際の勉強法】
    5-0.参考書の準備
用意するものは以下のものだけです。これでどこでも受かります。逆に今この本を持っていて、成績が伸びないという人がいたら勉強法に問題があります。以下の方法を考えながら読んでみて下さい。
     
     ー知識暗記&内容理解用ー
     ・高速マスターシリーズ 生物Ⅰ合格39講【完全版】(東進ブックス)
     ・高速マスターシリーズ 生物Ⅱ合格33講【完全版】(東進ブックス)
     ・フォトサイエンス生物図録(数研出版)
     
     ー調べ物用ー
     ・大森徹の最強講義117講(文英堂)
     
     ー問題集ー
     ・大森徹の最強問題集150問(文英堂)→これが一番オススメ 
      or
     ・田部眞哉の生物 生物問題集シリーズ(学研)→新課程になって廃版になったかも。

     ー高度問題集ー
     ・医学部志望→お医者さんになろう医学部への生物(駿台出版)
     ・東大志望→東大の生物25カ年(教学社)
     ・他難関大→生物考える実験問題50選(駿台文庫)等、上の二冊のどちらかでも良い
    
    ー弱点補強問題集ー
     ・大森徹の生物 遺伝問題の解法(改訂版)(旺文社)→必要な人のみ








    5-1.全体像
一年で完成するので、それで学習計画を決めています。これにのっとれば十分に合格点を越えていきます。

ー通年計画ー
1期 3~8、9月             
各分野の知識暗記(重点的&網羅的)&対応分野の標準問題演習&復習
2期 8、9月~10、11月 
各分野の知識暗記(網羅的)&高度問題集&弱点分野の標準問題復習
3期 10、11月~           
各分野の知識暗記(網羅的)&問題集の復習&過去問


    5-2.1期での学習方法
浪人生も現役生も各分野の知識暗記をきちんと0から行なっていきます。浪人生だと、できない分野だけやるとかいう人もいますが、厳しくいえば、そもそも全分野穴があるからこそ落ちたので、0からやって下さい。じゃないと、あとあと本当に後悔すると思います。
まず、知識暗記には以下の3冊を準備します。

高速マスターシリーズ 生物Ⅰ合格39講【完全版】(東進ブックス)
高速マスターシリーズ 生物Ⅱ合格33講【完全版】(東進ブックス)
フォトサイエンス生物図録(数研出版)

使い方は、

合格シリーズをじっくり読み込む。そして、読み込んでいる分野を図録でも読んで視覚的にも覚えていく。

だけです。ただ読んだだけだと覚えられないので、一分野読み終わったら、  

大森徹の最強問題集150問(文英堂)

を解きます。で、解き終わったら解説をしっかり読み込み、出来ていない問題や分野については合格シリーズ(必要であれば図録も)の対応部分を再度読み込んでいきます。

これをひたすら続けていきます。ただ、どんどん続けて行くと忘れてしまうので、上の勉強にプラスして合格シリーズを1からどんどん読む時間を作っていきます。これに関しては毎日やるべきです。寝る前の30分でも良いです。知識の定着のために、ほぼ毎日欠かさずやりましょう。知識は忘れる前に復習する。これが暗記と定着の基本です。

そしてこの勉強方法をひたすら続けていくと6、7月くらいに大森の問題集が一周終わると思います。そしたら次には進まず、また1から大森の問題集を進めていきます。方法は一周目と全く同じです。ここで、合格シリーズを読まずに解き始める、みたいないい加減な勉強をすると知識の定着がとても遅くなるので、一周目と同じようにしっかりやって下さい。しっかりやっても一周目より圧倒的に短いスパンで終わると思います。2周で精一杯の人がほとんどだろうと思いますが、余裕がある人はもう一周しても良いかもしれません。


この時期をきちんとやった人ならこの時点で国立私立の医学部の多くで合格点を取れると思います。
というのも知識問題に関しては合格シリーズの分野別読み込みと網羅的読み込みで十分すぎるくらい解けるようになりますし、経験値型考察問題については、大森の問題集には必要十分量の問題がありそれをやり込むことで身につくためです。

というわけでこの時期の勉強方法をまとめると、

合格シリーズは毎日読み込む&分野別に問題を解く前にしっかり読み込む
問題集は一周じゃ身につかないので何度もやる

ってことですね。



    5-3.2期での学習方法
2期での学習は夏、夏以降に始めると良い進度でしょう。ただし、1期の問題集が完璧でない人は、一期の問題集をもう一度やっても良いです。その後に2期に移って下さい。
さて、2期では各大学で頻出の問題の習得や、考察力を上げる学習をしていきます。ただし、この時期も合格シリーズは絶対にほぼ毎日読み込んで下さい。絶対です。生物は知識ありきですし、知識はどんなに優秀な人でも忘れるものです。
さて、合格シリーズの日々の読み込みはするとして、同時に問題集をやっていきます。


     医学部志望→お医者さんになろう医学部への生物(駿台出版)
     東大志望→東大の生物25カ年(教学社)
     他難関大→生物考える実験問題50選(駿台文庫)等、上の二冊のどちらかでも良い
上記の本から自分の志望校にあったものを用います。そして、

