自作詩とポートレイト その弐 | おおともゆうのブログ

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こんにちは! シンガーソングライター、おおともゆうです。
このブログでは日々の生活の中で遭遇する摩訶不思議中で超常現象をご紹介致します。


先日、友人の写真家の小山和淳氏の

被写体になってきた。

送られてきた写真を見て

なんとなく下北沢での色々な記憶が蘇った。

そしてそこに付随するいくつかの思い出も

蘇った。

そしてふと昔書いた詩を書きたくなった。


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「である」    詩作 おおともゆう


生きるのが下手である
人に心を開き だまされ
不用心と心を閉ざし
そうして
完全なる勝利の孤独に抱かれ
一人座するこの牢獄の中
アンニュイな重い憂鬱が
胸に垂れ込み 
やはりだんだと心細くなり
押入れに隠れた子供のやうに
そっと襖を開き 
外界の様子を
恐れ恐れ伺うばかりである

陽気に踊り 闊達にはしゃぐ
あの外界の景色を
暗闇から覗き見る私の目は
まるで化け物である
一寸先は光である
だのに私はじっと声を潜め
天変地異のごとく大地が震え
この襖がワァーッと開くのを
ただ待ち続けるばかりである

あすこに行けば
私はきっと幸せになれる
用心に用心を重ね
浅き川も深く渡れと
あつものに懲りて
なますを吹くのである

明日には人間に戻れるかもしれない
と恍惚に包まれるが
しかし、怖いのである
何が怖いのか
光か闇か
いや人か
否、化け物の目を失うのが怖いのである


であるが故に、であるのである。



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「書生わらべ歌」   詩作 おおともゆう


あぁという名の虫がいたなら
おぉという名の虫もいる
そうという名の答え在るなら
どうという名の問いも在る
せいという名の咎めが在るなら
おかげという名の誉れも在る
善という名の天使がいるなら
悪という名の下衆もいる
神という名の救いが在るなら
今という名の地獄も在る
今日という日の儚さ募れば
明日という日の希望も在る

此の世は持ちつ持たれつ
表裏一体 相対関係 火事親父
唯一なんて御座いません
海の色見て空見れば
気づくはずさ このことに
絶対なんて御座いません
真実なんて御座いません

その日暮らしの坊ちゃんいたなら
悠々自適な輩いる
背中丸めて泣き酒啜れば
隣の親父は両手に花束
仕事とちった青年叱るが
家に帰れば妻弾き
そんなこんなで嫌気が差しても
明日は明日で緑日爽風
要は凡てが同じこと
善も悪も御座いません
 
筆を握ればマメができ
マメができたら一休み
人はわがまま 自分が一番
悪うことでもござんすよ
だから気を抜き もう一杯
生きているもの仕方あるまい
一枚 二枚 三枚舌の
俺が言うんだ間違いない
だからおいでよ 一杯やろう
涙拭ってさぁよいしょ
重い腰上げ杯交わそう
今日という日も生きれたことに




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「終職活動」    詩作 おおともゆう


あの人には苦悩の姿が見えない
満足し幸せそうである
あの爛々とした深く鋭い眼光の
幼き反逆者は今
大人になって 全てを背負って
歩みを止めたのだ 


 死んだのだ。


大学を裸足で歩き
夜の街をほっつき歩く
あの小さな哲学者は
今満天の星空のもと
静かに息を引き取ったのである

安定なき孤独
不安定な未来
暗闇に心が蝕まれ
一切が沈む愛すべき夕陽に
あの人は別れを告げたのである


あの人は


死んだのだ。


揺り動く夕刻の影で泣き濡れる
私の目鼻のその先で。





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「もんじゃ通りの小さな喫茶」 
                               詩作  おおともゆう


歩き疲れた旅路の足が
通りを外れ 路地裏へ
四方形のガラス窓から
淡い光が漏れ出づる
5畳半の小さな喫茶
モーツァルトの豊かな音楽
レンガの壁には2匹の猫絵
江戸町民の生活版画
色とりどりに飾られた
長方形のメニュープレート
物言うことなき静かな老人
寂しき目をしたエプロン姿
長い歴史を持つ町の
ある一面を垣間見る
月日と共に流れ去る
豊かな時間と静かな音楽
都会の孤独と喧騒に
我を忘れて駆け抜けた
私の町にも安らぎが
小さな小さな安らぎが





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「幸せへのハウツー本」  詩作 おおともゆう


「常に笑顔で」
人間の一つの喜びという感情にだけ
焦点を定め
常に明るくシンプルにと謳う
本屋のベストセラーの御一行
毎日感謝を
周りを大切に
幸せのイメージを 
幸せのイメージを
祈れさらば報われん
祈れ願いは叶うだろう
ありがとうを毎日言いなさい
言うだけで良いのです
ただただ言うだけで
そこに方法論はありません
プラスの結果のみあります
幸せのイメージを
幸せのイメージを
幸せのイメージを
幸せのイメージを




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「パリ丸の内」   詩作 おおともゆう


黒灰色で分けられた
四方形の石畳の上
ローファー ブーツの鳴らす音が
近代初頭に建てられた
赤煉瓦の壁に木霊する
残雪まばらな十字路を
カフェの窓より眺め入る
柱に潜む道化師の
手にしたカップを横目でちらり
手にしたペンも早々に
端に追いやり給仕と談話
一本 二本と煙草に火をくべ
蒸気で煙る部屋の中
感じるこの世の儚き姿
編曲された往年の
名曲達に耳を澄ませ
心は遠きパリの秋空
ルドンの目の光が如き
旅する者の心は憂愁
人の心と一杯の
珈琲挟んで真摯に会話
あなたはいつより人生に
深く根ざしているのかと
問えば応えは街の中
凍えた初春の木漏れ日に消え
ランチョンマットのパリの地図
心は離れ汽車に乗る
多角形のオブジェと影
フロックコートの擦れる音
あらゆる土地の人々を
魅惑で照らす丸の内
喧騒の中より静寂を
求め彷徨う私の故郷
都会生まれの子どもらは
いつも心で旅をする
ある街角のカフェの中から
今から此処から丸の内





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ご精読誠にありがとうございました。 

写真家

小山和淳(こやまかずあき)

オフィシャルサイト

https://www.wajun-kaz.com/





シンガーソングライター

おおともゆう

Twitter @Yuotomo

ホームページ https://yuotomo.jimdo.com


2018年6月19日(火)

太宰治 追悼イベント「桜桃忌」を開催決定。

会場  三鷹「おんがくのじかん」

詳細は、おおともゆうのSNS等にて。

朗読家 語り手 音楽家 俳優

そのほか諸々の演者募ります。

おおともゆうのSNSにて

お問い合わせお願い致します。

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