WONDERFUL ROCK -3ページ目

クラブトンの「ベストショット」

text by kazgadd


ディランのデビュー30周年を祝うこの日のライヴには、目もくらむようなメンバーが集まった。1992年10月16日、ニューヨークのマディソン・スクェア・ガーデンのことである。当時、NHK BSで小倉エージさんの解説で、確か二晩連続で放映したので、ご覧になられた方も多いのではないかな。

ディランと親交の深い「超」が付く一流ミュージシャンと、ディランを信奉する若手のミュージシャンが一堂に介し、それぞれがディランの曲を披露した。僕の知る限り、今までに行われたこの手のライヴでは、(あのLast Waltzをもしのぐ)最高のメンツが集まった一夜だと断言できる。


その晩は、Booker T. & The MG'sがホスト・バンドを務め、ホール&オーツのギタリストとしておなじみのGE Smithがミュージカル・ディレクターとしてステージを仕切った。
The MG'sは、Booker T. Jones はもちろんのこと、Steve Cropper、Donald "Duck" Dunn、ドラムスにAnton Fig、そしてJim Keltnerが加わるという豪華版である。


その晩の出演者をざっと挙げてみると、オープニングは John Mellencamp の〈Like A Rolling Stone〉で、オルガンにAl Kooper。続いてJohnny Cash、Tracy Chapman、Sheryl Crow、George Harrison、Chrissie Hynde、Roger McGuinn、Willie Nelson、Johnny Winter、Lou Reed、Tom Petty & the Heartbreakers、Neil Young、Ronnie Wood、Stevie Wonder、そしてThe Band名義で、Levon Helm、Garth Hudson、Rick Dankoの3人。そしてDylanとClapton。もう十分かな(笑)。書ききれないけど、まだいたはずだ。


さて、今宵はその中から、クラプトンの「ベスト・ショット」をご紹介したい。曲は〈Don't Think Twice, It's All Right〉である。





その「ベスト・ショット」はエンディングの6:02付近。ステージ側のカメラが捕らえている。ストラトのネックを振り下ろすシーンは、まるでサムライのようである(笑)。まさに男も惚れるナイス・ショットだ。


このライヴについては、とっておきの話があるのだが、次回あらためて。