ヴァイオリンへの身体作り -443ページ目

指が軽くなる体操

『7つのベーシック』


では、始めに『アーティキュレーション』


初級編では これを左手の技術と捉えます。
朗読で考えると、『発音』にあたりますね。

しっかり口を開いて…

の代わりに、ヴァイオリンでは 左手をしっかり弦の上に叩いて置いて、しっかり放す。
指の付け根から行いなさいと言われたり、放す方は左手のピツィカート練習をして訓練した方もいらっしゃるでしょう。


ピアノで言うとハンマーの役割をしている左手。
しっかり押さえながらも、押さえた後は脱力。放した指も脱力しなさいと言われますね。

基礎中の基礎ですが、初級者には難しい。
手を揉んだりニギニギしたり、ストレッチしたり握力をつけたりして
みなさん頑張っていらっしゃることでしょう。


セブシック作品1などで練習される方が多いかもしれません。
『新しいヴァイオリン教本3巻』のno.1、マイアバンクの一巻にも同じことが練習できます。

目的さえ明確であれば、コンチェルトや小品、バッハのソナタなどに差し替えても結構です。
スケールでもできます。

この左手の素早く細かい動き。

体操、あります。


写真の太めの矢印ありますね。ブルーで示しました。
そこを右手の親指と人差し指でつまんでください。第2関節は触りませんが、第2関節の方へ押してください。

第2関節から、指の付け根へ更に押して、少し角度を変えて揺すりながら、
『第2関節を使って付け根をほぐす』感じです。

何秒かやると、指が軽くなるのが感じられるはず。
他の指もやってくださいね。


『関節を用いて、一つ奥の関節をほぐす』
のです。他の関節でもできます。

例えば 慣れてくれば、付け根関節で手首をほぐし、
手首関節で肘関節をほぐし
肘関節で肩関節をほぐすことができます。



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7つのベーシック

では、『7つのベーシック』テクニックとは、何でしょうか。

皆さんも必ず行っていることです。セビシックの作品1や3、8、9、シュラディックの1、2
カイザーやクロイツェル、小野アンナ音階教本やカールフレッシュ スケールシステム…
新しいヴァイオリン教本、篠崎、スズキ、マイアバンク…


教材は何でもいいのです。そして、教材を行って練習していれば、必ず取り組んでいます。
ひとつひとつは『何のための練習か』が言えたとしても、
では、『このフレーズを○×のテクニックで弾いてごらんなさい』と言ったときに 迷う方は多いのです。

そう
語学で言うと
英和→和英
の発想です。両方からできないとモノになったとはいえませんね。



以下のテクニックの奏法は、要するにあるグループです。それぞれの注意点や効果 どんな奏法が含まれているか、また各々練習方法例や
どんな曲で使われているか
スラスラと言えたら 上級です。
では、いきますね。


7つのグループですよ。





アーティキュレーション
シフティング

ビブラート

レガート

デタッシェ

マルテレ

バウンシング




あれ、スピカートやスタッカートが入っていない!ですって?

スピカートはバウンシングのグループです。弓が弦から離れますからね。
スタカートはマルテレのグループですよ。
弦から弓が離れない奏法ですからね。

デタッシェとマルテレの違いもわかりますか?
デタッシェは一つの音に一つの弓を使いますが、弓の圧力は変えないので
音と音の間に休止はありません。

マルテレになると、これが休止が聞こえるんですね。
音を減衰させるマルテレもあります。ランセと言われるバッハで使う 音を減衰させながら弾く奏法は
マルテレのグループに入ります。

テヌートが付いていたらひとつひとつ音が離れますが、今度はデタッシェポルテと言って、デタッシェのグループに入ります。


つまり、これら似た奏法を将来きちんと見分ける&弾き分けるには、スタートが肝心なのです。
この7つのグループ分けで、始めましょう。




さて、ヴァイオリンのテクニック一つ一つには、体操があります。
次回blogから少しずつ、体操をご紹介していきます。

なお、この内容は弦楽器マガジン『サラサ-テ』41号から現在も、連載中です。




賢く上手になろうよ 2

私は7つのテクニックを提案しています。

ヴァイオリン奏法は、この基本的な7つのテクニックの組み合わせで出来ているからです。


この基本となる7つのテクニックをマスターすれば、『ウ゛ィルトオーゾテクニック』と呼ばれる、華麗な奏法をさらに身につけることも、可能になるでしょう。

この7つのテクニックを日々鍛錬していると、慣れて『勘』が出てくるからです。
また テクニックの結び付きも見えてきます。ここまでくれば、必要な材料を取り寄せながら着実に家を建てて行けばいいのです。