出会ひの時、
普通はどしやぶってる…
か、どしやぶる状態である。
君は奇跡のやうに優しさと強さを持ち合はせていて、
強さと云つても其れは強引なものでなく、頼もしい其れ…
本当に頼もしい奴は陰湿なやり方かも分からないが、
こつそりと遠くから眺めては気づかれぬやうに気を配つて
…みたりする。
一度や二度でもない。
回数や頻度ではなく、総じて丸め込んでの事である。
嗚呼、君のえがをは見た事もないが、
総じてみればえがを以上の温もりを
そして私は私の道を行くふりをしなければならなくなつた。
そして私は自他の温もりなどは一切惜しみなく、
通り過ぎていくふりをしなければならなかつた。
優しさに気づいたならば其れは必ず無視したふりをしなければならない。
なぜなら優しさを優しさで返すなんて、面白くもない。
本当に優しい人間に報いなど必要ない。
惜しみなく無視すべきである。
現実的には無視したふりをしなければならない。
又は、其れ以上にこつそりと気づかれぬよに複雑に施しておかねばならない。
そしてなるべくは直ぐに忘れてしまおう。
優しさで繋がる事も金で繋がることも意味は全く同じである。
俺とお前の間に、なるべくなら何もない方がよい。
親しみも調和や愛も礼も義も全く不要である。
理想ではなく、今日も明日も…である。
どしやぶっていたのはどちらかと言えば僕の方で、
君は高台の安全な処から見ていたのである。
君は同年代の私を見つけるとちよつかいを出してきただけの事で、
それ以上の事はない。
完全に其れ以上の事はない…。
下からは視へない、
けつして。