各分野の問題を解く前に合格シリーズを”あっさり”読み通して(ここは一期と違う)、問題をときます。そして、問題で出来なかったところは合格シリーズに戻って読み直したり、大森の問題集にもどってみたりします。書いていなければ、大森の最強講義を参照します(これは参考程度で良い)

この方法でひたすら解き進めます。すると一周する頃には11月くらいになってしまうと思うので、このレベルの本は何周もやるのはキツくなってきます。なので、2周目以降はあっさりと解いていってください。また、志望校でそこまで難しい問題が出ない場合は、2周さらっとやったら大森の問題集の復習に戻っても良いくらいです。

とにかく、この時期の高度問題集の目的は、
各志望校の頻出問題を知ること
ハイレベルな考察問題の知識化
考察問題の解き方を身につける
なので、それを意識してやりましょう。

まとめると、
合格シリーズは毎日読み込む&分野別に問題を解く前にしっかり読み込む
問題集は複数回やるべきだが、そこまでじっくりじゃなくても最悪良い(ちゃんとやった方が良いのは間違いないが)
目的は、ハイレベルな頻出問題を知識化し、考察問題を得意にする。
と言えるでしょう。



    5-4.3期での学習方法
2期までの学習がきちんと終わるとほぼ受かります。三期では、合格シリーズの読み込みは同じく毎日して、それと同時に今までの問題集の復習をしていきます。復習の仕方は今までと同じです。
そして、過去問も解いていきます。ただし、過去問は志望校の傾向把握+考察の訓練程度の重要度で、2期までの学習がきちんと出来ていれば合格点が取れます。逆に取れないひとは、それまでの勉強法が悪かったと言わざるを得ません。もしくは初見型考察問題の解き方をまるでわかってないかです。
というわけで、この時期は
合格シリーズの日々の読み込み
問題集の復習
過去問で傾向対策&考察訓練
をやるだけなわけです。これで楽勝です。
   
【6.考察問題の解き方】
それでも、点数取れないよ!って生徒が出てくるので、そんな方のために考察問題の解き方をまとめておきます。
正直、考察問題は指導者がいると目の前で考え方が見れるので、出来ればその方が良いです。僕でよかったら是非家庭教師依頼記事からお願いします。

STEP1
実験をきちんと読む。どんな実験が起きているかを理解するために、図解してみたり、与えられたデータに情報を書き込んでいく。ここが一番大切です。
STEP2
実験を読み終わったら、この実験はつまりどういう実験かを把握し自分なりの考察を考える。
STEP3
問題を解いていく。その際に、なんでこんな問題を作ったかを考えて作問者の意図を考える。
STEP4
考察問題は全問がヒントになっている。1問1問で分断するのではなく誘導に乗ったつもりで、自分の考察と照らし合わせながら、解き進めていく。


こんだけです。このステップに沿って演習を積み重ねると徐々に身についていくと思います。
頑張りましょう。


【7.参考書紹介】
 ー知識暗記&内容理解用ー
     ・高速マスターシリーズ 生物Ⅰ合格39講【完全版】(東進ブックス)
    ・高速マスターシリーズ 生物Ⅱ合格33講【完全版】(東進ブックス)
   
   …大学受験で必要な知識が必要十分量、わかりやすく載っています。変にいろいろやる暇があったら、これだけきちんと覚えた方が良いです。どんな志望校であれ準備すべきでしょう。 

     ・フォトサイエンス生物図録(数研出版)
      …いわゆる資料集です。合格シリーズで覚えた内容を視覚的に定着できるでしょう。
    
ー調べ物用ー
     ・大森徹の最強講義117講(文英堂)
     
   …かなり詳しいです。これをすべて覚えようとすると時間がかかりますし、そこまでやる必要ないです。合格シリーズに載っていないような発展的な内容を調べるのに使いましょう。

ー問題集ー
     ・大森徹の最強問題集150問(文英堂)
      …とても良い本です。大学入試で必要な問題パターンが必要十分量載っています。化学の新演習のような良本です。

ー高度問題集ー
     ・お医者さんになろう医学部への生物(駿台出版)
   
   …医学部頻出の人体の生理機能に関する問題が多く掲載されています。私立医や単科の医学部志望の人は絶対に重宝する本です。
    ・東大の生物25カ年(教学社)
    …東大の過去問集です。東大志望の人や考察力を高めたい人にお勧めです。
    ・生物考える実験問題50選(駿台文庫)
    
    …上では書いていませんが、難関国立医学部志望の人はやってほしかったりします。考える力は高度問題集の中で一番身につくでしょう。
   
ー弱点補強問題集ー
     ・大森徹の生物 遺伝問題の解法(改訂版)(旺文社)
    
   …遺伝問題を苦手な人はぜひやってほしいです。最後の方はかなり難しいので、その前までやっても十分。遺伝問題はこれ一冊でほぼ完ぺきです!






最後にもう一度。
質問等ありましたら、Twitter@igakubu_teacherからお願いします。