膜×タッチ×経絡 | 毎日をちょっぴり生きやすくするあべもん(安部源生)のブログ

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作業療法士という生活を支える仕事をしています。講演会を全国10ヵ所以上でやっています。内容はセラピスト向けぁと筋膜、東洋医学、心理学。一般向けだとストレスケア、コミュニケーション など

皆さん、こんにちは!

OOOなセラピスト、
(Occupational therapy(作業療法)
×Oriental medicine(東洋医学)
×Oita(大分))

Oriental Physio Academy大分県支部長の
安部源生(あべもとき)です。

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夏ももうすぐ終わりますが、
引き続き熱中症には
気をつけてくださいね。

実はここ最近、
「ブログ読んでます!」
とfacebookの申請がちょこちょこきてます!
すごい嬉しいです!!
でも、
嬉しい反面、
なかなか更新できず、申し訳ないです(´・ω・`)

「解りやすく」を心がけるので、
これからも、お付き合い頂けると嬉しいですm(._.)m

facebookもしているので、
質問なんかも受け付けますし、
友達申請なんかも気軽にしてください!

【はじめに】

経絡について説明してきましたが、
ツボは骨のそばを刺激することがあります。

ROMやモビライゼーションといった徒手療法を行う際に筋・骨格系に注目しがちです。
経絡と臨床をリンクさせる際にはその周囲の軟部組織も考えていく、
と言うことを今までも説明してきました。
また、アナトミートレインは
筋膜のバランスを整える概念だと言うことを
お伝えしました。

経絡を考える上で
この「膜」「軟部組織」がキーワードになると思い、
ラテラルライン×肝経・胆経の前に
こちらを考えたいと思います。
ほんとは経絡とアナトミートレインをリンクさせる前にまとめれば良かったのでしょうが、
自分自身、知識を整理しながらまとめているので
いくぶん要領が悪いです(;>_<;)
なるべく解りやすくまとめますので、
暖かい目で見てやってくださいm(._.)m

【膜】
オステオパシーでは
「膜」という結合組織が他の全ての組織を繋いでいる
と言われています。
「膜」は筋・骨格・神経・動脈・臓器など
全身を覆い繋いでるものであり、身体を横断し、生理学的に大きな役割を担っているとされています。
オステオパシー創始者、A.T. Still医師は、
「膜こそが人体で最も最初に評価し、治療するに値する組織である」
と語っています。

※オステオパシーって?
オステオパシーはカイロプラティックと並ぶ、アメリカ三大整体の1つと呼ばれています。アメリカのA.T.Stillという西洋医学の医師によって1874年に発表された手技療法です。
JOPAホームページによると、
『アメリカではオステオパスはドクター・オブ・オステオパシックメディスン(Doctor of Osteopathic medicine) (D.O.) と呼ばれる称号を有し、内科・外科などの西洋医学医師(M.D.) と同様に正規の医師です。D.O.はすべての州で「医師免許」を認可されており、徒手医療だけでなく西洋医学医師(M.D.)と全く同等に「診断・外科手術・処方・投薬」等の全ての「医療行為」を行うことができます。』


一言に膜といっても解りにくいのでまずは、
血管から。

全身の血管を真っ直ぐに繋げるとどれくらいになるか
ご存じですか?

その距離、なんと!
10万㎞!
地球を約2周半します!!
重さは約2㎏!
ある意味、
人体で最も大きな臓器
とも言えます。



血管をぎゅーっと集めると
それだけでも人のシルエットは出来上がります。
これは神経や筋膜、内蔵を包む漿膜、中枢神経系を包む硬膜なども同じことが言えます。

ちなみに脳から脊髄ごと引っ張っていくと
こんな風になるそうです。



神経だけでも絡まっちゃいそうですよね?


