最新版ー数学の勉強法②ー | 仮面浪人医学部合格の記録&医学部生の受験勉強法解説

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2期:標準典型題の把握>

 2期はもっとも大切な時期です。受験数学で必要になってくる解法・論理の流れ・その他ポイントがどんなものなのかを把握する時期になります。受験数学という森全体を見渡せるのが目標となります。

この時期の内容がきちんと出来なければ、応用問題の勉強効率はガクンと落ちますし、難しい問題を論理的に思考することがとても難しくなり、数学が足を引っ張ること間違いなしです。逆に、このレベルがキチンと出来れば、中堅私立、地方の易問系国立大学の問題は解けることにはなっています。(実際は応用問題を考える経験がないと厳しいのですが、難易度的には同レベルです。)

 さて、実際の勉強方法ですが、FOCUS GOLD(啓林館)大学への数学 11対応の演習(東京出版)、青チャート(数研出版)が個人的にはおススメです。どんどん解き進めながら、忘れきってしまう前に軽く復習という大原則を守りつつ、どれか1冊やるといいでしょう。

FOCUS GOLD1期のレベルから4期のレベルまで幅広く掲載されており、解説も丁寧で勉強コラムなども役に立ちます。どんなレベルの人でも使いこなしやすい点で個人的には一番好みです。ただし、書店には売っていないので、ホームページから購入する必要があります。これを使う場合、2期では例題をひたすら進めましょう。時間がある人は、練習問題、Step up問題までやれればベターですが、多くの読者は限られた時間でどうにかしなければいけない人だと思いますので、例題をやりきることを最優先にしましょう。

11対応は大学への数学の独特な解説で、とっつきにくい人がいるかもしれません。また問題数も少し少ないので、数学に苦手意識のある人にはあまりお勧めできません。ただ、数学が好きである程度自分でやってきた人には良い教材だと言えるでしょう。これを用いる場合は、練習問題まで行うと良いです。

青チャートはFOCUS GOLDに似ており、2期の勉強を行うのには申し分ないのですが、問題数がかなり多いわりに問題レベルがある程度限定されてしまっているので、「このシリーズだけで今後も大丈夫だ!」というわけにはいかずコストパフォーマンスの点はあまり良くありません。とは言え問題数は豊富なのですでにやりこんでいる人は、継続して用いてよいでしょう。この本も章末問題、発展問題など全部やりきろうとすればきりがないので、やるとすれば例題最優先にする必要があります。

 また、これらの本で分からない所があった場合、1期の勉強でおススメしているやさしい高校数学(Gakken)の方も見てみると良いでしょう。ただ、例えばFOCUSの場合、例題だけでも約1000題あります。きちんと理解しきって進めるのが勉強の基本ですが、半年ほどの期間で一通り終えようとなると、そこまで悠長にはしていられません。さらに注意ですが、論理的思考を用いた勉強が出来なければ、どんな問題集を使っても成績はあまり伸びないですし、応用が利かないです。このことをいつも心にとどめておきましょう。

 

2.5期 標準典型題の定着>

 この期間では2期で用いた参考書をもう一度、1から復習します。分かりきっている問題もじっくり時間をかける必要はありませんが、なるべく漏れがないようにやり直すのをおススメします。

 ただ、標準典型題だけをじっくりやり直す時間がある人は、準備のはやい現役生など、かなり限られており、現実的には、難問題も進めつつ復習をする人が大半になってしまうかもしれません。

 

3期:標準典型題の定着&難問題での解答力養成>

 2期の勉強で、難しい問題が解けるようになるための道具を「知る」ことは出来ました。しかし、2期の中で復習もしたとはいえ、やはり一回やりきっただけでは「使える」ようにはなりません。なので、再度やり直す必要があります。やり方は2.5期と同様です。また、道具を使えるようになっても、それを実際に「うまく使える」ようにするためには実践が必要になります。だから、難問題を用いて演習を行う必要があります。難問題を用いる時に大切なのは、とにかく「自分で1から問題解決ノウハウを実践する」ことです。目的はあくまで実践なので、自分で考えることを大切にしましょう。ただし、受験生は時間がないので、ある程度論理的に考えても解けない場合はぱぱっと答えを見てしまうことも大切です。

 論理的思考と解法の引き出し方を知ることがメインなので、難問題集はどれでも良いとは思ったりしますが、個人的にお勧めするのはやさしい理系数学(河合出版)です。

 

4期:過去問対策&今まで扱った問題の復習>

 3期までの勉強で、志望校の問題に真っ向から挑める準備は整ったことになります。なので、この時期から志望校の過去問を進めていくと良いでしょう。国立志望の場合だと、12月頃にはセンター対策を始めなければいけませんし、私立医志望や多数の大学を受験する場合はやらなければいけない過去問の量が多いので、なるべく目安の時期に始めることが望ましいです。

 また、今まで使った問題集の復習は欠かさずにやりましょう。はじめのころのようにじっくりやる時間はありませんが、この時期にはかなりマスターしているはずなので、素早く復習が出来るはずです。

 

<+αの勉強>

時間に余裕のある人は、追加の問題集をやるとより万全の対策が出来るでしょう。医学部志望であれば、医学部攻略の数学(河合出版)お医者さんになろう医学部への数学(駿台文庫)がおススメです。前者は、医学部で頻出の知識問題をうまくまとめてくれています。単科系国立などでは結構この本の類題が毎年のように出題されています。後者は、便利なテクニックを多数載せてくれています。医学部志望でなくてもかなり使えます。

微積分を得意にしたい人には、微積分基礎の極意(東京出版)をおススメします。この本はテクニックはもちろん入試で出題される応用的な微分積分の問題をほとんどカバーできているので、2,3期の問題集とうまく絡めながらすすめていくと威力を発揮するでしょう。

 

数学が苦手な人の多くは色々なレベルをごちゃまぜにして勉強していたり、いきなり応用をやっていたりと、適切な段階を踏めない人が非常に多いです。また、それに加えて勉強時に必要な意識を持たないまま、ただ機械的に解法を覚えているとなったら、それは当然伸びないと思います。全体のアウトラインを掴まないまま、無駄に復習ばかりしても正直無駄です。数学の勉強の段階を意識して、自分の立ち位置を把握して、後述する「数学の勉強時の意識」を持ちながら勉強した方が遥かに効率がいいです。背伸びをせず、また自分の今いる段階に満足せず、勉強をして行きましょう。