機材で見るツール・ド・フランス小史(1986~87年) | 今日もチェレステの下で

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子供の頃からの憧れ。Bianchiのチェレステカラーのロードバイクを購入したその日からの、サイクリストとして成長していく日々を綴っていきます。

ツール・ド・フランスのDVD観賞を進めています♪(* ̄∇ ̄*)

楽しいな 楽しいな


レースの模様を見るだけでとっても楽しいのですが、機材面で、いろいろと興味深いことを見つけたので、ツール・ド・フランスを通して伺える、ロードレース機材の変遷を、私なりにまとめてみたいと思います。

はい、私、こういうの好きです( 〃▽〃)


1986年大会。


レモンがツールを初制覇した年。



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イノーとレモンの愛憎劇はかなり面白かったのですが、それを表現する筆力がありませんし、いろいろと世に情報が出てますので割愛。


機材面で特筆すべきは、この年、イノーとレモンが属するラ・ヴィ・クレールが、アルプス山岳ステージで、初めてフルカーボンフレームを投入しています。

LOOKが開発したものです。LOOKが、カーボンフレームのパイオニアだったのですね。



あと、TTバイクにも一年前から変化が出ています。
特にフィニヨンが所属していたシステムU。

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この写真でうっすらと分かるかと思いますが、左右のブルホーンバーをつなぐように、平べったい飛行機の翼のような白い板が見えます。いろいろ調べてみましたが、この正体が何で、これがどのような空力効果なのかはわかりませんでした。

さらにプロローグの個人TTでは、フィニヨンのシステムUは「アピュイ・ドセル」という、サドルの後ろに、飛行機の垂直尾翼を90度後ろに寝かせたような機材(特殊なサドル)を投入しています。

適当な写真が無かったのですが、お尻のあたりに滞留する空気を後方に流す効果が期待できるらしいです。

ところが、レース規定に反するのを承知で投入したので(*゚Д゚*)、翌日から禁止になって速攻で姿を消しました。

この"尾翼"は、セラ・イタリア製で、チタンでできていたようです。幻のサドル。

フィニヨンのチーム、システムUは、この年、かなりぶっ飛んだことをやっていたようです。


実は数年後に形を変えて復活するらしいのですが、それはまた今度の機会に。





あと、上の写真のフィニヨンの足元を見てもらうとわかるのですが、この時代は、トゥクリップとストラップで足をペダルに固定していたようです。


しかし。


LOOKのサポートを受けていた、イノーとレモンのラ・ヴィ・クレールは違いました。


既にビンディングを使用していたのです‼‼

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さすが、王者のチーム。






1987年大会。




猟銃事件に倒れたレモン不在のなか、デルガドとの死闘を制した、ステファン・ロッシュ。



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カレラに所属していた、ロッシュのTTバイクです。

足元にご注目。トゥクリップ&ストラップです。

鋼のハートを持つロッシュは強かった‼‼


1987年大会では、機材面ではあまり特筆するものは見て取れませんでした。


ただ、マイヨ・ジョーヌを着たロッシュの写真(上)と、1985年のイノーの写真(下)。


比較すると、ロッシュ(1987年)は、ブレーキワイヤーの長さが短くなっていて、フレームに沿うように密着しています。イノー(1985年)はビヨーンと上に浮いてますね。


このブレーキワイヤーの"コンパクト化"は、ロッシュに限らず、1987年大会では多くのチームに訪れているようでした。

少しずつ、少しずつ、"ロードレーサー"は、今の姿に近づいているんですね♪


さて、次は1988年大会ですが、それはまた別の機会に‼‼(* ´ ▽ ` *)