PAのお仕事(佐々ふみさんに捧ぐ) | 感謝!感激!ポリあらし!

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Perfumeに救われた人間もいます

長年PerfumeのPAを担当されていた佐々ふみさん(通称・爆音姐さん)の若すぎる死
詳細は分からないが急性の病でアッと言うまにお亡くなりになったようだ、享年40歳

Perfumeに出会い、Perfumeセッションの皆さんに出会い、ほりうちさんにPAの基礎を教わり、Cerpenters演奏会の皆さんに出会い、爆音姐さんの仕事がどんなものだったのか少しは理解できているつもり。

バンドのLIVEにおけるPAの仕事はギター・ベース(アンプ前に各1本)、ドラムス(5本ぐらい)、ボーカルマイク1~4本、キーボードがいればステレオで2本の計10~16ラインのマイク入力を卓に入れて左右のスピーカーへバランス良く出力するのが主なお仕事
ただし、これが一筋縄ではいかない厄介な作業だったりする

ズブの素人もプロ機材を扱う人々と6年もお付き合いすると「門前の小僧習わぬ経を読む」
スタジオでのPAはとにかくハウリングとの戦い
コンサート会場でも場所によって音響特性が変わるので同じ場面は一つもないと言ってよい

我らがPerfumeの場合はどうだったのだろうか?
もちろん想像の域を出ないが一般的に考えてもCD音源をそのまま流しているはずはない
CDはヤスタカが自分のスタジオで自分の感性でマスタリングしてステレオトラック(左右一対)で出してきたものだ
LIVE用の音源はマスタリング前のマルチトラックのもを使用しているはずだ
要するにバンドと同じで三人のボーカルトラックもそれぞれ別れているだろうし、シンセやギターに加えドラムだって5ラインぐらいで出していると思われる
その会場で出せる最大限の音圧を求め、それでいて各パート音がはっきりと聞こえるようにLIVE中でもコマメな調整を続けるプロ中のプロ

2009年、小箱のジャズやオーケストラコンサート以外で、初めて自ら求めていったPerfumeのLIVE
狂ったように8本も行ったトライアングルツアーの2本目は仙台サンパレスホール
Tシャツから出た腕の表面を音が触ってゆく何とも言えない初めての「音の感触」
それでいてうるさく感じないのはなぜだろうか、とLIVEで興奮した頭の片隅に残った疑問
Perfumeをアイドル枠から飛び出せた重要な功労者の一人が爆音姐さんであることに異論は認めない

人は吸音材

客のいない会場でベストの調整をすると、客が入ると音が食われるらしい
プロとしては当然ながら客が入ってベストを目指して前もって調整しておく
要するに、その日一発目の出音からベストに近い状態を如何にして作るか
LIVE中でもLIVEを壊さないように微調整を繰り返しエンディングには完璧を目指す姿勢
初めてPerfumeのLIVEに行った人が口をそろえて言う言葉
「とにかく爆音にびっくりした」
爆音姐さんの爆音姐さんたる由縁である

関係者の、そして三人の心中は察するに余りある
ご冥福をお祈りいたします。