ヴァイオリンへの身体作り -445ページ目

手を丸くする

手が丸くできないという問題
『手を丸く』
実は、これは抽象的な指示なのですね。
手を形だけ丸くしたまま、固まってしまう人もいます。
本当に望ましい形を具体的に述べると
1.『手の平と手の甲の、両方の筋肉を両方使っている、中途半端な形』
2.『労宮にエネルギーのある、合谷の伸び伸びとしている形』
ということになります。
こんなことを言っても 余計にわかりにくくなりましたね(笑)
体操をしてみましょう。
両手をグー、パー、グー、パー、と60セットくらいやります。
最後の10セットは、段々動きを小さくしていくのです。
60セット終わった後も、手の内部が『グー、パー…』と動いているかのような感覚がすると、いいですね。
その感覚のまま楽器を構えれば、それが『丸い手』です。真の『丸い手』は、手の平と手の甲 両側を使っています。いつでも瞬時に握り込めるし、いつでも瞬時に開ける。
そんな、中途半端に待機している手なのです。




速い曲を弾きたい・2

速いパッセージを正確に、明確な発音で弾くには、身体使いのあるポイントがあります。
それは、眉間の状態。
気づいていない方も多いのですが、例えば早口言葉『生麦生米生卵』を三回言うとき、
自分の鼻からおでこにかけての状態を観察してみてください。
眉間に少し意識を向けて、鼻を高く感じて発音すると、ハッキリと喋れませんか?
ヴァイオリンも全く同じです。
巨匠ヴァイオリニストの映像も、たくさん観て観察してみてください。
必ず早いパッセージではしっかりと目を開き、眉間が伸び伸びとしているはずです。
これは、身体のツボ的に説明することができます。
人間は三つ『丹田』があります。
お臍の下の『下丹田』、胸の中央の『中丹田』、そして眉間の少し上『上丹田』。
お釈迦様など、おでこにポツンとありますね。あれです、あの場所です。
三ヶ所の丹田をしっかり開けば、速いパッセージも
またゆっくりなパッセージも 上手に弾けるようになります。
これを意識する体操は、簡単です。
手の平をおでこに当て、上へ引き上げます。呼吸と共に行いましょう。


肩凝りの原因

もう何十年も前の話ですが、風邪をひいて病院に行きましたら、主治医にこう一喝されました。(笑)
『(ヴァイオリンの)名人は肩凝らんじゃろが!』
『肩凝り』の原因はいろいろ言われています。
『腸が悪いときに肩凝りが起こる』
『歯の噛み合わせが悪くても肩が凝る』
『親指の使いすぎでも凝ります』
『頭を俯いた姿勢も凝ります』
『日本人は凝ります』
(笑)
しかし、
『ヴァイオリンは肩が凝っても仕方ない』
と言うのは、間違いです。
ヴァイオリンに限りませんが、身体を動かしているのに凝ると言うことは、少なくとも、身体の使い方が間違っているからです。
精神面からも来るでしょう。
あるコンサートマスターの方が、『左肩が凝ってしまいます』と訴えていました。
オーケストラの団員の“気”を、身体の左側で受けるのでしょうね。
私も、1日に10数名もレッスンすると、さすがに背中から首、肩にかけて凝ります。
生徒の“気”を背負ってしまうのでしょうね。
そんなときは、もう自分の練習はお預けです。
自宅で丁寧に身体をほぐします。
それでも足りなくて、温泉に出掛ける日もあれば、一時間かけてゆっくりヨガを行う日もあります。
翌日に持ち越さないように、気をつけなくてはなりません。
また、凝りは風邪の前兆でもあります。
ほぐし方を知っているだけでも、助かるなぁと思っています。
みなさんも、同じです。
身体の違和感がすぐに感じられるように、まず身体感覚が敏感になれたら、早く対処できます。
肩が凝ること自体は、ほぐせば直りますが
まずは、なぜ身体が凝っているのか、原因が何となくでもわかるようになりましょう。
もし身体使いが悪くて肩が凝るならば、正しい身体使いを学べばよいのです。
単純なことです。大切なのは、凝ったら必ずほぐすこと。
凝りを溜めないようにしましょう。
整体やマッサージなどに通うことでやっとほぐれるようでは間に合いません。ご自分で 身体と対話しながら いつも、まず自分でほぐすようにしていきましょう。
そのための体操やストレッチ、セルフマッサージ、セルフ整体でしたら、たくさんご紹介していますので
どうぞお気軽に講座にいらしてください。