①森美術館 「私たちのエコロジー」展    アートはクスリ | タロットのささやき、こころの景色

タロットのささやき、こころの景色

大田区・東急沿線にあるプライベートスペースで、
マルセイユタロットリーディングをおこなうHARUです。
おやつとお茶を楽しみながら、じっくりゆっくりタロットを介してじぶんと向き合う時間。
月に数回、定期的にカフェ鑑定も行ってます。

 
 

チケットはずっと以前から購入していたのに

 

ようやく行ってきました

腰の重いわたくし。




 

 

 

 

森美術館

 

森美術館開館20周年記念展

「私たちのエコロジー」

 

 

 

もう20年が経つのですね・・・

 

私にとって森美術館は

ハズしがないつねに心踊る空間です。

 

 

 

ニナ・カネル

「マッスル・メモリー」

 

 

 

 

展示室いっぱいに敷き詰められているのは

北海道から運び込んだ

5tの帆立貝。

 

帆立貝の殻の焼却処理には

膨大な燃料費と

それにより発生する二酸化炭素が問題に。

 

 

 

鑑賞者がこの上を歩くことで

粉々に砕かれていく貝。

再利用品もさまざま開発・販売されていますが

追いつかない現状があること。

 

スニーカーの下で砕ける乾いた音が

心に痛い。

 

 

セシリア・ヴィクーニャ

「キープ・ギロク」

 

 

古代アンデス文明で

コミュニケーションに使用されていた、

ロープの結び目による結縄文字と

原始的な布を組み合わせた作品。

 

 

 

 

 

1950年代以降

日本における環境問題発生と

その対応策についての年表。

 

これだけ多くの問題が起こり続けてきたことに

改めて驚き

そしてその後にもまだ

 

 

環境や人体への被害問題が生まれ

終わることがない螺旋状のジレンマ。

 

 

よき天気でした。

 

 

 

殿敷侃

「山口-日本海-二位ノ浜 お好み焼き」

 

 

 

両親を原爆病で亡くし

自身もそれにより死去した作家の作品。

海岸で集めたプラスティックゴミを

深い穴に埋めて焼却した残骸2t。

 

 

「お好み焼き」というタイトルとのギャップが

逆に静かな怒りと恐怖を感じさせる

焼けただれた堆積物の

その重量感。

 

 

 

 

谷口雅邦

「発芽する?プリーズ!」

 

 

 

褐色に水分をうしなった

トウモロコシの葉や根がぎっしりと

廃棄されたようにも見えるが

 

その乾いた土の中には

種が埋められており

緑が芽生える可能性を秘めた作品。

 

モニラアルカデイリ

「恨み言」

 

 

 

日本の養殖技術で衰退した

ペルシャ湾岸の天然真珠業。

 

天井から聞こえてくる幾重ものささやきは

人工的に命の球を宿される真珠たちの恨み言。

 

 

 

雄保良

fruiting body

 

 

image

 

 

大理石ほか

世界中から集めた砂岩や塩、

そして

人工物のカオス。

 

私には

破壊された街に灯るちいさなあかりに

見えたけど・・・。

 

 

 

 

監視員のお嬢さんに聞けば

 

天井から垂らされた白い絹糸から
塩水がすこしずつ流れおち
 
やがてその糸に
塩の結晶がゆっくり実り
 
 
水がしみ込んだ砂岩が
より鮮やかな赤へとじわじわと変化し
その裾野に塩が波跡のように白く現れる。
 
 

 

 

 

会期が進むごとに

景色が変わっていく。

 

その過程を

一生懸命伝えてくれた

眼鏡の監視員さん

どうもありがとう。

作品を観る目がまったく変わりました。

 

 

(つづく)