2013年5月
2013年5月31日(金) 10時から全国刑務所作業製品展示即売会に足を運ぶ。製品の販売は、公益財団法人矯正協会刑務作業協力事業部が行っており、イベントの仕掛け人は、古畑恒雄(元法務省矯正局長)弁護士である。矯正作業に係わりながら技術を習得し、立派な製品を作られている。私も矯正事業に古畑先生の関係で少しばかりの関わりを持っているが、より一層の力を入れていきたい。
 大阪市議会は昨日の本会議で自民、民主系、共産の三会派が提出した日本維新の会共同代表橋下徹大阪市長の問責決議案を、維新と公明の反対で否決した。
 前日迄賛成する意向を示していた公明党が、急きょ反対ということになり、否決となったと各紙は書いている。
 昨日の午前中、松井一郎大阪知事が、可決されたら橋下市長は辞職して出直し市長選を行うという発言が、公明党に大きな影響を与えたとも報道各機関は揃って報じている。
 従軍慰安婦発言、沖縄への差別、女性蔑視と受け止められる発言は、断じて許されることではない。「選挙」というブラフで流れが変わったとするならここは、参議院選挙で大阪市民の良識を示すべきだ。大阪市民の賢明な判断を期待してやまない。
 東京新聞「本音のコラム」金曜日は佐藤優さんで、「橋下発言と北方領土」という見出しのコラムであった。
 全文、読者の皆さんに紹介したい。

 慰安婦問題に関する橋下徹大阪市長の発言が、北方領土交渉に影響を与えている。
 二十三日、ロシア外務省が橋下氏の発言を激しく非難する声明を発表した。その中で、こんな指摘をしている。
 <すでに繰り返し、複数の政治家が「慰安婦」を用いたという恥ずべき慣行、彼女らを性奴隷に組み込んだことに対して「潔白である」との主張を試みるか、正当化さえしています。橋下氏の口からの、戦争中においてこの慣行は「必然的現象」だった、そして戦闘の中断期間に兵士を「息抜きさせる」助けになったそうである、というレトリックがとりわけ冷笑的性格を帯びています>
 <このような発言は、日本社会に戦後の現実の結果を完全に受け入れることを拒否させ、世界で受け入れられている第二次世界大戦の結果についての価値からかけ離れた偏向した評価を押しつけようとする一部の(日本の)政治勢力による継続的画策を背景にしてなされた、ということが注目に値します>
 平和条約(北方領土)交渉とのからみで、「戦後の現実の結果を完全に受け入れること」という表現は歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島に対するロシアの主権を承認せよ、ということだ。
 橋下発言を奇貨として、ロシア外務省の一部勢力が「戦勝国カード」を用い始めた。(作家・元外務省主任分析官)
平成25年5月31日東京新聞25面



 5月24日のムネオ日記で、ロシア外務省公式サイトにのった内容を紹介したが、知の巨人・佐藤優さんの指摘、分析に頷くものである。
 橋下発言は中国、韓国、米国のみならず、ロシアにも飛び火し、国益を損ねる事態になってきた。このことを国民等しく、深刻に考えなくはいけない。
 外国人特派員協会で「誤報」とはっきり指摘された。メディアの皆さんは堂々と大阪市長橋下徹日本維新の会共同代表とわたりあうべきでないか。そして国民に判断してもらうことが一番と思うのだが。

鈴木宗男