[作詞･作曲: YAMATØ / 編曲: 荒谷まさと]
この町にやってきて
初めての秋が訪れた
俺は今 仕事帰り
一人暮らしの家路を辿る…
自転車置場の向こう側
見覚えのあるおんぼろ車
ナンバープレートを見て 俺は
忘れかけてた日々を想い出す…
そして 俺は戸惑いながら
車へと足を運ばせた
少し小さくなったお袋が
微笑みながら立ち止まってた…
『お久しぶりです…』
不意に俺が呟いたら
「元気だったかい…？」
お袋は 悲しそうに俺を見つめた…
つまらない意地を張って
家を飛び出した俺
二度ともう 帰らないと
ずっと 心に刻んでたけど…
どんな美しい言葉よりも
今 こうして お袋が
一瞬(ひととき)でも俺の近くにいる
ただ それだけでいいと思う…
いつまで経っても変わらない
馬鹿な息子だけど
母さん どうか これからも
俺のこと よろしくね…
何もなかったような表情(かお)で
俺が昔を語ったら
呆れたような表情(かお)で
お袋は 仕方なく昔を語る…
やがて 時間が流れて
夜の帳がおりて
ふと 空を見上げたら
朧気な十五夜が…
いろいろ話したいことが
俺の頭の中駆け巡る
素直な心とは裏腹に
拙い言葉しか云えなくて…
今度 いつ会えるのか
約束さえも出来ないまま
そして お袋はおんぼろ車に
ゆっくり乗り込んだ…
涙交じりの笑顔で
俺が大きく手を振ったら
涙交じりの笑顔で
お袋は 小さく手を振った…