WANIMA「Are You Coming?」 | Rotten Apple

Rotten Apple

"Rotten Apple"検索でgoo辞書に勝ちましたありがとうございます


[Japan,MelodicPunk]

01.ここから
02.夏の面影
03.いつもの流れ
04.Japanese Pride
05.SLOW
06.TRACE
07.1CHANCE
08.リベンジ
09.いいから
10.Hey yo…
11.エル
12.THANX
13.また逢える日まで


すごいすごい。WANIMAは本物かもしれない。8月にリリースされた1st EPから「TRACE」「いいから」、レーベル所属前のデモから「THANX」「1CHANCE」を再録したフルアルバム「Are You Coming?」をリリース。PIZZA OF DEATHの全面バックアップでリリースされた前々作「Can Not Behaved!!」は、メロディックシーンに新たなヒーローが生まれたかのような衝撃を与えたけれど、それも大袈裟ではなかったのかもしれない。

みんなで歌えるどストレートなメロディックパンクは、バカ正直でスカさずに書かれた歌詞とともに思わずにやけて体が動いてしまいそうになる。代名詞ともいえる「1CHANCE」だったり、Hi-STANDARDの名前を出した「Japanese PRIDE」といった曲もあるけれど、家族愛や友情を温かく描いた泣ける日本語メロディックな一面が多くの人の心を掴んでいる。そしてその温かさは失った経験があるからこそだということも伝わってくる。
特に中盤の「SLOW」~「TRACE」や、ラストチューンが3連続で来るかのように畳み掛ける「エル」「THANX」「また逢える日まで」の流れはあまりに素晴らしすぎる。

様々なジャンルをインプットしてグローバルなマーケットを意識したサウンドメイクで人気を獲得していく昨今のバンドと比べ、自らのルーツを落とし込んでどストレートな日本語で温かい人間味を感じさせる彼らの方が潔いと思ったりもする。彼らが尊敬してやまないHi-STANDARDの再結成ですら、メロディックを再び音楽シーンの最前線に持ってくることは出来なかった。当たり前だけれど今はハイスタの時代ではないし、メロディックは懐古する昔の音楽でもない。メロディックが10年代に残るシーンになるのかどうかは、PIZZA OF DEATHの看板を受け継いだ熊本出身のバンドに期待するしかなさそうだ。