マイゼン先生 | オランダ在住フルート奏者 武良静枝のDear my flute
今月に入ってから相次いで、
カプースチン、モリコーネ、、、大作曲家たちが
この世を去ったという悲しいニュース。  

寂しい思いと共に、
残してくださった多くの素晴らしい作品を
これからも演奏し続けたいと、強く思う時間になっています。
作品に心を注ぐことで、
天国へ旅立った作曲家に少しでも寄り添えることが出来たらどんなに幸せかと、
そんな風に思いながら。




そして、この動画をとった数日後なのですが、
今度は
フルート奏者のパウル・マイゼン氏が
亡くなられたことを知りましたえーん


マイゼン先生は、私の師匠である酒井秀明氏、大友太郎氏のドイツ時代の師匠でもあり、
また、ちょうど私の大学時代、
先生が日本にいらしてた時期が重なり、
直接レッスンを受ける機会に恵まれ、
マスタークラスの聴講も何度もさせていただけて、
日本にいながら、先生の音楽感に直接触れることが出来ました。

作品と、作曲家と、音楽と、
それから目の前の学生たちや、通訳をしてくださっていた奥さまや、
全てのことを丁寧に大切にされているような優しさやあったかさは、
先生の吹くフルートの音と同じで、
私もこんな音楽家になりたいと、思ったものです。

進路を悩む音大時代。 
直接私の演奏を聞いていただき、
音楽的に、フルート奏法的に、たくさん指導を受けて刺激をいただいたのは大きな財産でした。
でもそれ以上に、
私なんかが…フルート奏者としてこの先やっていくことが出来たりするんだろうか?
と見当もつかない気持ちでいたあの頃、
レッスン後、酒井先生に私の評価をわざわざ伝えてくださったそうです。
こっそり教えてくださったその言葉は、
自己肯定感の超低い私にとって、どれだけの励みと、その後ずっと糧になる自信をいただけたか、
というほど嬉しいものでした。

あー、
先生にお会いする事がなかったら、
もしかしたら私は
フルート吹きにはなっていなかったかもしれません。

ご冥福をお祈り申し上げます。