今日は、ちょっと趣向を変えて、幸せな小金持ちの人の育ち方についてお話ししましょう。
今これだけ経済的に成功しているのだから、ごく小さな頃から英才教育を受けていたのかなと思う人もいるでしょう。実際に、どういう両親に育てられたのか聞いてみても、ごく普通の家庭で育っている人の方が多いような感じがします。起業家の親を持った人もいますが、意外に多くは公務員やサラリーマンと専業主婦の組み合わせの家庭で育っているようです。両親の退屈な生き方に嫌気がさして、自分は人とちょっと違った生き方をしようとしたのかもしれません。
学校も、私立で特殊なエリート教育を受けたわけではないし、大学に行っていない人もいます。どちらかというと、学生時代に目立った成績を取っていたわけでもなく、人気者だったというわけでもなく、特徴のない人物です。同窓会でも、「えっと、あれ誰だったっけ?」と言われてしまうような人でしょう。
塾も友達と同じぐらいにしか行かなかった。スポーツも、そこそこ。サッカー、バレーも何年かやって辞めてしまったりしています。そういう意味では、ものすごく才能があると言うよりは、学生時代はなんとなく生きていた人のほうが多そうです。
でも、自分の興味を引くものには、とことんはまっていたりします。それはカメラだったり、切手収集だったり、語学だったりします。それが、そのうちにメシの種になるわけですが、最初は気づきもしません。
子ども時代にいろんなことができて才能いっぱいの人よりも、一つのことをずっとやり続けられる人のほうが、長期的にはうまくいくのでしょう。
天才はともかく、自分の好きなことをやって経済的に成功するには、そんなに才能は必要ありません。自分の選んだ分野を、楽しみながら追いかけていくことさえできればいいのです。
本田健