「Perfect Daysパーフェクトデイズ」 わたしにとっての幸せとは  映画はクスリ | タロットのささやき、こころの景色

タロットのささやき、こころの景色

大田区・東急沿線にあるプライベートスペースで、
マルセイユタロットリーディングをおこなうHARUです。
おやつとお茶を楽しみながら、じっくりゆっくりタロットを介してじぶんと向き合う時間。
月に数回、定期的にカフェ鑑定も行ってます。

いい映画だったなあ。

しみじみ

いい映画だったなぁ。

おいしいものが細胞にじんわりしみこむように

からだとこころがいつまでも味わいたい

そう告げるような映画だった。

 

 

「Perfect Daysパーフェクトデイズ」

 

 

映画は

特別なことのない日常。

おなじことを繰り返すいつもの日常を

映し続ける。

 

  落ち葉を掃く音で目覚め

  植物に水をやり

  歯磨き洗顔髭を整え

  自販機の缶コーヒーを飲み

  車の中でカセットの音楽を聴きながら

  トイレ清掃の仕事へ向かう

  「平山」という初老にさしかかろうという男の毎日。

 



  神社のベンチで昼食

  (コンビニのサンドイッチ)

  今日の木漏れ日を1枚撮影

  (古いコンパクトカメラ)

  仕事終わりは自転車で銭湯

   (開店と同時に)

  その後地下の飲み屋で1杯

   (いつものやつ)

  寝る前の読書

    (古本屋の100円棚の文庫本)

 

そしてまた朝がくる。

 

 

  最低限の会話(ほぼ無言)

  最低限の人間関係(ほぼ挨拶のみ)

  必要なものだけの最低限の生活。

 

そんな中でも

小さな出会いと笑顔

小さないざこざがあり

心は浮き上がり心はざわめく。

 

 

同じ日は二度とない。

見上げれば

昨日とは違う朝

そして

ひとつとしておなじ姿ではない

風にゆらぐ美しい木漏れ日。

 

 



自分にとっての喜びを

しっかり見つめること

いらないものは潔くすててしまうこと

自分にとつて大切なものだけを

大切に握りしめること

 

 

 

簡素にそぎ落とされた2階の空間は

彼の大きな決断と別離を

 

積み上げられた荷物で埋まる1階の部屋は

この生活に至るまでの

彼の人生の紆余曲折を私たちに垣間見せる。

 

生きていれば

色々なものは溜まっていくけど

空を見上げさえすれば

その美しさを感じることができれば

また

笑顔になれるはずだと

「平山」演じる役所広司の笑顔は

無言のまま教えてくれる。

 

 



この映画に対するヴィム・ヴェンダースのインタビューが素晴らしくて

すこし長めだけどほんとうにおすすめしたい。

 

インタヴューはこちら