昨日の続きです。
ある土曜日の第3部になりますが、ここでは「形(かた)」になります。
今回もリクエストを募り、結果はタイトルにもあるように「四方拝(しほうはい)」になりました。
先日のブログでもお話ししたように、この日は少年部から昇格した道場生も参加していたので、一般部としての意識を持ってもらおうということで、タイトルにあるように「形」の文化的背景について簡単に説明し、その理解からスタートしようと考えました。
一般部ではこれまでそういう説明を何度かしましたので、確認の意味も含め、道場生の誰かに説明してもらうことにしました。
そういうことに興味を持っていそうな道場生がいましたので、私の代わりに説明してもらいましたが、曖昧になっているところがあったようで、途中で話の流れが少しおかしくなりました。
それで替わって私が行なうことになりましたが、それを詳細に書くと今日のブログで予定している文章量くらいになると思われますので、さわりだけお話しします。
「四方拝」についてお話しする時、「天の四神(てんのしじん)」のことを避けて通ることはできません。
その概念はゲームなどでも用いられていることから、子供たちの中には名称については知っている人もいました。
上のイラストはその中の「青竜(せいりゅう)」ですが、その具体的な内容までは知りません。
「四神」というように、「青竜」以外に「白虎(びゃっこ)」、「朱雀(すざく)」、「玄武(げんぶ)」という神がおられ、それを総称して「四神」と呼ぶわけです。
それぞれに方角や季節などにも関係し、それは1年の流れそのものになります。
この「四方拝」というのは、天皇陛下が元旦に行なわれる神事の名称と同じで、説明はその意義と千唐流で行なわれる「四方拝」の絡みにも及びました。
ただ、第3部はこの日の最後のメニューになりましたので、説明だけに時間を取ることはできませんので、この後、「形」そのものの稽古に入りました。
上のイラストは「四方拝」1挙動目と2挙動目の様子を表していますが、一見、左側の様子は基本の「その場稽古(そのばげいこ)」の時のような感じに見えます。
しかし、「形」として行なう際の「用意」の様子は異なり、上のイラストの左側の状態はそこから続く1挙動目になります。
その上で90度転身し、基本の「その場突き(そのばづき)」のような感じで「中段突き(ちゅうだんづき)」を行ないます。
同様の動作で90度ずつ四方に突くことになりますが、この動作が「形」の名称の由来になります。
ここでは目線の移動や運足など、「突き」以外の部分にも留意し、武術としての「形」の意識で行なうことが大切です。
稽古ではそういうことを念頭に行なってもらうことになりますが、細かく見るといろいろな個所で要注意のところがあります。
新しいメンバーが増えたので、一般部としてクオリティーを維持するためにもより細かくアドバイスし、レベルアップを心掛ける必要がありますので、そういう点を見かけたら随時、声をかけました。
上のイラストは、突いた後、90度転身をして「交叉立ち(こうさだち)」になり、その瞬間、「中段裏拳打ち(ちゅうだんうらけんうち)」を行なっている様子です。
この箇所でよく注意することの一つが、「中段裏拳打ち」の軌跡です。
よく見かけるのが「裏拳(うらけん)」を置くような動きですが、今回、それが見られました。
一般部に昇格した道場生ですが、技にキレがありません。運足と共にしっかり極めなければなりませんが、その動作が癖になっているでしょうから、しばらくは同じことをアドバイスし続けることになると思われます。「基本型(きほんかた)」にも登場しますので、そういう稽古の際も含めて習得してもらえればと願っています。
その道場生の動きですが、良いところもありました。
上のイラストで示した箇所ですが、「下段払い(げだんばらい)」から「中段足刀横蹴り(ちゅうだんそくとうよこげり)」を行なう箇所ですが、「蹴り」が良い感じで伸びていたのです。
この「形」を試合で行なう場合、ここは見せ場の一つであり、きれいに伸びる「蹴り」であれば印象は良くなります。
直真塾の場合、試合が目的ではありませんが、大会で良い成績を取れば意欲が増すのが子供です。もちろん、大人もそういう部分はありますが、良いところがあり、それがきちんと評価されるようなことがあれば自信にもつながります。
良いカタチで伸ばしてもらえればと願っています。
そしてタイトルにある分解・解説のところですが、基本的な解釈なので、上の写真のような状態で行ないます。仕掛ける方は「正整立ち(せいさんだち)」で構え、受ける側は「内八字立ち(うちはちじだち)」で両拳を腰に置いて構えます。
この状態から仕掛ける側が定番の「右中段追い突き(みぎちゅうだんおいづき)」で攻撃します。
それに対して受ける側は「形」通りの動作で反撃するわけですが、そこに「受け」はありません。体捌きのみで相手からの攻撃を避け、同時に反撃するわけです。
その具体的な技は「後猿臂(うしろえんぴ)」になりますが、左右どちらで行なうかについては間合いで決まります。その判断は状況を瞬時に判断して行なうことになりますが、こういう意識は実戦には不可欠です。
体捌きの質も反撃時に関係することになり、その点に問題があればその効果に疑問符が付きます。相手の攻撃を恐れるあまり反撃時の間合いが必要以上に空かないようにしなければなりませんので、体捌きは最小限の動きになるように心がけてもらいました。
そのためには運足に留意することが必要で、注目したところの一つです。
こういう稽古を初めて経験した人もいたと思いますので、今回は技の概要を理解してもらえれば良い、というところで行ないました。
もちろん、上級者の場合はその限りでありませんが、基本的なところでは問題なくやっていました。
こういうことは研究稽古でも行ないますが、そこで行なう内容は基本の応用もありますので、こういう過程でしっかり確認し、いろいろな変化に対応してもらえればと願っています。
この日の稽古はこれで終了しました。
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