ちょっと真面目な話~送料について考えてみた(エビ中と関係あるようなないような一般的なこととして | キミへの想いはなないろ

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これからも、君とここにいる日々

社会人になってから数十年、転職はありましたが、一貫して物流業界に身を置いています。

信じられないことに高速道が未発達だった頃の「運輸省認可」運賃がまかり通り、それなのに運行管理やコンプライアンス順守で、厳しい時代になりました。

テレワークの時代ですが、どの分野にも調達と生産、流通、販売する人はいるわけで、世の中に不可欠な仕事であり、商品が工場から倉庫、問屋拠点から販売店、個人へと流れていくプラットフォームを担当しているのは誇りでもあります。

食料品も衣料品もみな、そうですよね。パソコンのエンターを押せば届くわけですが、ボタンが押されると同時に色々な人が動き出すということを、もう少し念頭に置いて欲しいなというのが業界にいる人の願いです。

 

CDの販売値が3,000円として、どれぐらいアーティストに入るのか、調査したデータもあるようです。

そしてその1枚のうち、輸送費と呼ばれるものは1%程度といいます。つまり30円。もっとも、段ボールに50個入りであれば、1箱1,500円。佐川急便の80サイズで、関東圏内なら1箱1,400円弱。ただ、実際には法人契約して、もう少し安い運賃になっていると思います(弊社も佐川とは通常の6~7割程度で輸送しています)。

 

何の話かと言えば、皆さんがよく口にする言葉「送料が高い」というやつです。

毎回言っているなと思いながら、従事者としてはそれは必要なものだから払って下さい…と切実な思いでSNSを見ています。

 

 

ちょうどソニーを取材した記事があるので紹介します。

CD作成から検品、特典の封入、梱包から発送。あるいは在庫からピッキング、発送の仕事が紹介されています。

エビ中のソニーミュージックもここになります。forTUNEmusicでCDを購入すると、発送元が「ジャレード」になっています。ソニーの子会社で、製造から保管・出荷・配送などの管理業務を行っています。

forTUNEmusicが初回からしばらく「送料無料」対応しているのは、「CD発売前に多数の発注」があるためと思います。個人向けだけでなく、タワーレコードなどの店舗に送るのも法人契約があるか、リリース日に向けて大量の輸送があるためです。

 

CD発売後は在庫を置かなくてはならず、注文のたびにピックアップし発送するとなると、それなりの手間と経費が発生します。ジャレードがソニーとどういう契約をしているか分かりませんが、在庫管理のために坪単価(あるいはラックごと)の保管料を請求している可能性はあります。

特典会の後半、5次応募頃になるとCD代以外に送料519円が発生します。今回はCD1種でしたが、A盤、B盤といった複数種になるとそのピックと検品、納品書との照合が待ち受けます。以前はここに握手券が入っていたわけですから、なおのこと大変です。

※若い頃アルバイトで佐川の物流センターで働いていました。携帯電話のピッキングと発送でしたが、色や機種が様々で結構大変でした。その経験をもとに、CDもそうだろうという想像で書いています。

それらの作業を経て、静岡から全国に届けるのに、519円は決して「高い」とは思えないのですが、感覚が違うのでしょうか。また、どんなにたくさん買っても、どんな遠隔地でも一律にしてあるのは良心的だと思います。九州で50枚買う人と、東京で10枚買う人で運賃を分けていると面倒なのもありますが、法人のなせる業です。

 

さて、 MAILIVIS(メイリビス)です。

直近でグッズを買った記録がなくて申し訳ないのですが、同社のニュースリリースには「MAILIVISが提携する物流倉庫」という表記があります。スターダスト全体でかなりのタレントがいるわけで、ファンクラブや事務所のある渋谷区恵比寿でグッズを保管しているわけでなく、当然外部倉庫に委託しています、注文が入ればCD同様に在庫引き当て、梱包、発送という流れです。

仮に送料無料とします。そうなると、事務所がそれを負担せねばなりません。法人でいくらか安くなったとしても、1,000円の写真の実利益はますます減ることになります。CD自体、アーティストの収入が少ない中、グッズ(特に写真)で収益を上げないといけないのに、薄利では売る意味すらなくなります。

じゃあ、一律200円ずつ値上げしますとなると、10セット12,000円になり、今まで12セット買えたのにとなるわけで、購買数が減るかもしれません。ネット分添加で現地物販も同額に値上げしても解決しませんし、非常に難しいところです。

ですので、現行の商品販売値+送料というやり方が最適だと考えています。また、CD同様に全国ほぼ一律、写真1セットの人もTシャツやペンライト、パーカーをまとめて買った人も同額であるのは企業努力の賜物だと思います。

 
送料無料に関しては楽天やAmazonの通販、メルカリ・ラクマの個人取引(出品者負担)で「当然」の時代になっていることもあると思います。
でも、それは誰が負担するの?とひとまず考えてみて下さい。

長々と書きましたが、コンビニで売っているお菓子やレストランで提供される食材にしても同じです。人の手が関わっている以上、流通には運賃が伴うものと頭の片隅に入れておいて下さい(特に社会人の方は)。

物流従事者のお願いでした。

 

…こういうのはnoteに書いた方が良かったですかね。