【膜の機能】
オステオパシーでは膜の機能は
「4つのP」
と言われています。
①包み込み(区分け):Packeging
②保護(安定性):Protection
③姿勢:Posture
④通路:Passway
の4つです。

①は筋や内蔵、それぞれの境界をわける
②は膜の中身を保護する
③は膜そのものが姿勢を維持する機能を持つ
④は血液やリンパなどの通路になる
ということです。


膜は非常に大きなものです。
これらの滑走が悪くなれば、
筋・骨格系に影響がでる
こともあるのです。


【膜の治療】
では、
「膜の大切さは解ったけど、
内臓の膜とか治療できるの?」

答えは
「できます!」


実際にオステオパシーでは内臓のリリースもあります。


写真は小腸の腸間膜をリリースしています。

内臓がバラバラにならないように
おにぎりをラップで握るように
包んでいるのが
内臓の膜です。
ソーセージの真空パックみたいな感じですね。



写真でいうと、
腹膜ですね。

これが
心臓なら心膜、
肺なら胸膜
です。

これらも
身体が動く際には滑走します。
しかし、滑走が上手くいかないと、
可動域制限の因子にもなり得ます。
腹膜、心膜、胸膜はアナトミートレインでいうと
DFLですしね。


オステオパシーの膜に対する手技の中には、
小脳テントや大脳小脳鎌のリリースなんてのもあります。



「そんなのできるの?」
「できます!」



Aは小脳テントのリリースです。
母指で前方へ牽引し、
小脳テントを前方へ伸ばしています。
示指で側頭骨を回旋させ、外側にも伸ばしています。

Bは大脳鎌のリリースです。
母指で頭頂骨を押すことで、矢状縫合が沈み、大脳鎌の膜張力が低下するとしています。


上の2つの写真は触ってるのは同じ頭蓋骨ですが、
押す方向の意識や、目的で違うアプローチ
に、なっています。
骨を介して膜の操作
をしていますね。

このタッチの仕方を意識してると、
脈管系や隔膜(身体を横切る膜:横隔膜や脛骨、腓骨の間膜など)へのアプローチ
がしやすいです。

「できる(以下略)

表面だけを触っていては目的地を操作できませんが、
タッチを変えれば遠位の場所も操作
できます。


つぶれた脈管系も広げることも可能
です。

また、筋にたいして垂直に触れば、
筋に対するアプローチですが、
角度を付ければ皮膚との滑走が生まれ、
筋膜に対するアプローチ
になります。


【タッチ】
僕は上記で書いたような、
タッチの概念が
経絡を理解する上では重要と考えています。

最初の方に書いた通り、
ツボは
骨のそばを押すことが多い
です。
人によっては効果的
というのも聞きます。
骨ではなく、
その周囲の膜や軟部組織にアプローチしている
のかもしれません。

オステオパシーでは
足根骨の関節の捻れにより、
腰痛が起こったり、首が回らなくなったりする
という診断もするそうです。

今まで紹介した
原穴が足根骨周囲にある
のもそういった理由があるからなのかもしれません。

また、オステオパシーの手技のなかには
爪のリリースもあるそうです。
経絡の多くが爪のきわから始まる
こととリンクしてそうですね


(腎経は足裏から始まります。)


いかがでしたでしょうか?
オステオパシーの範囲広いですね笑
自分は
西洋医学的な考え方と東洋医学的な考え方の中間が
オステオパシーなのかな?
と思ってます。

オステオパシーに限らず、
1つの考え方を別の視点で見ていくことは
やはりおもしろいですね。

また、タッチの仕方はかなり重要です。
実際、ボバース的なアプローチや認知運動療法、さらには武術的な施術など
ハンドリングや相手に触れることをすごく丁寧にやります。
その他にも体軸理論での施術やヨガ・ピラティスといった治療者側のコンディショニングを考えていく考え方は多いです。
患者さんへの手の置き方も重要だと感じます。
ちょっとしたことでも変化は生まれますからね。


少し触れた、
皮膚に対するアプローチも話せたらなと思いますが、
その前にラテラルライン×肝経・胆経編ですねー…
のびのびになっちゃったなー(´-ω-`)
ぼちぼちまとめているので、
待っていただけると嬉しいです!

最後まで読んで頂きありがとうございました!
これからも、よろしくお願いいたします!